ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

【LIXIL住生活財団】次世代サステナブル住宅の技術を模索・検証する「第6回LIXIL国際大学建築コンペ」
デンマーク王立芸術アカデミー「INFINITE FIELD」が最優秀賞を受賞
〜 コンペ史上初となる、学生制作のモックアップを使った最終審査を実施〜

2016年07月27日

住宅・建材産業に関する調査・研究及び、人材育成等の事業に対し助成・支援する 公益財団法人LIXIL住生活財団(所在地:東京都江東区、代表:理事長 潮田容子、以下:LIXIL住生活財団)は、次世代のサステナブル住宅の技術を模索・検証し、社会にその技術を発信することを目的に開催する「第6回LIXIL国際大学建築コンペ」において、2016年7月20日(水)に「経団連会館」(東京都千代田区)で行われた公開審査会にて、世界10カ国・12大学の中から最終審査に進出した上位3大学のプレゼンテーションを行い、最優秀賞にデンマーク王立芸術アカデミー(デンマーク)の「INFINITE FIELD」を選出しました。

公開審査会での集合写真

デンマーク王立芸術アカデミー
INFINITE FIELD(モックアップ)

審査会では、審査委員長の隈 研吾氏(建築家、東京大学教授)、審査委員の野城 智也氏(東京大学副学長、東京大学生産技術研究所教授)、新谷 眞人氏(構造家、早稲田大学名誉教授)、塚本 由晴氏(建築家、アトリエ・ワン共同代表、東京工業大学大学院教授)、デイナ・バントロック氏(建築家、カルフォルニア大学バークレー校環境デザイン学部建築学科教授)によって白熱する議論が行われました。第6回となる今回は、「Comfort and Lightness(ライトウェイトな快適さ)」をテーマに、初めての試みとなる、組み立て・移動できる軽い住居を提案してもらいました。また今回、これもコンペ史上初となる、実際に学生たちが制作した提案作品のモックアップを会場に展示しての審査が行われました。

デンマーク王立芸術アカデミーの「INFINITE FIELD」は、人間の身体と木とが織りなす形までよく考えられた“ファニチャー(家具)の拡張”ともいえるような新しい建築のアプローチや、どのように素材を切り出し、組み立てていくかなどディテールを綿密に考えられた提案の完成度の高さ、さらに360度開かれたデザインが大樹町という空間のなかに置かれた際に大きな魅力となりうる点などが高く評価され、最優秀賞の受賞となりました。

審査委員長 隈 研吾氏による総評では、「モックアップを使用しての審査というのは、自分自身も体験したことのない画期的な審査で、学生にとっても素材そのものから建築を考えるというよい機会となり、またこのように作品が残るというのは、建築文化としても価値のあるコンペになったと思います」とのコメントをいただきました。表彰式では、最優秀賞を受賞したデンマーク王立芸術アカデミーのKonstantinos Fetsis(コンスタンティノス・フェシス)さんは、「今回コンペに参加できたこと、このメンバーとこの旅を続けてこられたことを大変うれしく思います。建築を学ぶ学生として永く記憶に残る素晴らしい経験となりました」とコメントしました。

今後、最優秀賞を受賞した「INFINITE FIELD」は、隈研吾建築都市設計事務所のサポートのもと実施設計を行い、北海道大樹町「メム メドウズ」敷地内に2016年10月に竣工する予定です。

≪添付資料≫

■受賞作品一覧(敬称略)

・最優秀賞(1作品)

デンマーク王立芸術アカデミー
INFINITE FIELD
 

<モックアップ>

・優秀賞(2作品)

HESAM University/
パリ・ラ・ヴィレット建築大学
LEVITATING ATMOSPHERES

 

 

横浜国立大学
Light Skin HOUSE
 

 

■「第6回LIXIL国際大学建築コンペ」概要

課題:Comfort and Lightness(ライトウェイトな快適さ)

