ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

LIXILギャラリー【建築・美術展】のご案内
「クリエイションの未来展」 第3回隈研吾監修
「岡博大展 -ぎんざ遊映坐 映智をよびつぐ−」

2015年02月16日

「クリエイションの未来展」 第3回

隈研吾監修
「岡博大展 −ぎんざ遊映坐 映智をよびつぐ−

会期:2015年3月12日(木)〜5月23日(土)
会場:LIXILギャラリー

今秋竣工予定の最新作「(仮)飯山ぷらざ」で、大雪の中、現場確認をする建築家の隈研吾氏と、
ドキュメンタリー映画を撮影する岡博大氏

LIXILギャラリー企画「クリエイションの未来展」について

LIXILギャラリーは2014年9月より、新企画「クリエイションの未来展」を開催しています。日本の建築・美術界を牽引する4人のクリエイター、清水敏男氏(アートディレクター)、宮田亮平氏(金工作家)、隈研吾氏(建築家)、伊東豊雄氏(建築家)を監修者に迎え、それぞれ3ケ月ごとの会期で、独自のテーマで現在進行形の考えを具現化します。

世界的に活躍する建築家・隈研吾氏設計のモバイルシアターが、銀座に3ケ月限定で開館!
映画作家・岡博大氏による隈氏らのドキュメンタリー映画を上映

「クリエイションの未来展」の第3回目となる今回は、建築家の隈研吾氏監修のもと、映画作家 岡博大氏による「岡博大展 −ぎんざ遊映坐 映智をよびつぐ−」を開催します。本展では、岡氏が4年半以上密着して撮影した隈氏のドキュメンタリー映画を中心に、隈氏設計のモバイルシアターにて上映します。モバイルシアターは竹素材で制作され、映像は隈氏の建築三昧の日常を記録したロードムービーに始まり、気仙大工棟梁の藤原出穂さんやアーティストたちへと繋がれていきます。各作品は約15分の短篇のループ上映となり、会期中順次、続編を公開していきます。
現在、隈氏が東北被災地で取り組む南三陸町の復興プロジェクトの映像などを通して、未来へよびつぐ創作の智恵を探ります。

「GCプロソミュージアム・
リサーチセンター」

「アオーレ長岡」

「木橋ミュージアム」

「クリエイションの未来展」第3回の監修者、隈研吾氏について

隈研吾 kengo kuma

建築家 東京大学教授
1954年横浜市生まれ。東京大学建築学科大学院修了。1990年、隈研吾建築都市設計事務所設立。現在、東京大学教授。1997年「森舞台/登米市伝統継承館」で日本建築学会賞受賞。その後「水/ガラス」(1995)、「石の美術館」(2000)「馬頭広重美術館」(2000)等の作品に対し、海外からの受賞も数多い。2010年「根津美術館」で毎日芸術賞。近作に「浅草文化観光センター」(2012)、「長岡シティホールプラザ アオーレ長岡」(2012)、「歌舞伎座」(2013)、「ブザンソン芸術文化センター」(2013)、「FRACマルセイユ」(2013)等。著書に、『負ける建築』(岩波書店)、『自然な建築』(岩波新書)、『小さな建築』(岩波書店)、『日本人はどう住まうべきか?』(養老孟司氏との共著、日経BP社)、『建築家、走る』(新潮社)、『僕の場所』(大和書房)など。

監修者からのコメント

「旅する映画作家」

岡博大さんは、僕が慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)で1年間だけ教えていた時の学生である。その時、建築史と美術史とを統合するという野心的なレクチャーを試みた。あまりに頭を使って疲れたので、1年間しかやらなかった。それまで岡さんは、ビジネスを志していたが、このときのレクチャーを聴いて、人生の方向を180度変えたそうである。その後、新聞記者になり、映画作家に転向した。 ここ数年彼と一緒に世界を旅している。彼はどこにでも付いて来て、気づくとカメラを持って、そこに立っている。僕の旅する日常にどんな価値があるかは、自分では分からない。しかし、岡さんはそこに価値を見つけてくれて、カメラを持って付いて来て、僕の旅をムービーにおさめている。 なにしろ膨大な量である。どんな形で日の目を見るかわからないが、ここで、モバイルシアターという場所を作って、その一部を紹介する。モバイルシアターは、ここを起点にして世界を旅していけばいいと考えている。旅しやすいように細い竹でできた球を積み上げるとシアターになるように仕組みを考えた。竹も岡さんも一直線で、しかも粘り強い。

(隈研吾)

