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INAXライブミュージアムに新たな展示館
「建築陶器のはじまり館」がオープン
4月28日より一般公開、
大正末期〜昭和初期に日本の建築を彩ったテラコッタを屋外展示でも紹介

2012年04月27日

住宅設備機器・建材の総合メーカーである株式会社LIXIL(本社:東京都千代田区、社長:藤森義明)が運営する、土とやきものについて学べる"体験・体感型ミュージアム"『INAXライブミュージアム』(所在地:愛知県常滑市)は、大正末期から昭和初期にかけ日本の建築を彩ったテラコッタやタイルなど「建築陶器」のコレクションを展示する「建築陶器のはじまり館」を開設、2012年4月28日(土)10:00から一般公開します。

※「建築陶器」:建築に用いるやきものを広く「建築陶器」と呼ぶ。ここでは主にタイルとテラコッタを指す言葉として用いる。

LIXILではこれまで、主に大正時代末期から昭和の初期(第二次世界大戦前)まで、鉄筋コンクリート造の建築に取り付けられた装飾のためのやきもの「テラコッタ」を譲り受け、保存してきました。「横浜松坂屋本館」(横浜市、設計鈴木禎次)のテラコッタは、装飾性も高く、建築史的にも貴重なものであり、2010年に解体される際、INAXライブミュージアムは、その保管を申し出ました。この美しいテラコッタを譲り受けたことを機に、これまでのコレクションについても改めて調査し、造形のおもしろさや迫力など、テラコッタのさまざまな魅力を体感できる展示施設「建築陶器のはじまり館」を開設します。

この「建築陶器のはじまり館」は、屋内と屋外の展示エリアで構成されます。屋内展示では、関東大震災を契機に明治期の煉瓦造の洋風建築から鉄筋コンクリート造へと変わってゆく建築の近代化の流れと当時の建築を彩ったテラコッタについて、社会情勢をひもときながら解説し、近代建築の巨匠、フランク・ロイド・ライト設計の「帝国ホテル旧本館(ライト館)」の食堂の柱など、貴重な資料も展示します。建屋ファサードは、INAXライブミュージアム「ものづくり工房」で制作したテラコッタを使用。現代の建築におけるやきもの装飾材の可能性を感じていただけます。

屋外の「テラコッタパーク」では、長く建築物の壁を飾ってきたテラコッタを、本来の姿である壁面に取り付けた状態で展示します。ゆったりとした芝生広場で青空の下、時代を映す国際色豊かなデザインと迫力をご覧いただけます。ライトアップされたテラコッタの雰囲気も趣き深いことから、夜間のイベント開催も検討しています。

写真左から:「建築陶器のはじまり館」外観と屋外展示エリア

 

■施設の概要

□設計監理
建築/南の島工房一級建築士事務所 日置拓人(ひき・たくと)
外構/オフサイドプランニング 樋口彩土(ひぐち・さいど)
内装・展示/東南西北デザイン研究所 石川新一(いしかわ・しんいち)
□施設地
愛知県常滑市奥栄町1-130
□敷地面積
777m2(うち、テラコッタパーク648m2
□建築物
・鉄筋コンクリート造1階平屋建屋内展示館
 (延べ床面積197m2
・鉄筋コンクリート造屋外展示場壁
 (平均高さ:約4.5m)

□屋内展示エリア

屋内展示エリア(一部)

20世紀建築界の巨匠、フランク・ロイド・ライトの代表作の一つとして知られる「帝国ホテル旧本館(ライト館)」は、常滑で焼かれたタイルとテラコッタで装飾されました。それまでの日本の建築には見られない、斬新で自由なデザインや、関東大震災にも耐えたといわれる新しい構造は、震災の災禍からの力強い復興の象徴であり、日本における鉄筋コンクリート造建築と、建築陶器による装飾の時代のさきがけとなりました。

初期のテラコッタ:京都府立図書館

屋内展示では、帝国ホテル旧本館柱型の実物を中心に、明治時代につくられた初期のテラコッタから、関東大震災を経て1930年代の全盛期に至る、日本を代表するテラコッタ建築とその時代背景を、実物のテラコッタやパネル展示で紹介します。

