ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

充填付加断熱工法「スーパーウォール デュアル」活用による
省CO2住宅の普及促進に向けた地域工務店との協働プロジェクトが
「平成28年度 第1回サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」に採択

2016年09月28日

住まいと暮らしの総合住生活企業である株式会社LIXIL(本社:東京都千代田区、社長:瀬戸欣哉)では、この度、地域工務店との協働による、充填付加断熱工法「スーパーウォール デュアル」を活用した健康・快適に暮らすための高性能住宅の普及促進プロジェクトが、国土交通省の実施する「平成28年度 第1回サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」に採択されました

※2016年8月24日 国立研究開発法人建築研究所 発表

「スーパーウォール デュアル」による施工の様子
(2016年、北海道)

「サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」は、家庭部門・業務部門のCO2 排出量が増加傾向にある中、省CO2 の実現性に優れたリーディングプロジェクトとなる住宅・建築プロジェクトを募り支援することで、省CO2 対策を強力に推進し、住宅・建築物の市場価値を高めるとともに居住・生産環境の向上を図るべく、国土交通省が実施する公募事業です。

LIXILでは業界に先駆け、1995年に高気密・高断熱・高耐震構造のスーパーウォール(SW)工法を開発し、高性能住宅の普及促進に取り組んでまいりました。2016年5月より全国で展開している「スーパーウォール デュアル」は、SW工法(充填断熱)に、さらに硬質ウレタンフォームによる付加断熱を組み合わせる「充填付加断熱」を採用することで、断熱性能をさらに進化させ、国内トップクラスの断熱推奨水準「HEAT20 G2」を実現する工法です。

また「スーパーウォール デュアル」では、パネルの高性能化に加え、販売にあたっては地域工務店約9,900店(2016年4月現在)による加盟店制度をとっており、加盟店ビルダーさま向けに、設計・施工手法をマニュアル化した「テクニカルガイドブック」や、住宅プランの参考となる「コンセプト住宅モデル」を用意するなど、高性能住宅づくりに関する技術ノウハウ提供を図ることで、高性能住宅の普及促進、ならびに高い施工品質を担保しやすくしています。

今回の採択においては、このような地域工務店向けのサポート体制による「スーパーウォール デュアル」を用いた高性能住宅の普及促進が評価されたほか、加盟店ビルダーさまの中でもさらに同地域の工務店同士を組織化した全国SW会との協働による、北海道・東北、中国・四国を重点エリアとした展開強化策が、全国的な省エネ・省CO2住宅化の底上げを図る取り組みとして先導的と評価されました。

なお、10月17日(月)に開催される「第18回 住宅・建築物の省CO2シンポジウム」(主催:国立研究開発法人 建築研究所、一般社団法人 日本サステナブル建築協会、会場:すまい・るホール、所在地:文京区後楽1−4−10)にて、今回の採択内容についての発表が行われる予定です。

LIXILでは今後も、SW工法ならびに「スーパーウォール デュアル」の普及促進を図ることで、日本の住宅の高性能化を促進し、豊かで快適な住生活の未来に貢献していきます。

<参考資料>

「スーパーウォール デュアル」商品特長

1. 従来のSW工法と比較して2倍の断熱性能を実現する新工法

充填付加断熱工法「スーパーウォール デュアル」は、既存の充填断熱(SW工法)の外側に、さらに50mmの硬質ウレタンフォームによる付加断熱を組み合わせることで、「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会(通称:HEAT20)」の提唱するゼロ・エネルギー住宅の基準値「HEAT20 G2」をクリアすべく、従来の約2倍、国内でもトップクラスの断熱性能※を実現します。
さらに断熱だけでなく、建物の耐久性を左右する防露性能もあわせて向上します。

※代表モデルでの当社調べ:断熱性能=Q値(熱損失係数)
従来品:Q値=2.09(SW T65、サーモスⅡ-H、けいざい君) /新工法:Q値=1.08(SW DUAL 100EX、サーモスX、エコエア90)

2.外張り・内張りの2商品をラインアップ

SWパネルの外側に50 mmの硬質ウレタンフォームで付加断熱をする「100EX(イーエックス)」と、内側に石膏ボード9.5mmと硬質ウレタンフォーム30mmが一体になったパネルを組み合わせた「100IN(アイエヌ)」をラインアップしています。「100IN」は外壁側に付加断熱施工が困難な狭小地に対しても施工が可能です。

「テクニカルガイドブック」

3.安心の加盟店制度と技術ノウハウの提供

本商品はSW工法を熟知した全国約9,900店(2016年4月現在)のSW加盟店ビルダーさまのみの取り扱いとなり、高性能住宅づくりの技術ノウハウ提供として、加盟店ビルダーさまへ「テクニカルガイドブック」の設計編、施工編と住宅プランの参考となる「コンセプト住宅モデル」をご用意しています。

「テクニカルガイドブック(設計編)」では、「スーパーウォール デュアル」における住宅基本性能を高める設計手法や自然エネルギーを活用した設計手法をマニュアル化しております。「テクニカルガイドブック(施工編)」では、基礎工事から内装工事までの一連の施工方法を標準化しており、特殊な施工技術を用いなくとも施工が可能となっています。

HEAT20とは

HEAT20は長期的視点に立ち、住宅における更なる省エネルギー化をはかるため、断熱などの建築的対応技術に着目し、住宅の熱的シェルターの高性能化と居住者の健康維持と快適性向上のための先進的技術開発、評価手法、そして断熱化された住宅の普及啓蒙を目的とし2009年に発足した団体です。メンバーは研究者、住宅・建材生産者団体の有志によって構成されています。

HEAT20は「省エネルギー性能」と「室内環境の質の向上」がバランス良く調和した住宅を目指しています。そこで「HEAT20が提唱する建築性能を有する住宅」を実現するために「HEAT20 G1」と「HEAT20 G2」の2つの断熱性能推奨グレードを提案しています。

「HEAT20 G1」は「エネルギー」「住空間の温熱環境」と「コスト」のバランスを両立した外皮水準であり、建築後30年間のコストシミュレーションで断熱工事費と暖冷房費が最も抑えられる基準です。「HEAT20 G2」はZEH実現のための推奨外皮基準となっており、それぞれの断熱性能推奨グレード案は、地域区分6(東京都)の場合以下になります。(2015年発刊 HEAT20設計ガイドブックより)

HEAT G1:外皮平均熱貫流率 UA値=0.56[W/(㎡・K)]、熱損失係数 Q値=1.9[W/(㎡・K)]
HEAT G2:外皮平均熱貫流率 UA値=0.46[W/(㎡・K)]、熱損失係数 Q値=1.6[W/(㎡・K)]

【ご参考】省エネルギー基準(平成25年基準)
外皮平均熱貫流率 UA値=0.87[W/(㎡・K)]、熱損失係数 Q値=2.7[W/(㎡・K)]