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とこなめ陶の森 陶芸研究所
DOCOMOMO* Japan「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」選定記念フォーラム
『堀口捨己と常滑市立陶芸研究所』
【日時】 2015年11月23日(月・祝) 見学会/14:00〜 公演・シンポジウム/16:30〜
【会場】 見学会/とこなめ陶の森 陶芸研究所 公演・シンポジウム /INAXライブミュージアム

※ドコモモ(DOCOMOMO=Documentation and Conservation of buildings, sites and neighborhoods of the Modern Movement) モダン・ムーブメントにかかわる建物と環境形成の記録調査および保存のための国際組織

2015年10月16日

株式会社LIXILが運営する、土とやきものの魅力を伝える文化施設、「INAXライブミュージアム」 (所在地:愛知県常滑市)では、「とこなめ陶の森 陶芸研究所」(旧 常滑市立陶芸研究所本館)がDOCOMOMO Japan「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」に選定されたことを記念し、建築の見学会とシンポジウムから成るフォーラムを常滑市との共催にて開催します。

旧 常滑市立陶芸研究所本館 外観

「旧 常滑市立陶芸研究所本館」は、伊奈製陶(後のINAX、現LIXIL)の創業地であり、LIXILのやきもの製品のテクノロジー拠点である「常滑」に、創業者伊奈長三郎の寄付によって1961年に設立された、LIXILに縁の深い建築です。日本を代表するモダン・ムーブメントの建築のひとつに選ばれたことを機に、本建築と、茶室研究の大家として知られるモダニズムの建築家、堀口捨己(ほりぐち すてみ)に改めて光をあて、地元常滑市民をはじめ、建築に携わる多くの人や、建築を学ぶ学生などに広く知っていただくための企画です。

「見学会」では、建築内外を解説つきでご案内するほか、やきものの街「常滑」の街並みを散策するツアーを実施します。「講演・シンポジウム」では、DOCOMOMO Japan代表、松隈洋(まつくま ひろし)氏をパネリストに迎え、DOCOMOMOの歴史や選定の理由について解説いただくほか、東京工業大学名誉教授の藤岡洋保(ふじおか ひろやす)氏には建築家、堀口捨己の設計思想についてのお話を伺います。フォーラムを主催する常滑市とLIXILからも学芸員がパネリストとして参加し、各々の立場から、常滑陶業の発展に尽力した伊奈長三郎が陶芸研究所設立に果たした役割や思い、「地域に根差した建築と施設」という現代の建築に求められている課題、などについてお話しいたします。本フォーラムを通して、「旧 常滑市立陶芸研究所本館」に見られるモダニズム建築としての特徴や、堀口捨己の設計思想について理解を深めていただくとともに、本建築を生み、育てたやきものの街「常滑」の歴史と魅力にも触れていきます。つきましては、広く情報のご掲載をお願い申し上げます。

LIXILは、これからも文化活動を通じて、日本や世界の建築の価値を評価し、保存し、建築文化の発展に寄与する活動を支援していきます。

■開催概要

とこなめ陶の森 陶芸研究所 DOCOMOMO Japan
「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」選定記念フォーラム
『堀口捨己と常滑市立陶芸研究所』

【日時】
2015年11月23日(月・祝)午後2時―8時
【会場】

INAXライブミュージアム「世界のタイル博物館」

〒479-8586 愛知県常滑市奥栄町1‐130
TEL:0569-34-8282 FAX:0569-34-8283

とこなめ陶の森 陶芸研究所

〒479-0822 愛知県常滑市奥条7-22
TEL:0569-35-3970 FAX: 0569-35-3970
http://www.tokoname-tounomori.jp/
【参加費】
無料 、懇親会は一人 2,000円
【主 催】
株式会社LIXIL、常滑市 共催
【後 援】
DOCOMOMO Japan

【プログラム】

・ 「見学会」(予約制、定員30名)

午後2時〜/ とこなめ陶の森 陶芸研究所(旧 常滑市立陶芸研究所本館)

・ 「講演・シンポジウム」予約制、定員80名

午後4時30分〜/ INAXライブミュージアム「世界のタイル博物館」
◆第1部◆
「Docomomo の歴史と、常滑市立陶芸研究所本館 選定の理由」
松隈洋[DOCOMOMO Japan 代表、京都工芸繊維大学教授]
◆第2 部◆
「伊奈長三郎が常滑市立陶芸研究所に込めた思い」
後藤泰男[LIXIL 広報部文化企画G グループリーダー、学芸員]
小栗康寛[とこなめ陶の森 資料館 学芸員]
◆第3 部◆
「堀口捨己の設計思想」藤岡洋保[東京工業大学名誉教授]

・ 懇親会 (予約制、参加費2,000円)

午後6 時30 分〜/講演・シンポジウム会場内にて 

【予約方法】E-Mail、FAX にて申込み

「陶芸研究所選定記念フォーラム」と明記の上
1.参加者氏名 2. 参加希望「見学会」「講演・シンポジウム」「懇親会」
3.連絡先(電話番号)4.参加人数を記載
申し込み先/FAX: 0569-34-8283 E-Mail: event.ilm@lixil.com
問い合わせ/INAXライブミュージアム TEL: 0569-34-8282

