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トステム財団、次世代住宅の研究・開発を共同で推進する「環境技術研究機構」を設立
− 共同研究施設「メム メドウズ」開設により、研究環境の充実を図る −
− 隈研吾氏設計の寒冷地実験住宅「メーム(Meme)」による実証実験開始 −

2011年10月28日

 住宅・建材産業に関する調査・研究及び、人材育成等の事業に対し助成・支援する公益財団法人トステム建材産業振興財団(所在地:東京都江東区、代表:理事長 潮田洋一郎、以下:トステム財団)は、次世代住宅の研究を共同で進める「環境技術研究機構」を設立し、その中心的な研究施設「メム メドウズ(Memu Medows)」(所在地:北海道広尾郡大樹町(たいきちょう)字芽(め)武(む)158-1)を本日、開設しました。

 「環境技術研究機構」は、住宅・建材の研究を行っている大学・団体などと共同で次世代住宅の研究を推進する機構です。現在その趣旨に賛同いただいている団体は、東京大学生産技術研究所(野城(やしろ)研究室)、京都大学大学院工学研究科(鉾(ほこ)井(い)研究室 健康生活環境創造研究分室)、プラチナ構想ネットワーク(小宮山 宏 会長)の3団体ですが、今後も賛同いただける団体について拡大していく予定です。
 また、本日開設した研究施設「メム メドウズ」は、大樹町にある約56,000坪の牧場跡地を活用した施設です。その土地の気候を生かし、寒冷地における研究なども行えるほか、研究者が長期間の実証実験などを行うことも想定し、宿泊施設やレクリエーション施設も備えた研究施設です。
 さらに、同機構の趣旨に共感いただけたことから、同施設全体の設計・改修は、日本を代表する建築家 隈研吾 氏により行われています。また、同氏の“土地の持つ記憶をそのまま風情として残しながら改修し、資源も有効に活用する”というコンセプトの元、リニューアルを行い“土地の記憶”を残した施設になっています。築30年近い厩舎や、住宅、競走馬の運動施設などに断熱、耐震対策を施すとともに、内装を一新しています。

 研究施設「メム メドウズ」内のシンボル的な施設であり、第一号の“寒冷地実験住宅”「メーム(Même)」は、北海道古来の住宅をモチーフに、光を透過する白い膜材を二重構造(ダブルスキン構造)で壁と床を仕上げた隈研吾氏 設計、東京大学生産技術研究所 野城研究室 技術支援によるユニークな実験住宅です。ダブルスキン構造による高い断熱性や、地熱を利用した蓄熱式床暖房など、両者の先進のアイデアを取り入れ、デザイン性にも優れた「メーム」は、温熱環境の変化や、地震発生時のデータ計測など、長期的なデータ収集が可能な実験住宅でもあります。



<参考資料>
■環境技術研究機構について
 2011年4月、トステム財団の住宅・建材産業に関する調査・研究や、人材育成や内外関係機関等との交流及び協力に対する助成等を行ない、住宅・建材産業に関する技術の進歩と発展を図り、我が国の経済発展と国民生活の向上に貢献するという理念のもと、地球環境保全に寄与する次世代住宅の研究を促進させることを目的に設立。

【参画団体】(2011年10月28日 現在)
 ・東京大学生産技術研究所 野城研究室
 ・京都大学大学院工学研究科 鉾井研究室 健康生活環境創造研究分室
 ・プラチナ構想ネットワークメンバー

■「メム メドウズ」について
− 真に豊かな社会を実現するために、私達が取り組むべき課題とはなんでしょうか。
 省エネルギー、バイオマス、低炭素社会の実現、室内温熱環境のコントロール、耐震構造の検証など実にさまざまです。これら住宅をとりまく多様な実験に取り組める施設として、冬季には外気温が約マイナス30℃に達する気象条件の厳しい大樹町に、環境技術研究機構の「メムメドウズ」を開設しました。牧場跡地にもとから在った住宅や施設を取り壊さず、土地の持つ記憶をそのまま風情として残しながら改修して、資源も有効に活用しています。
 北海道大樹町は、冬季は厳しい寒さにも見舞われますが、その反面、季節が美しく移ろう豊饒の大地です。土地の名前「芽武(メム)」には「泉の湧き出るところ」という美しい意味があります。
 この地で、住まい手にとって真に快適な住環境とは何かを、利用者の皆さんと一緒に追求していきたいと願っております。

