2014年03月07日
住まいと暮らしの総合住生活企業である 株式会社LIXIL(本社:東京都千代田区、社長: 藤森義明)では、日本一高く、自然の“光”と“風”を取り入れながらも高い省エネ性と快適性を両立した超高層ビルとして、本 日3月7日に全面開業した「あべのハルカス」(事業主:近畿日本鉄道株式会社)に、外観を機能的に飾るカーテンウォール( ビルの外装材)約100,000㎡やホテル(大阪マリオット都ホテル)のスイートルームに“ベルベットのような泡”が全身をつつみ 最高のリラクゼーションを実現する新感覚浴槽「フォームスパ」など、LIXILグループの総合力と独自の高い技術力を活かした 商材が多数採用されました。
「あべのハルカス」は、地上300m(60階建て)と日本一の高さを誇る超高層複合施設ビルです。低層階は 百貨店「あべのハルカス近鉄本店」、「あべのハルカス美術館」、中層階はオフィス、高層階は「大阪マリオット都ホテル」、さ らに最上階(58〜60階)には天井から足元までガラスに囲まれた解放感あふれる展望台「ハルカス300」があります。
今回、LIXILとして超高層に対応した高い性能と意匠性を実現する“ダブルスキン構造”など多様な用途 のコンセプトに応じた当社のオーダーカーテンウォールが採用されています。全面ガラスカーテンウォールの建築物としては、 国内最大級の採用面積となります。また、水まわりにはラグジュアリーを実現する高機能浴槽、多目的トイレ、洗面ユニット、 そして清掃性に優れたタイルの他、当グループの川島織物セルコンのカーペットなど、外観から居住空間まで、快適性を追求し た多くの商材が採用されています。
「あべのハルカス」デザインコンセプト/「立体都市をデザインする」
駅、百貨店、美術館、オフィス、ホテル、展望台等、様々な都市機能が立体的に集積したあべのハルカスは、 単体の建築というより、都市を設計するかのように計画されています。それぞれの機能に合わせて、柱スパンや天井高 さを最適化し、内部の活動を最大限に引き出しながら、それぞれの架構をつなぎ合わせるように、建物全体にトラスが駆け 巡っています。立体的に配置されたトラスは、建物を地震や風から守る構造体であると同時に、EVシャフトや階段スペース といった垂直搬入動線や、エネルギーを供給する設備機械室、また、換気や採光を担う、エコヴォイドとして立体都市の活 動を様々な角度からサポートしています。多様な活動がガラスのファサードを介して現れる姿は、建物の姿というより、都市風 景の一部として、大阪・阿倍野の街に新たなダイナミズムを与える存在となっています。
<参考資料> LIXIL商材 採用部位
低層階から60階の展望台まで、インターロック工法(LIXILオリジナル)のガラスユニットカーテンウォール
を全面に採用しています。居室エリアにはダブルスキン構造を取り入れ、素晴らしい眺望と省エネ空間を兼ね備えた環境配慮型
の透明感のある超高層複合施設ビルです。
また、日本一の建物(300m)であるため、最大風圧-9740Nの強度に耐えられる設計とし、水密性能・層間変位追従性能等も最高
レベルの要求に応えたカーテンウォール約100,000㎡が採用されました。
展望階から大阪の街を一望する人たちが空に溶け込んだ風景の一部になるような、三次元的な楽しみのあるスペ ースを体感できるように配慮された設計です。また、西面はトップライトとガラス床が採用され、天井から足元までガラスに囲まれ た開放的な空間を演出しています。さらに夜にはカーテンウォールのフレームにアッパーライトを反射させる工夫を行い、幻想的 なスペースに変化します。
西面トップライト、ガラス床
展望台全景(昼)
展望台全景(夜)
ホテル客室は優れた眺望と室内環境の隅々までの快適性を実現するため、結露の対策及び 遮音性・断熱性を満足させる性能を実現すると共に、サッシのディテールではフレームのスリム化の工夫を施したイン ナーサッシが採用されました。
ホテル一般客室
ホテル57階レストラン「ZK」
ホテルロビー
オフィス部は、建物で最大のカーテンウォールの設置面積になります。 ダブルスキンのイン ナー側にはLow-E複層ガラスを採用し、高遮熱ロールスクリーンとエアフローを組み合わせることで空調負荷の低減を実 現します。また、インナーサッシは室内の空間を妨げないスライド式の可動障子を採用することで、メンテナンス性の向 上にも配慮しています。
オフィス
左から2番目のインナー
サッシを開放
高遮熱ロールスクリーン
を閉じた状態
バルコニー収束
トラス貫通部
避難バルコニーを有する低層部のカーテンウォールには、意匠性が計算されたセラミクスプ
リント加工が施されたガラスが採用されており、昼間は自然光、夜間はLED照明にて、時間帯により変化する百貨店らし
い表情を立体的に醸し出します。また、南西面のユニットカーテンウォール(タワー館)と北面のノックダウンカーテ
ンウォール(本館改修)との工法の違いがある中、一連の外観意匠を統一させています。
給排気の役割を持つバルコニーや機械室は、50%開放のガラスのルーバーユニットにより、デザインと機能の調和が図
られています。また、南面の一部には太陽光発電パネルを合わせガラス内に組み込み、省エネ対策にも取り組んでいま
す。
南西面の避難
バルコニーを有する
低層部のCW
北面の50%開放の
ガラスルーバーCW
16階庭園CW
ヴォイド部のCW
他に比類ないリラクゼーションを実現する高機能浴槽として、
“ベルベットのような泡”とクッション性の高い“ソフト浴槽”が相まってラグジュラリーなバスタイムを実現する、
新感覚浴槽「フォームスパ」他が採用されています。
・採用商材: 「フォームスパ」ホテル向け「ユニットバスルーム」
ホテル客室施工例:左から、“ベルベットのような泡”、フォームスパ(浴槽のみ)、ユニットバス
ホテル施工例:左から、レジオ、エクサイト小便器
ホテル階ではスイートルームにふさわしく、海外の方にも満足いただけるような機器として静
音仕様で重厚感のあるタンクレストイレ「レジオ」が、またデザイン性に優れたタンクレストイレ「サティス」や個
性的な「エクサイト小便器」が採用されました。
・採用商材: タンクレストイレ「レジオ」「サティス」、「エクサイト小便器」
オフィス階にはバリアフリー対応の多目的トイレ、清掃性・使いやすさ・デザイン性などの観点か らシステムトイレが採用されています。また使用者がストレスなく利用できるようにフロアの双方向からの出入りが可 能な設計となっています。
オフィス施工例: 左から、多目的トイレ、大便器ユニット、洗面ユニット
水濡れ滑りに対する抵抗値も基準を満たし、落ち着きのある雰囲気を醸し出す天然石調模様の床 タイル「ソナラ」「セラクォーツ」や空間のアクセントとして心地よい存在感を演出するデザインタイル「テラロッ サ」などの弊社子会社 ダイナワンのタイルが化粧室に採用されました。いずれもデザイン面・機能面共に優れたコ ストパフォーマンスが高いタイルです。
ソナラ
セラクォーツ
テラロッサ
ホテル階では、グループ会社の川島織物セルコンが作 成した別注織りカーペットが採用されています。
ホテルクラブラウンジ
ホテル一般客室
ホテル57階レストラン「ZK」
◆「あべのハルカス」建物概要