作者からのコメント

「日常の映智」

3ケ月限定で「ぎんざ遊映坐」という名のミニシアターを開館する。
遊映坐とは「旅する映画館」の意味。どのような映画を、どのような場所で観るか。映画館は、観客の映画体験を大きく左右する。
会場では、隈先生とモバイルシアターを試作・展示し、映画を上映する。将来は、竹林の草庵のように、軽やかに旅するセルフビルド(組立式)のミニシアターに成長するといい。遊映坐という新たな映画空間の可能性も体感していただきたい。
オープニング作品として、隈先生の建築プロセスを記録したドキュメンタリー映画を公開する。建築三昧の日常を記録したロードムービーだ。
続いて、東北の伝統職人「気仙大工」棟梁の藤原出穂さんや、アーティストらに密着した作品も上映予定。ものづくりの過程に焦点を当て、時代を越えて受け継ぎたい、創作の智恵や復興の智恵を探る。
会期中、各作品とも制作を続ける。映画の制作プロセス自体も作品として公開するドキュメンタリー・イン・プログレスの手法を取る。各作品は短篇からなり、会場で順次、続編を公開していく。
小津安二郎監督ゆかりの北鎌倉の禅寺で、毎年小さな映画祭を主催させていただいている。ぼくの心の師でもある小津先生は、このような言葉を遺されている。「永遠に通じるものこそ常に新しい」「ありふれた材料でもっといいものが作れる」。いつまでも古びず、時代と国境を越えて人々の心に響き続ける小津映画。一見すると取るに足らない、無価値とも思える日常茶飯事の中に、ひっそりと奇跡や宝物が佇む。月並みで小さな映画を一本一本よびつぎ、連ねていくことで、後世へと継承すべき日常の叡智を描けないだろうか。

(岡博大)

│開催概要│

隈研吾監修 「岡博大展 −ぎんざ遊映坐 映智をよびつぐ−

会 期
2015年3月12日(木)〜5月23日(土)
休館日
水曜日、4月29日、5月6日
開館時間
10:00〜18:00
企 画
株式会社LIXIL
会 場
LIXILギャラリー
東京都中央区京橋3-6-18 東京建物京橋ビルLIXIL:GINZA 2F
入場料
無料
会場写真
http://www1.lixil.co.jp/gallery/
会期開始5日目から会場写真をご覧頂けます。
制 作
株式会社LIXIL
協 力
隈研吾建築都市設計事務所、東京大学隈研吾研究室、NPO法人湘南遊映坐

│関連企画│

トーク「建築と映画」
隈研吾(建築家)×岡博大(映画作家)

開催日
2015年3月23日(月)
開催時間
18:00〜20:00
会 場
LIXIL:GINZA 1F
入場料
無料 定員50名 ※要予約

*この他にもイベントを予定しています。順次ホームページにてご案内します。

│展示作品コンセプト│

モバイルシアターパース 素材:竹 設計:隈研吾建築都市設計事務所

作品1「建築家 隈研吾(仮)」上映時間 約15分 ループ上映
作品2「気仙大工(仮)」 上映時間 約15分 ループ上映

│作家略歴│

岡 博大 Hiromoto Oka

映画作家、ジャーナリスト、NPO法人湘南遊映坐理事長
1971年神奈川県生まれ。1999年慶應義塾大学総合政策学部卒業後、中日新聞社入社(東京新聞記者)。2010年から映画作家としても活動開始。建築家・隈研吾をはじめ、気仙大工、アーティストらの日常の叡智を描くドキュメンタリー映画を制作している。2008年に湘南遊映坐を設立し、湘南鎌倉や東北被災地で出張映画祭を主催。芸術文化振興や復興支援活動にも力を入れる。2014年より立教大学コミュニティ福祉学部東日本大震災復興支援プロジェクト参画。

著書/映画作品

1999
井上ひさし監修・共著「ぼくらの先輩は戦争に行った」(講談社)
2007
著書「映才教育時代」(フィルムアート社)
2010〜
ドキュメンタリー映画「建築家 隈研吾(仮)」
建築家・隈研吾の日常の創作プロセスに伴走したロードムービー。
2011〜
ドキュメンタリー映画「気仙大工(仮)」
東北の伝統職人・気仙大工のものづくりと復興の智恵を描く。
2011〜
ドキュメンタリー映画「ありがとう」
東北被災地の道中で発見した数多くの感謝のメッセージを連ねる。
2013
監修・共著「小津三昧」(遊映坐文庫)

その他、アーティストらに密着したドキュメンタリー映画も制作中。

展覧会

2013
隈研吾中国展2013「隙間」(上海)にてドキュメンタリー映画上映

湘南遊映坐

2008年、街のミニシアター文化を復興しようと、「旅する映画館」をコンセプトに設立した映画文化振興団体。毎年、小津安二郎監督ゆかりの北鎌倉の禅寺(円覚寺、浄智寺)などを“遊映”し、予告篇ナンバー1を決める「予告篇ZEN映画祭」を主催する。東日本大震災の発生後は、東北被災地で出張映画祭も開催。「みんなの小津会」や「えのしま遊映坐」「みなみそうま遊映坐」など、映画とアート、地元文化を融合したイベントを開く。2013年NPO法人化。