【施設概要】
 名   称: 「メム メドウズ」
 所 在 地: 北海道広尾郡大樹町字芽武158-1 ※旧「大樹ファーム」跡地
 所   有: 公益財団法人トステム建材産業振興財団
        〒136-8535 東京都江東区大島2-1-1
 管   理: 一般財団法人 生活環境研究センター
 敷地面積: 約56,000坪
 主要施設: 寒冷地実験住宅「メーム(Même)」、多目的ホール、ラボ棟、住宅1、2、3号棟(研究者向け宿泊施設)、
        ログハウス1、2号棟(研究者向け宿泊施設)、運動棟、レストラン、サウナ施設、管理棟 など



■寒冷地実験住宅「メーム(Même)」について
(設計:隈研吾建築都市設計事務所/技術支援:東京大学生産技術研究所 野城研究室)
 北海道古来の住宅をモチーフに、壁と床を同じ膜材で仕上げた、緑の台地に浮かび上がるように建つこれまでにない実験住宅。光を透過する白い膜材は二重構造(ダブルスキン)になっており、閉鎖的な暮らしになりがちな寒冷地にあって、室内に明るく柔らかな光をもたらしている。冬場は地熱を利用した蓄熱式床暖房によって、膜の聞に地熱をとり入れ、断熱性能をこうじょうさせると同時に、炉と煙突からの輻射熱で室内を効果的に暖めることができる。また室内には、CO2排出に伴う熱負荷などの温熱環境の変化や、地震発生時のデータを自動計測するセンサーを数カ所設置しており、長期的なデータ収集と蓄積が可能。


【主な特長】
1.寒冷地の伝統建物を参考とした地熱利用による省エネ床暖房
 寒冷地の伝統建物を参考とした地熱利用の蓄熱床暖房システムにより、省エネ効果をもたらします。

2.半透明膜材の自然採光による省エネ照明
 半透明膜材により木造軸組みの建物全体を包み込み、閉鎖的な居住環境となりやすい北海道(寒冷地)で、自然光による明るい室内を実現し、照明電力の省エネ効果をもたらします。

3.二重膜を利用した壁・天井内空調により、断熱性能を向上させる省エネ空調
 二重膜の壁内に暖かい空気を環流させることで建物の断熱効果を向上させ、省エネ効果をもたらします。

4.内膜のマジックテープ特殊納まりにより、壁・天井内の自由な場所にセンサーを設置し
  データを集めることで製品開発への貢献

 内膜のマジックテープ特殊納まりにより、壁・天井内の自由な場所にセンサーを設置できます。その他にも建物の各部位(床、壁、屋根、窓など)に取付けられたセンサーにより温熱環境、地震を自動計測し、データ収集を豊富化させることで各種住宅の製品開発に役立てることが可能です。

5.内膜のマジックテープや窓取付けの工夫により、建物の部材取替えを簡素化し、
  データ豊富化による製品開発への貢献

 内膜のマジックテープ特殊納まりにより断熱材、内装仕上げ材の取替えを簡素化し、また窓の取付け納まりを工夫することで容易に取替えが可能で、各製品の温熱環境データ収集を豊富化し製品開発に役立てることが可能です。


【主要実証実験:視える化(全体リアルタイムモニタリング)】
(東京大学生産技術研究所 野城研究室)
 住宅の空間性能の視える化を実験的に実施し、快適性を把握しつつ、エネルギー性能、構造性能に関してリアルタイムで情報を蓄積して分析、実験住宅における性能評価や、今後の情報利用の可能性を探る。
 将来的には、「メムメドウズ」におけるさまざまな環境技術等も比較検証を行い環境対応技術の向上に役立てる。



【建物概要】

■建物データ ■主な仕上げ
設   計: 隈研吾建築都市設計事務所
構   造: 森部康司(昭和女子大学)
設   備: 馬郡文平
       (東京大学研究員、Factor M代表取締役)
技術支援: 東京大学生産技術研究所 野城研究室
施   工: 株式会社高橋工務店(北海道広尾郡大樹町)
膜 工 事: 協立工業株式会社(東京都中央区)
建築面積: 79.50m2 / 延床面積:79.50m2
最高高さ: 6,270mm / 階数:地上1回
構   造: 木造
屋根・外壁: フッ素樹脂コート膜(テイジン)
断 熱 材: ポリエステル断熱材(エンデバーハウス)
室内壁・天井:ガラスクロスシリコンコート(ユニチカ)
床     : 畳(熊本産 強力イグサ)
炉   縁: 札幌軟石
構 造 材: 唐松集成材(北海道産)



【「メーム」参考写真/図面】

<外観>
<内観>


<平面図>
<断面構造図>
<断面図>