ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

INAXライブミュージアム企画展
『建築の皮膚と体温
−イタリアモダンデザインの父、ジオ・ポンティの世界』
Giving Warmth to the Building Skin ― The World of Gio Ponti, Father of
Modern Italian Design
[会期] 2013年11月2日(土)〜2014年3月18日(火)
[会場] INAXライブミュージアム「土・どろんこ館」

2013年09月13日

住まいと暮らしの総合住生活企業である株式会社LIXIL(本社:東京都千代田区、社長: 藤森義明)は、2013年11月2日(土)から2014年3月18日(火)まで、INAXライブミュージアム(所在地:愛知県常滑市)「土・どろんこ館」にて、イタリア・ミラノを拠点に活躍したデザイン界の巨匠、ジオ・ポンティの建築表現を読み解く『建築の皮膚と体温 −イタリアモダンデザインの父、ジオ・ポンティの世界』を開催します。

小石形のタイルが埋め込まれた壁面 / ホテル・パルコ・デイ・プリンチピ(イタリア、ソレント) 撮影:梶原敏英

ジオ・ポンティ(Gio Ponti : 1891-1979)は、ミラノを拠点に幅広い分野で活躍した建築家、デザイナー、画家、編集者で、「イタリアモダンデザインの父」と呼ばれています。イタリアの陶磁器メーカー、リチャード・ジノリのアートディレクター時代に培った素養を活かした磁器、カトラリーや食器のデザインから、家具、高層ビルの設計までを手がけたポンティは、多様なマテリアルと戯れる稀有な存在として、近年、ヨーロッパを中心に世界各国で再評価が進んでいます。

本展では、建築家としてのポンティに焦点をあてます。20世紀初頭のモダニズム以降、建築の“表面”には人間的な温かみや楽しさ、手仕事や装飾の魅力が置き去りにされる傾向がありました。一方、ポンティはモダニストでありながらも、建築の“表面”の表現を模索し、工業製品に手仕事を介在させて、そこに質感や温もりといった「皮膚感覚」を与えました。特に1950年代以降、ポンティは建築という重さを伴う存在のなかに、「軽やかさ」と「薄さ」を追求します。その結果行き着いた建築の「皮膚」(表面)へのこだわりを、彼が好んで用いたマテリアルである陶磁器(タイル)をキーに読み解いていきます。

現代でも色褪せない、巨匠ジオ・ポンティの建築表現との出会いにご期待ください。

<開催概要>

INAXライブミュージアム企画展
『建築の皮膚と体温 −イタリアモダンデザインの父、ジオ・ポンティの世界』
Giving Warmth to the Building Skin - The World of Gio Ponti, Father of Modern Italian Design

【会 期】
11月2日(土)〜2014年3月18日(火)
【会 場】
INAXライブミュージアム「土・どろんこ館」企画展示室
〒479-8586 愛知県常滑市奥栄町1-130
TEL:0569-34-8282 FAX:0569-34-8283
http://www1.lixil.co.jp/ilm/
【休館日】
第3水曜日、年末年始(2013年12月26日〜2014年1月4日)
【観覧料】
共通入館料(一般:600円、高・大学生:400円、小・中学生:200円)にて観覧可
【企 画】
INAXライブミュージアム企画委員会
【キュレーター】
田代かおる(デザインジャーナリスト)
【展示・デザイン】
トラフ建築設計事務所
【特別協力】
ジオ・ポンティ アーカイヴス
【後 援】
イタリア大使館、イタリア貿易振興会
【協 力】
永井敬二、アルテミデ・ジャパン株式会社、株式会社アルフレックスジャパン、
株式会社カッシーナ・イクスシー、株式会社チェルシーインターナショナル

<展示概要>

“ポンティワールド”出現!

新しい感性で注目を集める若手建築家ユニット、トラフ建築設計事務所が展示デザインを担当。 「外壁」「内壁」「床」「窓」の4つのテーマに沿って、回遊しながらポンティの建築表現を読み解き、その「軽さ」や「温もり」を体感する“ポンティワールド”が立ち上がります。


展覧会場イメージ /提供:トラフ建築設計事務所

ジオ・ポンティデザインのタイルを再現!

ソレントの海を想起させる、ホテル・パルコ・デイ・プリンチピ(イタリア、ソレント)のブルーのタイルや、オランダ、アイントホーフェンのデパートのファサードに使われたタイルなど、6シリーズ11デザインのタイルを再現。「サン・フランチェスコ教会」(ミラノ)の外壁タイルを復原※1した実績を持つLIXILならではの、やきもの技術を駆使した再現タイルを空間展示します。

アイントホーフェンのデパート
ファサードのタイル

撮影:今村ひかる
修復後のサン・フランチェスコ教会
外観(上)と、タイル面のアップ(左)

撮影:梶原敏英

※1: サン・フランチェスコ教会
LIXIL(当時、INAX)では、1963年に建造された、ジオ・ポンティ設計「サン・フランチェスコ教会」の修復に伴い、その外壁タイルを、1年間の試作期間を経て2008年に復原しました。

日本未公開作品も!ポンティの貴重な図面・スケッチを展示

「ジオ・ポンティ アーカイヴス」(ミラノ)の全面的なサポートを得て、 貴重な図面や、日本初公開となる直筆スケッチを多数展示。
設計の手法からも建築の「皮膚」を考察します。

▲「ロサンジェルスのカテドラル」1967年
  ミラノNieubourg Galleryでの展覧会のために
  製作した彫刻作品のモックアップ
  *画像の無断転用を固く禁じます

▲「Untitled」1971年
  ザルツブルグ、新聞社社屋のフロアデザイン(習作)
  *画像の無断転用を固く禁じます

<展示作品(予定)>

  • 図面・直筆スケッチ・オリジナルタイルなど 約20点
  • 建築・インテリア・プロダクトなどの写真パネル
  • 再現タイルによる空間展示
  • ジオ・ポンティデザインによる幻の名作チェア「ガブリエラ」、さらに名作の現行生産家具、復刻家具、プロダクツを紹介

<関連冊子>

『建築の皮膚と体温 −イタリアモダンデザインの父、ジオ・ポンティの世界』
発行:2013年11月2日(予定)
版形:B5判(182×257mm)、無線綴じ
頁数:本文64頁
定価:本体1500円
発行:株式会社LIXIL
編集・制作:建築資料研究社+アイシオール

ジオ・ポンティ(Gio Ponti 1891-1979)

1891年、イタリア ミラノ生まれ。アーティストの素養を活かし、 小さなカトラリーや食器、家具のデザインから建築設計まで、幅広い分野で活躍。 教会建築のほか、イタリアではじめての近代高層ビル「ピレッリビル」を設計し、 「イタリアモダンデザインの父」と呼ばれるデザイン界の巨匠。 世界的に有名なインテリア雑誌『DOMUS(ドムス)』を創刊したことでも知られる。

1891  イタリア ミラノに生まれる
1921  ミラノ工科大学建築学科卒業
1923  リチャード・ジノリ製陶会社のアートディレクターを務める
1928  『 DOMUS(ドムス)』誌を創刊
1951  椅子「SUPERLEGGERA (スーパーレジェーラ)」発表
1963  サン・フランチェスコ教会(ミラノ)完成
1979  永眠