現代の快適さは、環境を遮断し、バリアをつくることによりもたらされてきました。しかし、現代に必要なものは、自然に近い暮らしなのかもしれません。そこで快適な生活を楽しむことのできる、組み立て、移動できる軽い住居を考えてください。移動できるということは、周囲の状況を読み取り、配慮し、関係を持つということです。また簡易な組み立て住居であることは、自然の環境や地面に近づき、その場所の豊かさをもたらすでしょう。組み立て、移動でき、大樹町の夏や冬など、環境を楽しめる住居を考えてください。ここで考える自然や周囲との関係は、都市に移動しても可能な周囲の読み取り方をもたらすかもしれません。

1.参加大学 10カ国・12校 ※◎印3大学が7月20日の公開審査会に進出。

 Cornell University /コーネル大学(アメリカ)
 Parsons School of Design/パーソンズ美術大学(アメリカ)
 Universidad Nacional Autónoma de México (UNAM), the CASA Research and Design Group
  /メキシコ国立大学(メキシコ)
◎Royal Danish Academy of Fine Arts/デンマーク王立芸術アカデミー(デンマーク)
 Polytechnic of Milan/ミラノ工科大学(イタリア)
◎HESAM University / ENSA Paris-La-Villette
  /HESAM University/パリ・ラ・ヴィレット建築大学(フランス)

 Swiss Federal Institute of Technology (ETH) Zurich
  /スイス連邦工科大学チューリッヒ校(スイス)
 University of Melbourne/メルボルン大学(オーストラリア)
 Chulalongkorn University/チュラロンコン大学(タイ)
 University of Cape Town/ケープタウン大学(南アフリカ)
 Kyoto Institute of Technology/京都工芸繊維大学(日本)
◎Yokohama National University/横浜国立大学(日本)

2.審査方法

寒冷地における次世代型サステナブル住宅の提案を、世界10カ国12大学より招待形式にて募集。一次審査(書類審査)で上位3大学を選出。3大学による公開審査会を実施し最優秀賞を選出する。

3.審査委員

審査委員長
隈 研吾氏(審査委員長、建築家、東京大学教授)
審査委員
野城 やしろ 智也 氏(東京大学副学長、東京大学生産技術研究所教授)
新谷 眞人氏(構造家、早稲田大学名誉教授)
塚本 由晴氏(建築家、アトリエ・ワン共同代表、東京工業大学大学院教授)
デイナ・バントロック 氏(建築家、カルフォルニア大学バークレー校 環境デザイン学部建築学科教授)

4.表彰

最優秀賞(1点)―――― 15,000USドル(デザイン費を含む)
優秀賞(2点)――――― 3,000USドル
 
※最優秀作品「INFINITE FIELD」は、北海道大樹町「メム メドウズ」敷地内に、実作として建設される(2016年10月竣工予定)。

■「メム メドウズ」施設概要

所 在 地 :
北海道広尾郡大樹町字芽武158-1 ※旧「大樹ファーム」跡地
管  理 :
公益財団法人LIXIL住生活財団(〒136-8535 東京都江東区大島2-1-1)
敷地面積:
約56,000坪
主要施設:
寒冷地実験住宅「メーム(Même)」、実験住宅「竹の家」、実験住宅「町まとう家」、実験住宅「BARN HOUSE」、実験住宅「HORIZON HOUSE」、実験住宅「NEST WE GROW」、実験住宅「INVERTED HOUSE」、ワークショップスタジオ「スタジオ メム」、多目的ホール、コンファレンス・センター、住宅1、2、3号棟(研究者向け宿泊施設)、ログハウス1、2号棟(研究者向け宿泊施設)、運動棟、レストラン、サウナ施設、管理棟 など
施設概要:
公益財団法人LIXIL住生活財団が、その設立理念に基づき、北海道大樹町に設立した環境技術研究機構の名称。同機構の中心となるのが、隈研吾建築都市設計事務所が設計した寒冷地実験住宅「Même(メーム)」である。
URL   :
http://www.lixil.co.jp/s/taiki-cho/about/