2016年11月29日
住まいと暮らしの総合住生活企業である株式会社LIXIL(本社:東京都千代田区、社長:瀬戸欣哉)は、オフィシャルサプライヤーとして協賛する東急文化村のBunkamura Galleryにおいて、LIXILの文化施設『INAXライブミュージアム』(愛知県常滑市)の陶磁器製古便器コレクションを展示する特別企画展 『染付古便器の粋※1 −青と白、もてなしの装い』を、年末年始の期間限定で開催します。
向高 撮影:梶原敏英
「染付古便器」とは、染付(そめつけ)と呼ばれる陶芸技法※2を用い、青と白で花鳥風月などの文様を美しく描いた陶磁器製の便器を指します。明治半ばに中部地方で発生した濃尾大震災※3からの復興を契機に、木製の便器に代わり、やきもの製の便器が普及していく中で、とりわけ花鳥や草木などの文様を「青と白」の染付で華やかに描いた染付便器は、旅館・料亭の主人をはじめ富裕層の人々の心を捉え一世を風靡しました。これらの清々しい便器は、「ご不浄」とも呼ばれた、暗くて人目をはばかる便所の空間を、視覚的に清らかな「もてなしの空間」へと変えたのです。
染付に見られる「青と白」の取り合わせは、藍染めの着物などと共に、江戸時代後期から人気を博してきました。その文化を受け継いだ明治の人々は、内側も外側も、華麗な染付の文様で埋め尽くされた便器をも、粋で風流と感じていました。
本展では、美術品にも比肩する美しさと華やかさをまとった染付古便器の逸品を、LIXILの文化施設「INAXライブミュージアム」収蔵のコレクション※4から選りすぐって展示し、その魅力に迫ると共に、しつらえの美を通して「もてなしの心」や、現代にも受け継がれる日本独自のトイレ文化を探ります。
LIXILは「LIVING CULTURE」という信念のもと、ライフスタイルや時代の変化と歩みをともにし、人々の暮らしに寄り添い続けてきました。今年文化活動35周年を迎えたLIXILは、今後も心豊かな暮らしへの貢献を目指し、ものづくりの技と心を次世代に伝え、人びとの暮らしに新たな発見の場を提供する文化活動を通して、LIVING CULTUREを表現していきます。
※1: 本展は、2007年11月〜2008年5月に「INAXライブミュージアム」で開催した『染付古便器の粋 −清らかさの考察』展を再構成したものです。
※2: 白地の素地(きじ)に呉須(ごす)<酸化コバルトを主とした顔料>で模様を絵付けし、その上に透明釉を掛け高温焼成したもの。もしくは、その工程。
※3: 明治24(1891)年、岐阜・愛知を中心に起きた直下型の大地震。
※4: 千羽他何之(せんばたかし、古流松應会家元・古便器蒐集家)コレクションを中心に構成。
LIXIL文化活動 特別企画展
『染付古便器の粋 −青と白、もてなしの装い』
Blue-and-White Pottery Toilets of Olden Times
〜Through Adornment, the Spirit of Hospitality
朝顔形小便器 撮影:梶原敏英
※特設ショップコーナーでは、「INAXライブミュージアム」で人気のオリジナルグッズや、
「LIXILタイルカレンダー 2017」(非売品)を特別販売します。
厠下駄(かわやげた) 撮影:梶原敏英
小判形大便器 撮影:梶原敏英
やきもの製品のテクノロジー拠点、愛知県常滑市にLIXILが開設する文化施設。
「世界のタイル博物館」「窯のある広場・資料館」「建築陶器のはじまり館」「土・どろんこ館」「陶楽工房」「ものづくり工房」の6館から成る“体験・体感型ミュージアム”。土からやきものまで、その歴史や文化、美しさや楽しさを伝えています。土と陶の魅力に触れる体験教室や企画展、ワークショップも開催。
※窯のある広場・資料館は、耐震工事のため、2016年12月12日〜2018年4月(予定)まで一時閉館いたします。
所在地:愛知県常滑市奥栄町1-130 TEL:0569-34-8282
休館日:毎月第3水曜日、年末年始
共通入館料:一般600円、高・学生400円、小中学生200円
ホームページ: http://www1.lixil.co.jp/ilm/
LIXIL文化活動Facebook: https://www.facebook.com/LIXIL.culture