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INAXライブミュージアム10周年特別展
『つくるガウディ』 Making GAUDI
【会期】2016年11月5日(土)〜2017年3月31日(金)
【会場】INAXライブミュージアム
     第1会場:「つくるガウディ ―塗る、張る、飾る!」/土・どろんこ館 企画展示室
     第2会場:「つくるガウディ ―実測で読み解く」/世界のタイル博物館 企画展示室

2016年09月15日

株式会社LIXILが運営する、土とやきものの魅力を伝える文化施設「INAXライブミュージアム」 (所在地:愛知県常滑市)は、2006年10月のグランドオープンから今年10周年を迎えることを記念し、2016年11月5日(土)〜2017年3月31日(金)に世界的建築家ガウディに同館のコンセプトである「土とやきもの」、「ものづくり」の視点からアプローチする特別展『つくるガウディ』を開催します。

「グエル公園」の破砕タイル Photo by Toru Morimoto

アントニオ・ガウディ(Antoni Plàcid Guillem Gaudì/1852-1926年)は、19世紀から20世紀初頭にかけ、バルセロナを中心に活躍したスペインの建築家です。グエル公園、カサ・ミラ、カサ・バトリョなど一連の作品群は世界遺産としても知られ、「デザイン」や「建築」という言葉だけでは語り尽くすことのできない独創的な形や、着工から100年以上にわたりつくられ続けているサグラダ・ファミリアの存在は多くの芸術家の創造意欲を誘発し、世界中の人々の心をゆさぶり続けています。ガウディの建築作品には、タイルや石、煉瓦などスペインの伝統的な材料が用いられていますが、素材の用い方や工法を詳細に観察してみると、ガウディが建築現場の職人たちと対話しながら工事を進めた様子が随所に感じられます。建築の立体的な関係を把握するために、図面を引くことよりも実証実験に基づいた模型やスケッチを用いたガウディは、それらを介して現場の作り手たちと対話しながら、独自の表現を生みだしました。

本展では、2つの展示会場でガウディの建築を人の手で「つくる」視点から解説します。第1会場では、「つくるガウディ―塗る、張る、飾る!」と題し、INAXライブミュージアムのコンセプトであり、ガウディも用いた伝統素材、「土」と「タイル」による表現の可能性を、建築家と職人のライブ感あふれる公開制作で探ります。2006年に「土・どろんこ館」の建築で協働した建築家・日置拓人(ひき たくと)氏、左官職人・久住有生(くすみ なおき)氏が今回再び集い、タイル職人・白石普(しらいし あまね)氏が加わり、3人でガウディ未完の建築「コロニア・グエル」に着想した作品を、会期中に公開制作します。第2会場では、「つくるガウディ―実測で読み解く」をテーマに、約40年間バルセロナでガウディ建築を実測調査し、手描きによる図面を制作してきた実測家、建築学博士の田中裕也(たなか ひろや)氏の実測図面を展示します。膨大な歳月と情熱を注いだ実測図面から見えてくるガウディ建築を解説します。INAXライブミュージアム10周年に相応しい、土とやきもの素材の魅力とものづくりの情熱に触れる展示を行います。

開催概要

INAXライブミュージアム10周年特別展
『つくるガウディ』 Making GAUDI

【会 期】
2016年11月5日(土)〜2017年3月31日(金)
【会 場】
INAXライブミュージアム
〒478-8586愛知県常滑市奥栄町1-130
TEL:0569‐34‐8282 FAX:0569‐34‐8283
第1会場『つくるガウディ −塗る、張る、飾る!』
     /「土・どろんこ館」企画展示室
第2会場『つくるガウディ −実測で読み解く』
     /「世界のタイル博物館」企画展示室
【休館日】
第3水曜日(祝日の場合、翌日)、
年末年始(2016年12月26日-2017年1月4日)
【観覧料】
共通入館料にて観覧可
(一般:600円、高・大学生:400円、小・中学生:200円)
【企 画】
INAXライブミュージアム企画委員会
【総合アドバイザー】
田中裕也
【展示デザイン】
刈谷悠三
【後援】
La Fundacion Gaudi

田中裕也「カサ・バトリョ」実測図

展示概要

第1会場『つくるガウディ −塗る、張る、飾る!』
/「土・どろんこ館」企画展示室

建築家、左官職人、タイル職人による、建築作品の公開制作を会期中にわたり行います。
建築家・日置拓人が、ガウディ未完の建築「コロニア・グエル」から着想を得た形を設計、左官職人・久住有生の土とタイル職人・白石普のタイルで仕上げていきます。
※公開制作は主に週末に行います。
公開スケジュールは、INAXライブミュージアムの公式ホームページ( http://www1.lixil.co.jp/ilm/
およびLIXIL文化活動公式Facebook( https://www.facebook.com/LIXIL.culture )で発表します。

コロニア・グエル教会 Photo by Toru Morimoto

<PROFILE>

Photo by Toru Morimoto

日置 拓人 HIKI Takuto

建築家(南の島工房一級建築士事務所)
1969年、神奈川県生まれ。早稲田大学理工学研究科建設工学修士修了のち、左官職人・久住章に師事。土や漆喰をはじめ、自然素材を活かした設計を行う。INAXライブミュージアムでは「土・どろんこ館」(第12回人にやさしい街づくり賞、グッドデザイン賞、中部建築賞)をはじめ、「建築陶器のはじまり館」「テラコッタパーク」(愛知まちなみ建築賞)などを設計した。

