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LIXILの途上国の衛生環境を改善する2つのプロジェクトが
「日本トイレ大賞」の活動部門(途上国支援・国際貢献)において
女性活躍担当大臣・男女共同参画担当大臣賞を受賞

2015年09月04日

住まいと暮らしの総合住生活企業である株式会社LIXIL(本社:東京都千代田区、社長: 藤森義明)では、当社が途上国で取り組んでいる、トイレ環境を改善する活動、ならびに女子児童の生理問題を改善する活動の2つのプロジェクトが、政府が2015年に創設した「日本トイレ大賞」の活動部門(途上国支援・国際貢献)で女性活躍担当大臣・男女共同参画担当大臣賞を受賞しました。

キレイなトイレの前でくつろぐケニアの女子児童

簡易式パン型トイレ「SaTo」

生理教育を受ける児童たち

「日本トイレ大賞」は、すべての女性が暮らしやすい空間への転換の象徴となるトイレに関連する優れた取組事例を選定することによって、すべての女性が輝く社会づくりに資することを目的とする表彰制度です。初年度となる今回は378件の応募がありました。

【「日本トイレ大賞」を受賞したLIXILの活動】

①「途上国のトイレを改善するプロジェクト」

LIXILは、独自に開発した技術(「無水循環型トイレ」、簡易式パン型トイレ「SaTo」<Safety Toilets>)を使い、世界9カ国300万人以上のトイレ環境を改善するプロジェクトを行っています。

ケニアでは、スラム地区の学校と都市周辺エリアの住宅を対象とし、下水道インフラなしに設置できる「無水循環型トイレ」を使って衛生環境を整備し、人々の生活向上につなげています。また、簡易式パン型トイレ「SaTo」をバングラデシュ・ウガンダ・ハイチ・マラウイ・フィリピンに寄贈し、途上国の衛生環境の改善に大きく貢献しました。さらに、学校の衛生状況改善プロジェクトとして、世界各国(ケニア・中国・フィリピン・ベトナム・インド)の学校のトイレを改善し、女子児童が身だしなみを整える明るいコミュニケーションの場となるなど、子どもたちに清潔で安全なトイレ環境や衛生教育を提供する取り組みも行っています。

②「NEXT DOOR Project」(途上国の女子児童の生理問題の解決に向けたプロジェクト)

途上国では女子児童だけでなく親の世代から正しい生理教育が行われておらず、誤った知識や偏見、生理用品の不足による病気の蔓延など、様々な問題が起きています。LIXILは、社員の自発的な活動として、衛生環境を改善している国・地域の女子児童への生理用品と生理教育を提供する活動を継続して行っています。2015年3月時点で、ケニアの女子児童155人に生理用品と教育の提供を行いました。現地ではこうした取り組みがきっかけとなり、女子児童が生理に関する正しい知識を身につけ、女性であることに誇りと希望を持てるようになってきています。

LIXILでは、発展途上国の衛生問題解決に寄与し、清潔で安全な生活環境を提供することで、女性をはじめ世界中の誰もが、豊かで快適な住生活の未来に貢献してまいります。

<参考資料>

◆「日本トイレ大賞」を受賞したLIXILの活動詳細について

①「途上国のトイレを改善するプロジェクト」

著しい経済成長を遂げている新興国では、基礎的なインフラの整備が追いついておらず、衛生問題が深刻な社会問題となっています。また、慢性的な水不足に悩む地域も多く、トイレに水を使うことができません。公衆インフラのない地域では、野外排泄により劣悪な衛生環境となっており、汚物に接触した人が下痢性疾患を引き起こし、抵抗力の弱い子どもが亡くなるケースも多々あります。

女性においては、野外排泄や屋外トイレの夜間使用により、性暴力の危険にさらされることが多いのも現状です。

LIXILは、独自に開発した技術(「無水循環型トイレ」、簡易式パン型トイレ「SaTo」)を使い、世界9カ国300万人以上のトイレ環境を改善するプロジェクトを行っています。

