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LIXILの研究施設「 -Home ユースクウェアホーム 」にて
IoTを活用した『住生活の未来』に関する実証実験を実施
〜2015年度には、ビッグデータを活用した高度利用の研究に着手〜

2015年03月31日

住まいと暮らしの総合住生活企業である株式会社LIXIL(本社:東京都千代田区、社長:藤森義明)の研究機関であるLIXIL総合研究所(所長:小田方平)では、人・物・家・社会が情報で結ばれた、『住生活の未来』を体感できる研究施設「U2-Home(ユースクウェアホーム)」(千葉県野田市)にて、生活価値(QOL:Quality Of Life)を高めるための様々な研究を行っています。2015年度からは、ビッグデータ等の先端技術を活用し、さらなる高度利用に向けての検証や実証実験を進めていきます。

「U2-Home」内観

U2-Homeは、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)時代やスマートコミュニティ社会の到来を見据え、『住生活の未来』のための様々なアイデアの実証実験を行っています。当研究施設の最大の特長は、各種建材を活用した住まいの情報化です。門扉や外壁、窓、天井、壁、ドア、キッチン収納、水栓、浴槽、トイレなど、屋内外に200以上のセンサーを設置してネットワーク化し、部屋ごとの温度や湿度、ドアの開閉、住人の在室状況など、日々住生活に関わるデータを収集しています。また、屋外のセンサーからは、天候や風向き、PM2.5、紫外線などの情報が得られます。これらの住生活データについて、レベル1の「人に伝達」、レベル2の「住環境を制御」、レベル3の「高度な利用」の3段階での活用を検討しており、現在はレベル1・レベル2の段階として、安心・安全・健康・省エネ等、トータルな生活価値向上を目指した実験を行っています。

同施設で培った技術の一部は、LIXIL住宅研究所のコンセプトホーム「GURU GURU」や「レジリエンス住宅」、東京大学と連携した研究施設「COMMAハウス」、LIXILショールーム東京のスマートハウス展示などにも反映されています。また、2014年5月からは研究成果の一部を各分野の専門家や企業、団体などに公開しており、スマート社会のイメージ共有や課題の共有、共同研究を行っています。

2015年度からは、レベル3の段階として、ビッグデータや人工知能(AI)等の先端技術を活用した、より高度な利用を目指して研究を進めます。なお、これらの研究は、介護・医療・防犯・エネルギー・生活サービス・教育・メディアなど多くの分野への活用を見込んでいます。

LIXILでは今後も、U2-Homeでの研究を通じて、豊かで快適な住生活の未来に貢献していきます。

<参考資料>

■「U2-Home(ユースクウェアホーム)」について

90年代半ばからのインターネットの普及をはじめとする技術の進化と普及によってもたらされる、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)やスマート社会の到来を想定し、LIXILの商品や生活研究のノウハウと、最新のセンサーやネットワークの技術を加えた、人・物・家・社会が情報で結ばれた「住生活の未来」についてのアイデア発想と検証実験を行っています。2009年から試作を開始し、2013年より築16年(当時)の既存住宅(SW工法住宅)をリフォームして現在の施設が誕生しました。門や外壁をはじめ、窓や玄関といった開口部、バスルームやトイレなどの水まわりなど、LIXIL商材と家電・情報機器を通信ネットワークやセンサーを使って連携させた施設となっています。
施設の名称である「U2-Home」は、Ubiquotous(いつでも、どこでも、なんでも)とUniversal(だれでも)を掛け合わせた造語で、「生活者のためのスマート社会」を表しています。
※将来に向けた住生活を創造する研究であるため、商品化等の予定はありません。

<施設概要>

所在地:
千葉県野田市
運営:
LIXIL総合研究所(所長 小田方平)
土地面積:
200.47㎡
敷地面積:
72.87㎡
建設日:
1996年5月1日

■研究内容

1.住環境・住生活の情報化(住生活データの収集)

  • 生活空間に環境センサー(温度・人感など)とヒューマンインターフェース(タッチパネル・スピーカーなど)を設置し生活空間ごとに情報化。
  • 各住宅空間に設置されている住宅建材・設備・生活家電をネットワーク化。
  • 情報化された各生活空間と住宅内の物をネットワークで結び、住環境全体を情報化。

(左から)センサーネットワークイメージ、住生活データの例(検証用TVモニター)

【ユビキタス環境】

  • 情報化・ネットワーク化された住空間
    門、庭、アプローチ、玄関、リビング、トイレ、ユーティリティ、浴室、キッチン、ダイニング、廊下、寝室、書斎
  • ネットワークで結ばれた住宅設備・建材・生活家電・情報機器
    門扉、屋外戸、外壁、玄関ドア、勝手口ドア、室内戸、窓、地窓、天窓、雨戸シャッター、シャワートイレ、キッチン収納・浴槽・室内戸・水栓・屋根、エアコン・ヒーター・シーリングライト・ダウンライト・ロボット掃除機・小型蓄電池・スマートメーター(電気)スマートメーター(ガス)他

【ユニバーサル環境】

有機EL照明、テレビ、スマートフォン・タブレット・電子ペーパー・コミュニケーション・ロボット・カメラ、他

【主なセンシング項目】

屋外:温度・湿度、明るさ、風向・風速、紫外線、花粉/埃、PM2.5
室内:温度・湿度・明るさ・人の動き・建材の動き

2.住生活データと住生活ノウハウの活用(レベル1〜3)

【レベル1】人に伝達する

住環境・住生活から得られた情報を生活者に伝え、生活を改善します。

空間ごとのヒューマンインターフェース
(左から)玄関、脱衣所(温度制御ON)、水回り、トイレ(バリアフリー仕様)

生活シーンに合わせたポップアップ表示(左から)訪問者、異常発生時、見守り

【レベル2】住環境を制御する

センシング情報を元に、建材・生活家電をコントロールし、快適な住空間を提供します。
●建材連携制御
  門・玄関・外壁(カメラ)・雨戸シャッター・庭(人感センサー)の連携による防犯制御
●開口部・照明連携
  窓シャッター・日除け・シーリングライトの連携による日射・快眠制御
●建材・空調連携
  電動窓・室内戸・エアコンの連携による換気・通風・温度制御(ヒートショック予防)

風向きに合わせた電動窓制御

住宅俯瞰映像
(複数の外壁カメラのリアルタイム合成映像)

【レベル3】高度な利用(構想段階)

クラウドやビッグデータの技術を活用し、より高度な情報・サービスを提供します。

<応用が期待される分野>

介護・医療・防犯・エネルギー・生活サービス・教育・メディアなど