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LIXILギャラリー【やきもの講座】のご案内

2015年03月16日

「現代陶芸の思想 講座」 全5回

秋山陽・小川待子・深見陶治・三輪休雪・樂吉左衞門を語る
講師:森孝一

開催時期:2015年4月〜2015年7月
会場:LIXIL:GINZA 1階

LIXILギャラリー「現代陶芸の思想」講座 について

LIXILギャラリーでは、当ギャラリー やきもの展のアドバイザーを務める森孝一氏(美術評論家・日本陶磁協会事務局長)を講師に迎え、「現代陶芸の思想」をテーマとした全5回の講座を開催します。本講座では、森孝一氏が現在活躍中の陶芸作家を毎月1名取り上げ、分かりやすく解説を行います。この講座を通して、現代陶芸の今日的な状況を理解し、作品を鑑賞する上で新たな感動を得る機会を提供します。

「現代陶芸の思想」について     森 孝一

かつて、やきものはモノを入れる〝器〟でした。その時代には、土味や焼味といった素材感や、使うという行為から生まれた〝用の美〟が論じられてきました。 それが、表現としての陶芸となってからは、技術論・造形論がさかんに論じられるようになりましたが、それは専ら〝陶〟の部分のことであって〝芸〟の本質について論じられることは極めて少なかったような気がします。
芸術という大海の中においては、やきものも彫刻も絵画も、その本質は皆一つです。今回の「現代陶芸の思想」とは、その作家の思想ではなく、創作の根底にある本質、すなわち〝やきものの思想〟のことです。

陶芸の枠を超えて地球規模の造形思想を模索する秋山陽氏、土自身がもっている〝力〟を見つけ形に表現する小川待子氏、土原形にこだわりながら純粋造形作品をやきものとして創作する深見陶治氏、「作りたい作品を作る」という自身の内発的欲求を貫き独自の世界を創造した三輪休雪氏、長次郎茶碗がもつ 〝虚の空間〟と対峙し独自の焼貫技法を創出した十五代樂吉左衞門氏、この五人の作家の作品を通して、その創作の根底にある本質、すなわち〝やきものの思想〟についてお話しいたします。

│略   歴│

森孝一 (Mori Kouichi)

1951年 名古屋生まれ。 公益社団法人 日本陶磁協会事務局長、都留文科大学非常勤講師。雑誌『陶説』を編集のかたわら、美術評論家、エッセイストとして活躍。編著に『陶芸家になるには』(ぺりかん社)、『文士と骨董』(講談社)、『青山二郎の素顔』(里文出版)、『器の手帖』(宝島社)。2014年よりLIXILギャラリーやきもの展アドバイザー。
撮影:渡邊修

│開催概要│

現代陶芸の思想 講座 全5回

開催時間
18:30〜19:30(受付開始18:15)
企  画
株式会社LIXIL
会  場
LIXIL:GINZA 1階
東京都中央区京橋3-6-18 東京建物京橋ビル
入場料
無料
定  員
毎回30名 要予約
※お電話もしくはHPからお申込み下さい
TEL:03‐5250‐6530 
HP:http://www1.lixil.co.jp/gallery/

現代陶芸の思想 講座 全5回 開催日程

第1回 2015年4月10日(金) 秋山陽 (Akiyama Yo)

1953年下関市生まれ。1978年京都市立芸術大学陶磁器専攻科修了。1997年度日本陶磁協会賞。2010年第17回MOA岡田茂吉賞工芸部門大賞。2011年第32回毎日芸術賞。高火度焼成によって、土の内部に潜むエネルギーを表現する造形作家。

■「Metavoid 21」 25.0×157.0×68.0 cm 2013年 陶 撮影:豊永政史
協力:アートコートギャラリー

第2回 2015年5月15日(金) 小川待子 (Ogawa Machiko)

1946年札幌市生まれ。1969年東京藝術大学工芸科卒業後、パリ工芸学校、西アフリカ各地で陶芸を学ぶ。2000年度日本陶磁協会賞。2008年第58回芸術選奨文部科学大臣賞。器でありながら用の機能に捉われない、自由で根源的な作品に挑戦。

■ 2011-TO-9 [Untitled] 54.0×62.0×24.0cm 2011年 磁土、フリット釉
撮影:飯田安国

第3回 2015年6月19日(金) 深見陶治 (Fukami Sueharu)

1947年京都市生まれ。1985年「ファエンツァ国際陶芸展」グランプリ。1991年度日本陶磁協会賞、2011年度金賞。1992年MOA岡田茂吉賞工芸部門優秀賞。1995年毎日芸術賞。圧力泥漿鋳込みによる青白磁の純粋造形作品で世界的に知られる。

■「屹」 高 198.0cm 2012年 撮影:谷山真一郎

第4回 2015年7月10日(金) 十二代三輪休雪 (Miwa Kyusetsu ⅩⅡ)

1940年萩市生まれ。本名は龍作。1967年東京藝術大学陶芸科大学院修了。1988年度日本陶磁協会賞、2010年度金賞。2003年12代三輪休雪襲名。 愛(エロス)と死(タナトス)をテーマに、自己の内的世界を陶芸で表現する不屈の作家。

■龍人伝説「蓮華母」 高106.0 幅118.0 奥行63.0cm 2004〜2010年
撮影:田中学而 所蔵:山口県立萩美術館・浦上記念館

第5回 2015年7月24日(金) 十五代 樂吉左衞門 (Raku Kichizaemon)

1949年京都市生まれ。1973年東京藝術大学彫刻科卒業後、イタリア留学。1981年15代樂吉左衞門襲名。1986年度日本陶磁協会賞、1992年度金賞。1993年MOA岡田茂吉賞優秀賞、2006年大賞。1998年毎日芸術賞。樂家の伝統を守りつつ斬新な現代造形に挑戦する。

■焼貫黒樂茶碗 銘「紅雨」 高11.0 口径13.5-12.5 高台径7.0-5.5 cm
1999年 撮影:畠山崇