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巡回企画展のご案内|大阪会場

2014年11月21日

科学開講!

京大コレクションにみる教育事始

Science Courses Begin! Early Science Education as Seen in the Kyoto University Collection

会期:2014年12月5日(金)〜2015年2月17日(火)
会場:LIXILギャラリー (大阪会場)

写真1 ウィムズハースト静電高圧発生装置
     1908年(明治48年)  サイズ:300×210×364
     所蔵/京都大学総合博物館  撮影/益永研司

「建築とデザインとその周辺」をめぐり、独自の視点でテーマを発掘するLIXILギャラリー(大阪会場)では、2014年12月5日(金)〜2015年2月17日(火)の期間、巡回企画展「科学開講!京大コレクションにみる教育事始」を開催します。
幕末から明治における日本は、貪欲なまでの熱意で近代科学を学ぼうとしていた時期でした。西洋から伝わった未知の知識・思想は、若者たちにどのように伝えられたのでしょうか。本展では、科学教育の黎明期を、京都大学の前身である旧制第三高等学校で使用された実験道具や標本などのコレクションを通してひも解きます。

│開催概要│

「科学開講!京大コレクションにみる教育事始」
Science Courses Begin! Early Science Education as Seen in the Kyoto University Collection

会 期
2014年12月5日(金)〜2015年2月17日(火)
開館時間
10:00AM〜5:00PM
休館日
水曜日(2/11は開館)、年末年始(12/30〜1/4)
会 場
LIXILギャラリー(大阪会場)
大阪市北区大深町4-20 グランフロント大阪南館タワーA 12階
入場料
無料
企 画
LIXILギャラリー企画委員会
主 催
株式会社LIXIL
共 催
京都大学総合博物館
協 力
大阪市立科学館

        http://www1.lixil.co.jp/gallery/

│展覧会の見どころ│

京都大学の前身である旧制第三高等学校(以下、三高/1894年発足)は、1869年に化学と物理の学校として大阪に開講した舎(せい)密局(みきょく)を始まりとしており、科学教育に力を注いでいました。当時のエリート学生は、実験によって物理を体感し、精緻な標本や模型で生命を理解し、掛図を教科書の補助として学んでいたといいます。科学という新しい概念を体験するため、高価な機材が多数ヨーロッパから買い集められ、やがて日本でも新たに作られるようになり、それらを用いて日本の近代化を推進する人材を育成していたのです。京都大学総合博物館には、これら日本の近代科学の始まりを物語る貴重な資料が数多く残されています。
会場では、三高で使われていた物理実験機器や生物標本、教育掛図など約100点を展示します。今では見慣れない実験機器は、一体どんな原理・原則を調べる道具だったのか、想像をかきたてます。一方、拡大して内部構造を明らかにする生物標本の数々は、身近な生物の中にも驚きや発見が多いことを教えてくれます。
また当時の最高技術を駆使して製作された機器の機能美や標本の精巧美にもご注目ください。
優れた教材の数々から、時代の最先端に近づこうとした質の高い教育を今に伝えるとともに、科学開講の瞬間を追体験していただければと思います。

写真2

写真3

写真4

●主な展示

<物理実験道具>

物理の実験道具は「力学」「音響学」「光学」「熱学」「電磁気学」のセクションに分けご覧いただきます。
主な展示として「電磁気学」からは、ウィムズハーストが1800年に開発した誘導起電機(写真1)をご覧いただきます。この装置は高電圧を簡単に発生させることのできる機器として当時の学校教育現場に広く普及しました。「力学」からは、物体の角度や角速度を測るジャイロスコープや真空および大気圧を示す実験に使うマグデブルクの半球などの機器のほか、化学分析に不可欠であった化学天秤(写真2)を展示します。この製品は日本で最初に天秤を作った守谷製衡所(守谷定吉)のもので、国内での製造が難しかった頃の貴重な資料です。細部の精巧さから職人の高度な技術をうかがい知ることができます。

<生物標本>

教育掛図 生物標本の分野からは、自然界の生物や現象を研究する際に使われた「ミツバチの模型」(写真3)、「カイコの模型」「カタツムリの模型」などを展示します。本来は解剖しないと見られない内部まで詳細に、しかも拡大した状態で観察できる標本は、教材として大きな役割を果たしました。さらに、当時から世界的に有名であったドイツの標本商、クランツ商会から買い集められた岩石や鉱物標本もご覧いただけます。これらの標本の数々は、観察や研究には欠かせない資料として活躍しました。

<教育掛図>

教育掛図は教科書の副教材として、絵で教え学ぶ役割がありました。数ある掛図の中から、今回は実物を4点、映像で15点を紹介します。古生物図や周期律表、解剖図といった理系分野の掛図をご披露します。石版印刷ならではの独特な色合いと、詳細に描き込まれた細部にまで眼を凝らしてご覧いただけます。

【写真キャプション・クレジット】
写真2:化学天秤 1895年(明治28)  467×235×508
写真3:ミツバチ模型  320×160×220
写真4:掛図/ワムシ解剖図  1100×790
所蔵:すべて京都大学総合博物館
撮影:すべて益永研司

│関連企画のご案内│

〔講演会〕実験道具から探る、明治の科学教育

日 時
2015年2月11日(祝・水)14:00〜15:30
講 師
永平 幸雄(大阪経済法科大学教授)
会 場
LIXILショールーム大阪 セミナールーム
大阪市北区大深町4-20 グランフロント大阪南館タワーA 11階
費 用
無料 *要予約、定員70名
予約方法
電話もしくはホームページから

│新刊LIXILブックレットご案内│

『科学開講!京大コレクションにみる教育事始』

12月上旬発売予定(74ページ予定、本体価格1,800円)