明治時代の赤煉瓦からタイルへの変遷をたどる素材の展示や、1936(昭和11)年に伊奈製陶が発行した「テラコッタ」カタログ(複製)、テラコッタ収集・保存のきっかけとなった、写真集「美の彷徨」(故 杉江宗七著)など、貴重な史料もご覧いただけます。

これらの展示を通し、日本の近代建築が花開いた時代の息吹や、人々のものづくりへの熱意を伝えていきます。

パネル展示内容(タイトル):
建築陶器のはじまり/テラコッタ前史 煉瓦の時代/テラコッタ草創期 若い建築家が紹介した、新しい素材/日本のテラコッタ 普及を支えた職人の技/スクラッチタイル 日本のタイル誕生/震災に耐えた建築を飾ったやきもの 帝国ホテル旧本館とライト/復興計画と新しい時代 テラコッタ建築の街並み/コラム 復興小学校/テラコッタ建築マップ/装飾の泉 テラコッタパークへ/新しいテラコッタを求めて

□屋外展示エリア(テラコッタパーク)

花や幾何学模様、動物などの彫刻が施された大きなやきもの装飾−テラコッタ。近代の日本の建築を華麗に飾りました。今は貴重な文化遺産となったテラコッタに、青空の下、間近で出会えるのがテラコッタパークです。1937年に伊奈製陶 (後のINAX)が制作した横浜松坂屋本館のテラコッタ(H4.5m×W1.8m)や、巨大なランタンをかたどった朝日生命館(旧常盤生命館)(H2.5m×W1.1m)、鬼や動物などの顔をモチーフにした愛嬌のあるテラコッタが壁面に10体並ぶ「大阪ビル1号館」の展示など、迫力のあるテラコッタを鑑賞いただけます。これらをはじめ、13物件のテラコッタを、当時の建築写真とともに展示します。長年風雨にさらされたテラコッタが、美しく整備されたパークの緑に映え、造形のおもしろさを味わいながらの散策もお楽しみいただけます。

横浜松坂屋本館

朝日生命館(旧常盤生命館)

大阪ビル1号館

■関連書籍『日本のテラコッタ建築 −昭和・震災復興期の装飾』(4月28日発売予定)

天地:284mm×左右210mm/本文104ページ/4色/1色/無線綴じ

定価:2,500円(税別) 発行:LIXIL出版
企画:INAXライブミュージアム 制作:株式会社LIXIL
著者:米山 勇、鈴木博之、大嶋信道、内田祥士 ほか共著
【図版構成】
●本編:帝国ホテル旧本館(ライト館)/京都府立図書館/新橋演舞場
/大同生命ビル/大阪ビル一号館/朝日生命館(旧 常盤生命館)
/建築会館/大日本製薬/武庫川女子大学甲子園会館(旧 甲子園
ホテル)/名古屋銀行協会/朝日石綿工業/冨山房/自治省庁舎/
大谷仏教会館/横浜松坂屋本館 ほか
解説=米山勇、後藤泰男、竹多格、杉江宗七
テラコッタ・マップ (東京、横浜、名古屋、京都、大阪)

■LIXILグループ『INAXライブミュージアム』概要

「世界のタイル博物館」「窯のある広場・資料館」「建築陶器のはじまり館」(2012年4月新設)「土・どろんこ館」「陶楽工房」「ものづくり工房」で構成される"体験・体感型ミュージアム"。土からやきものまで、その歴史や文化、美しさや楽しさを伝えています。土と陶の魅力に触れる体験教室や企画展、ワークショップも開催。
所在地:愛知県常滑市奥栄町1−130
TEL:0569-34-8282
総面積:15,000平方メートル
総従業員数:29名
開館時間:午前10:00〜午後17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎月第3水曜日、年末年始
共通入館料:一般600円、高・学生400円、小中学生200円
ホームページアドレス:http://www1.lixil.co.jp/ilm/

■展示内容一覧

・屋内エリアに展示するテラコッタ:全9物件

・屋外エリア(テラコッタパーク)に展示するテラコッタ:全13物件