① 堀口の建築を特徴づける、張り出した庇

② エントランスホール

③ 展示室

■とこなめ陶の森 陶芸研究所(旧 常滑市立陶芸研究所本館)

設計 堀口研究室(堀口捨己)/施工 松井建設株式会社/竣工年 1961(昭和36)年10 月/構造 鉄筋コンクリート造地下1 階・地上2 階建/面積 延510.77 平方m /特徴 淡い紫の外壁は、常滑焼の窯から流れてくる煤を洗い流せる当時最先端技術であったカラコンモザイクタイルが張られている。屋上には四方にモールガラスを張った三角屋根が突き出し、展示室に自然光が終日入る仕組みとなっている。3.5m 深い庇の日本建築の伝統に、ガラスブロックやプラスチックパネルなどの最新素材を使うことで現代的な空間を作り上げた。

④ 屋上のトップライト

⑤ 茶室

⑥ 外壁のカラコンモザイクタイル

写真撮影:①・④・⑤・⑥加藤雅久/②・③相原功 

■堀口捨己 ほりぐち・すてみ(1895〜1984年)

岐阜県生まれ。東京帝国大学工科大学建築学科卒業。分離派建築会として、過去の建築様式からの脱却を目指し活動。平和記念東京博覧会公営課技術員、清水組技師を務めたのち、1925(大正14)年頃から本格的に設計活動を開始。「数寄屋造」を日本建築の真髄と位置づけ、日本建築の普遍性を取り入れつつ現代社会に適応した建築をつくり続けた。

■伊奈長三郎 いな・ちょうざぶろう(1890〜1980年)

愛知県常滑に、陶工・伊奈長三郎の六代目として生まれる。「帝国ホテル煉瓦製作所」の技術顧問を務め、のちに1924(大正13)年に伊奈製陶株式会社(後のINAX、現LIXIL)を創業、衛生陶器およびタイル製造を始め、トップメーカーに育てた。同時に、常滑の近代窯業の開発と発展に尽力した。常滑陶芸の興隆を念願し常滑市に自社株式を寄付、それをもとに1961(昭和36)年に陶芸研究所が建設・竣工した。

■DOCOMOMO(=Documentation and Conservation of buildings, sites and neighborhoods of the Modern Movement)について

モダン・ムーブメントにかかわる建物と環境形成の記録調査および保存のための国際組織。

20 世紀の建築における重要な潮流であったモダン・ムーブメントの歴史的・文化的重要性を認識し、その成果を記録するとともに、それにかかわる現存建物・環境の保存を訴えるために、オランダのフーベルト・ヤン・ヘンケット(当時アイントホーヘン工科大学教授、現デルフト工科大学教授、初代会長)の提唱により、1988 年に設立された国際学術組織。近代建築史研究者だけでなく、建築家、建築エンジニア、都市計画家、行政関係者などが参加している。シンポジウム,機関誌,専門分科会による研究活動などを通じて啓蒙活動を行なっている。

現在の本部はポルトガル(リスボン)のリスボン工科大学に置かれ,会長には3代目としてアナ・トストエス(Ana Tostoes)、リスボン工科大学准教授が就任している。2014年現在、64支部(Working Party)がある。 ドコモモの日本支部(DOCOMOMO Japan)は、1998年にDOCOMOMO本部からの支部設立の要請を受ける形で、日本建築学会の建築歴史・意匠委員会下のドコモモ対応ワーキンググループを母体に組織され,2000年にはブラジリア総会でDOCOMOMOの支部として正式に承認された。2014年度までにDOCOMOMO Japanの選定した「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」は計184件となっている。また、建築物の見学会や全国各地での展覧会、研究集会ならびにセミナーやシンポジウムも精力的に開催している。現在の代表は松隈洋・京都工芸繊維大学教授。

DOCOMOMO Japan ホームページ
http://www.docomomojapan.com/

■とこなめ陶の森

「資料館」「陶芸研究所」「研修工房」の3施設から成り、やきものの街、常滑における焼き物文化の創造と発信の地、陶業・陶芸の研究・研修の拠点、また常滑焼の振興と伝承の地として活動している。

〒479-0822 愛知県常滑市瀬木町4-203
TEL:0569-34-5290 FAX: 0569-34-6979
ホームページ:http://www.tokoname-tounomori.jp/

■INAXライブミュージアム(LIXILグループ)概要

「世界のタイル博物館」「窯のある広場・資料館」「建築陶器のはじまり館」(2012年4月新設)「土・どろんこ館」「陶楽工房」「ものづくり工房」の6館で構成された“体験・体感型ミュージアム”。土からやきものまで、その歴史や文化、美しさや楽しさを伝えています。土と陶の魅力に触れる体験教室や企画展、ワークショップも開催。

所在地:愛知県常滑市奥栄町1‐130
TEL:0569-34-8282 休館日:毎月第3水曜日、年末年始
共通入館料:一般600円、高・学生400円、小中学生200円
ホームページ: http://www1.lixil.co.jp/ilm/
LIXIL文化活動Facebook: https://www.facebook.com/LIXIL.culture/