「無水循環型トイレ」は下水道インフラなしに、トイレ環境の整備が可能な上、排泄物を堆肥にすることで、農業生産性能を向上させ、現地の人々の生活向上にも寄与します。簡易式パン型トイレ「SaTo」は、少ない水で流せ、排水弁を排水口に取り付けたことで汚水溜めからの蝿や臭気の発生を防げるうえ、設置も簡単です。

また学校の衛生状況改善プロジェクトとして、世界各国(ケニア・中国・フィリピン・ベトナム・インド)の学校のトイレを改善し、子どもたちに清潔で安全なトイレ環境や衛生教育を提供しています。学校にトイレが無いに等しい環境において、女子児童が安心して就学できず、結果十分に教育を受けらず貧困に陥るという悪循環を断ち切ることで、女子児童の教育・貧困問題の解決にも寄与しています。

今後は、途上国支援につながる「無水循環型トイレ」・「超節水トイレ」の販売を事業化することを目標として、トイレを改善する活動をしていきます。

排泄用ビニール袋が散乱したゴミ集積所

<設計条件>
1.貴重な水を使わない
2.資源循環を低コストで実現する
<無水循環型トイレの特徴>
個体と液体を分けて回収
→臭いの抑制
→資源回収の容易化

無水循環型トイレの仕組み

②「NEXT DOOR Project」(途上国の女子児童の生理問題の解決に向けたプロジェクト)

途上国では、女子児童だけでなく、親の世代から正しい生理教育がされておらず、誤った教育による差別や偏見、適切な生理用品の不足から生じる病気の蔓延など、様々な問題を抱えています。

LIXILでは、このような状況を知った社員有志が立ち上がり、自発的な活動として、女子児童に生理用品と生理教育を提供する活動を「NEXT DOOR Project」としてスタートしました。

まず、途上国ではトイレ環境や生理に関する問題があることを知ることから始まり、自分たちに何ができるか、何をしたいかを話し合うワークショップなどを行い、生理用品を現地に届けるための募金活動を実施。ケニアにおいて、NPOであるHuru Internationalと連携し、女子児童に対して生理用品一式の入った「ガールズバッグ」の提供と、生理に対する正しい知識を学ぶ生理教育を行っています。また、女子児童だけでなく男子児童も一緒に参加してもらい、誤った知識や偏見をなくすよう生理教育を進めています。

性別・雇用形態・勤務地・国籍を超えた社員間のネットワークにより、このプロジェクトをスタートして以来わずか1年(2015年3月時点)で、ケニアの155人の女子児童に生理用品と教育の提供を実施しました。現地ではこうした取り組みがきっかけとなり、女子児童が生理に関する正しい知識を身につけ、女性であることに誇りと希望を持てるようになってきています。

生理用品を手にする女子児童たち

布ナプキン、ショーツ、石鹸、生理に関する冊子など
が入ったガールズバッグ

「NEXT DOOR Project」に参加の社員有志

◆「日本トイレ大賞」について

「日本トイレ大賞」は、女性の「暮らしの質」の向上に資する取り組み、とりわけすべての女性が暮らしやすい空間への転換の象徴となるトイレに関連する優れた取組事例を選定することによって、すべての女性が輝く社会づくりに資することを目的とする新しい表彰制度です。

募集対象:

・ 空間部門

【一般施設】

①商業・集客施設(店舗、飲食店、劇場、ホテル等)
②オフィス等

【公共・公益施設】

③交通・旅客施設(駅、空港、SA・PA、道の駅等)
④公衆トイレ
⑤学校・文教施設その他

・ 活動部門

①途上国支援・国際貢献(途上国におけるトイレ設置等)
②災害対応・環境配慮(避難所の災害用トイレの改善、開発等)
③まちづくり・観光支援(トイレマップの整備、トイレ認証制度等)
④その他(食と排泄に関する教育、普及・啓発の取り組み等)

審査方法:

日本トイレ大賞審査委員会(仮称)において、応募書類(写真含む)をもとに内容を審査し、その結果を踏まえ、施設類型、活動類型ごとに優れた事例を選定します。