久住 有生 KUSUMI Naoki

1972年、兵庫県淡路島生まれ。祖父の代から続く左官の家に生まれる。18歳で親元を離れ、各地で修行し、23歳で久住有生左官設立。ドイツ、フランス、日本(京都)などで左官技術を磨き、個人住宅から、商業施設、ホテル、そして歴史的建造物の修復の仕事まで幅広く手がける。INAXライブミュージアム「土・どろんこ館」では、320トンの土を突き固めた版築をはじめ、さまざまな技法を駆使し表現した。

白石 普 SHIRAISHI Amane

1970年、東京都生まれ。幼少より美術、芸術に親しみ、20歳のときに1年間イタリア・ギリシャ各地を歴遊、ローマ遺跡やビザンチン建築に興味を持ちタイル職人となる。のちイスラムの幾何学モザイクに魅せられモロッコ・フェズのモザイク工房で2年間修行、モスク建設などに携わる。デザインからタイル制作、施工まで行う。

「コロニア・グエル教会地下聖堂」入口 Photo by Toru Morimoto

日置氏制作による立体設計図面

第2会場『つくるガウディ −実測から読み解く』/「世界のタイル博物館」企画展示室

約40年にわたってガウディ建築を実測し、手描きによる図面制作を行ってきた田中裕也氏の実測図面 を展示します。膨大な歳月をかけて、自らの身体による実測から見えてきたガウディ建築を解説します。

田中 裕也 TANAKA Hiroya

実測家・建築学博士
1952年、北海道生まれ。建築事務所で勤務ののちに1978年にバルセロナに渡り、自らの意志でガウディ建築の実測調査を開始。現在に至るまで、主要な建築物の実測図を描き続けている。バルセロナ建築士協会にて田中裕也作図展示会を開催する(2015年)など、実測図面を展示や著書などで公開。スペインでその功績が高く評価され、公館長賞(2015年)、ガウディ・グレソール賞(2016年)を受賞。

田中裕也
「コロニア・グエル教会」実測図
(アイソメトリック図)

ガウディとの対話〜実測を通じて(田中氏の解説より一部抜粋)
最初は難しそうだった建築も、体で向き合っていると段々とわかってきます。作品を測りながら、彼が選んだ寸法やプロポーションが体感的に伝わってくる。なぜその寸法を選んだのかと考えながら、ガウディと対話しているようです。ガウディ自身も図面を多く描かず、模型とスケッチに基づきながら細かいことは現場で職人たちと対話しながら進めていたそうです。残されたモノを測ることで、私はガウディに触れているようでした。

関連書籍

「つくるガウディ」前後編2冊セット2017年4月発刊予定

価格:未定
発行:LIXIL出版、編集・制作:坂井編集企画事務所 

前編『つくるガウディ 実測図から読み解く』

(2016年11月5日よりINAXライブミュージアム内ミュージアムショップにて特別先行発売予定)
価格:1,500円(予価)
実測図・解説=田中裕也
オールカラー、B5判

後編『つくるガウディ 塗る、張る、積む』

オールカラー、B5判

関連企画

田中裕也氏

オープニングレセプション
田中裕也氏特別講演「田中裕也−ガウディを測りつづける男」

【日時】2016年11月4日(金)17:00-18:00
【会場】「土・どろんこ館」多目的スペース
【定員】30名 (先着順)
*共通入館料で聴講可


ワークショップ「ぼくとわたしのガウディ」

粘土を使って建物をつくり、自然の素材で建物を飾ります
【日時】2017年2月4日(土) 13:00〜15:00
【会場】「土・どろんこ館」多目的スペース
【定員】20名(小学生限定・先着順)
【料金】1,000円(入館料200円含む)


ワークショップ「塗る、張る、飾る」〜久住有生・白石普とケーキを作ろう

左官職人:久住有生とタイル職人:白石普の指導のもと、おいしい「塗る、張る、飾る」を楽しもう
【日時】2016年12月17日(土) 15:00ー17:00
【場所】INAXライブミュージアム「世界のタイル博物館」
     併設 レストランピッツェリア ラ・フォルナーチェ
【定員】8組(2名1組、申込み多数の場合は、抽選)
【料金】4,000円(入館料600円・コーヒー代含む)

※申込み方法など各イベントの詳細は、INAXライブミュージアム公式ホームページにて9月下旬に発表いたします

INAXライブミュージアム概要

やきもの製品のテクノロジー拠点、愛知県常滑市にLIXILが開設する文化施設。
「世界のタイル博物館」「窯のある広場・資料館」「建築陶器のはじまり館」「土・どろんこ館」「陶楽工房」「ものづくり工房」の6館から成る“体験・体感型ミュージアム”。土からやきものまで、その歴史や文化、美しさや楽しさを伝えています。土と陶の魅力に触れる体験教室や企画展、ワークショップも開催。

所在地:愛知県常滑市奥栄町1‐130
TEL:0569‐34‐8282
休館日:毎月第3水曜日、年末年始
共通入館料:一般600円、高・学生400円、小中学生200円
ホームページ: hhttp://www1.lixil.co.jp/ilm/
LIXIL文化活動Facebook: https://www.facebook.com/LIXIL.culture