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業界初、アラミド繊維シートを上から張るだけの“既存壁を壊さない”新工法
木造住宅向けカンタン耐震リフォーム工法「アラテクト」の技術を確立
〜4月より全国で技術講習会を開催〜

2015年04月07日

住まいと暮らしの総合住生活企業である株式会社LIXIL(本社:東京都千代田区、社長:藤森義明)は、アラミド繊維を用いることにより、従来の工法では実現できなかった“既存壁を活かした耐震改修”を可能とする、業界初※1のカンタン耐震リフォーム工法「アラテクト」の技術を開発しました。

※1:繊維シートを用いた室内側から壁を壊さない耐震改修工法として(当社調べ)

カンタン耐震リフォーム工法「アラテクト」施工例

現在、日本の既存住宅の中で、現行の耐震基準を満たしていない住宅は1,000万戸以上※2あるといわれており、“住む人の命と財産を守る”住宅の耐震改修が急務とされています。国土強靭化施策の基本方針でも、2020年までに耐震化率95%達成が政策目標とされるなど、国を挙げて進められています。

しかし一方で、一般的な耐震改修には、壁や天井の解体が必要となり、生活者にとっては負担が大きくなることから、住宅の耐震化はなかなか進んでいない現状があります。

※2:平成20年国土交通省推計値

そこで今回、より耐震改修を普及させるため、繊維シートを用いることで室内側から壁や天井を壊さない、全く新しい耐震リフォーム工法「アラテクト」を開発しました。

橋脚の補強や防弾服などにも使用される高強力繊維「アラミド繊維」を加工し、厚さ1mm以下のシート状にした「アラテクトシート」を、既存の室内壁の上から専用の座金・ビスで固定するだけの簡単施工で、構造用合板同等の耐力(5.3kN/m)を発揮します。壁だけでなく、床や天井も解体することなくリフォームができるため、短工期・低コストで住まいながらの耐震改修工事が可能となります。

なお、「アラテクト」は、一般財団法人日本建築防災協会より住宅等防災の「技術評価」を取得しており(評価番号:DPA-住技-64)、設計、施工者は、事前に技術講習を受講して頂く必要があります。LIXILでは、4月より全国13会場で技術講習を展開していき、講習修了社より順次発売を開始します。

LIXILは今後も、「アラテクト」による耐震リフォームの普及を推進し、“お客さまの資産価値を守り続ける”より高品質な住まいづくりをサポートしていきます。

<参考資料>

■開発の背景

住宅の耐震改修が急務とされる中、現状は思うように進んでおらず、国の目標とする平成32年(2020年)に向け、今まで以上に耐震化を進めていく必要があります。

耐震化が進まない背景として、一般的な耐震改修では、壁や天井の解体が必要となり、生活者にとっては経済的にも生活的にも負担が大きくなってしまうという点があります。

そこで、これまでも高耐震高気密高断熱住宅「スーパーウォール工法」や、ひと部屋単位の断熱エコリフォーム「ココエコ」など、住宅の高性能化に取り組んできたLIXILは、もっと耐震改修を普及させたいという思いから、生活者の負担が少ない耐震リフォーム工法の開発を行いました。

■カンタン耐震リフォーム工法「アラテクト」特長

1.業界初、高強力繊維「アラミド繊維」を活用した耐震リフォーム工法

アラミド繊維は、引張強度が鉄の約7〜8倍の高強力繊維です。建築土木分野では橋脚補強や、その他特殊クレーン用ケーブルなど、各分野で強度が必要となる部分への使用実績があります。「アラテクト」では、このアラミド繊維に樹脂を含浸させ、厚さ1mm以下の薄い板状にしたシート(アラテクトシート)を、壁の耐震補強材として使用しました。(一財)建築防災協会の「住宅等防災技術評価」を取得しており、木造軸組構法住宅の耐震改修工法として評価されています。

アラミド繊維(糸状)

アラテクトシート

2.既存壁の上から張るだけの“既存壁を活かした耐震改修”を実現

施工は、既存壁を壊さず、壁の上からアラテクトシートを専用の座金とビスで固定するだけの簡単施工。床や天井や壁を壊すことなく、構造用合板同等の耐力(5.3kN/m)を発揮します。

また、大がかりな工事が不要のため、一般的な耐震改修工法と比べ、住みながら、短工期・低コストで耐震改修工事を行うことができます。

※下地となる既存壁が柱にせっこうボードを直張りした大壁の場合。
既存壁が横胴縁入りや上記以外の仕様、 または真壁の場合には、壁を解体し、下地となるせっこうボードの取付けが必要です。
金物取付時には、壁を壊す場合もあります。

<施工の流れ>

①既存壁の上にアラテクトシートを床から天井まで張ります。
②専用の座金・ビスで柱と間柱に固定します。
③最後にせっこうボード・クロスなどで仕上げます。

3. 4月より全国で技術講習を開始

アラテクトの取り扱い者の条件は、「住宅等防災技術評価」で規定されており、アラテクトの設計/施工者は、LIXILが主催する技術講習を受講して頂く必要があります。

LIXILでは、2015年4月〜9月までの期間、既に耐震改修を実施している事業者様を対象に全国13会場において2回ずつ、計26回 の技術講習会を開催し、講習修了社より順次発売を開始します。
(13会場:北海道、東北、北関東、千葉、埼玉、東京、神奈川、北陸、中部、関西、中国、四国、九州)

[設計者条件]:下記①かつ②の条件を満たす方

①(一財)日本建築防災協会または都道府県、定期報告取り扱い地域法人、全国の建築士会、全国の建築士事務所協会等が主催する「木造住宅の耐震診断と補強方法」講習会受講修了者

②LIXILが主催する技術講習の受講者

[施工監理者条件]:下記①かつ②の条件を満たす方

①建築士、建築施工管理技士又は(一財)日本建築防災協会または都道府県、定期報告取り扱い地域法人、全国の建築士会、全国の建築士事務所協会等が主催する「木造住宅の耐震診断と補強方法」講習会受講修了者

②LIXILが主催する技術講習の受講者

■対象地域:
全国