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店舗ファサードの意匠・施工技術を競う「LIXILフロントコンテスト2016」
“ストアフロント日本一”が決定
「健康科学大学看護学部1号館」(山梨県都留市)がグランプリを受賞

2017年05月17日

住まいと暮らしの総合住生活企業である株式会社LIXIL(本社:東京都千代田区、社長:瀬戸欣哉)は、 LIXILのフロント製品を使用した店舗ファサードの意匠・施工技術を競う「LIXILフロントコンテスト2016」において、全国の設計事務所、建設会社、販売店、加工店、代理店からの応募総数 1,350点の作品から、優秀作品12点を選出し、グランプリを「健康科学大学看護学部1号館」(山梨県都留市)に決定しました。

「健康科学大学看護学部1号館」は、「ESフロント」と木造の柱や筋かいの組み合わせにより、素材のハイブリッドとでもよべるような建築技術が未来のデザインを示唆し、フロントサッシの可能性を広げた点などが評価されグランプリ受賞になりました。

▲グランプリ受賞作品「健康科学大学看護学部1号館」(山梨県都留市)

審査では、加工・施工技術、デザイン性、建物全体との調和等を審査基準とし、グランプリのほか、“小規模施設部門”、“大規模・複合施設部門”、“リフォーム・住宅・応用部門”各部門の金賞(3点)、銀賞(3点)、銅賞(5点)を決定しました。また、加工技術の優れた加工店に贈られる優秀加工技術賞に18社を選出しました。

<審査委員長 柘植喜治(つげ きはる)氏による総評>

近年建築における内外空間の関係性が非常に近接化する傾向が強まっている。特に商業施設、教育施設、医療施設等、周辺社会と密接な関係が求められる施設のデザインにもたらす意味は大きい。本年度の受賞作品はこうした点に着眼して審査した結果、フロントデザインにおいて非常に卓越した作品が選出された。これらに共通する特徴はよりわかりやすく、よりフレンドリーな施設のデザインであるということだ。この事はブラックボックス化する現代社会の都市環境ににおいて極めて意味のあるデザイン行為であり、開口部の重要性を示唆するデザイン事例として評価できる。少子高齢化や人口減少といったこれからの日本において、人々の都市活動に参加を促す非常に価値あるデザインを提示した喜ばしい贈賞である。

“グランプリ” 受賞作品
『健康科学大学看護学部1号館』(山梨県都留市)

設計事務所/
株式会社 三宅建築設計事務所 様
建 設 会 社/
清水建設 株式会社 関東支店 山梨営業所 様
加 工 店 /
株式会社 白根アルミ 様

<審査員評価ポイント>
「ESフロント」と木造の柱や筋かいを組み合わせるというこれまでに無いデザイン的試みに挑戦して、これを見事にクリアした設計者と加工店の努力に敬意を評したい。特に夜景として表現された光と影のコントラストが、外観的な訴求力を際立たせた素晴らしいデザインだ。木造の持つダイナミックなシルエットは圧倒的な存在感をもって美しい周辺環境のなかでそのデザインを訴求している。素材のハイブリッドとでも呼べるような建築技術が未来のデザインを示唆して「ESフロント」の可能性を広げた点は素晴らしい。

“小規模施設部門” 金賞 受賞作品
『The Cutting Edge Pharmacy』(兵庫県姫路市)

設計事務所・建設会社/
株式会社 マツヤアートワークス 様
販 売 店 /
株式会社 カルテック 様
加 工 店 /
岡山ビルサッシ工業 株式会社様

<審査員評価ポイント>
名前が示す通り調剤薬局として最先端のデザインを目指したことが伺える。医療関連施設の建築デザインにはいくつかの重要な役割がある。なかでも地域社会に対してアピールするショーケース的な機能に着目した点は非常にユニークであり、これをを最大化するデザイン手法はオリジナリティが高い。サッシを隠すような納まりに配慮したディテールデザインは美しく、見せないフロントはこれまでの開口部と一線を画すデザインだ。内部のデザインもガラス突き合わせ大窓が風景を切り取り、周辺地域との関連性を意識させる。こうした医療施設と周辺環境のあらたなあり方を示唆する意欲的なデザインを評価した。

“大規模・複合施設部門” 金賞 受賞作品
『道の駅「猪苗代」』(福島県耶麻郡)

設計事務所/
株式会社 設計室NOAH 様
建 設 会 社/
株式会社 オオバ工務店 様
販 売 店 /
株式会社 葉月 様
加 工 店 /
株式会社 青森ビルテック 様
昭和建産福島販売 株式会社 様
福島アルミ工業 株式会社 様

<審査員評価ポイント>
近年道路網の整備にともない道の駅が積極的にデザインされ、中山間地域や農山村の活性化に寄与している。FIX窓の連窓に内外の空間の連続性を協調したデザインは大きく人を内部に招き入れ、同時に内部空間を光で満たす。開口部の硝子面に直接プリント表示されたサイン計画など斬新な試みも多く見られる。こうした巧みな仕掛けが施された開口とそこから差し込む十分な光量によって、施設内部の活動を外部にアピールする魅せる設計手法は、疲弊した地方社会に活力を与える価値あるデザインであり、審査員の票を集め大規模部門の金賞を獲得した。

“リフォーム・住宅・応用部門” 金賞 受賞作品
『北海道大学総合博物館』(北海道札幌市)

設計事務所/
株式会社 札幌日総建 様
建 設 会 社/
株式会社 ビーハイヴ 様
販 売 店 /
文化シヤッター株式会社 北海道支店 様
加 工 店 /
有限会社 札幌フロンテック 様

<審査員評価ポイント>
かつての帝大らしい大型で重厚な建物、ロマネスク様式やゴシック様式を取り入れた歴史的建造物である。ここに新たな要素を加える時にデザインはどうあるべきかという難問にたいして、当該物件のデザイナーは明快な解決を提示した事例として非常に高く評価できる。この古さに新しさをぶつけた挑戦的なデザインは審査員の目をひきつけた。古く重々しいレンガ造に対して、軽快な鉄骨とガラスという素材をあえて使うことでより歴史を際立たせるデザイン手法は、日本において非常に希有な存在として価値があり、日本国内に数多く残存する歴史的建造物の更新に新たな可能性を与えたと言っても過言ではない。

LIXILフロントコンテスト2016 受賞一覧

<参考資料>

開催概要

1.応募資格

LIXILのフロントサッシ(店舗用建材)をお取り扱いの設計事務所さま、建設会社さま、販売店さま、加工店さま、代理店さま。

2.応募対象物件

2016年1月1日(金)から2016年12月29日(木)までに、当社のフロントサッシを使用した施工物件で、建物全体が完成し、お施主さまへの引き渡しが完了しているもの。

3.応募期間

2016年11月1日(火)〜12月29日(木)

4.募集対象部門

部門 対象物件例
小規模施設 クリーニング店、コーヒーショップ、小型飲食店、生花店 等
大規模・複合施設 デパート、スーパー、パチンコ店、カーディーラー、レストラン、大型公共施設
リフォーム・住宅・応用 リフォーム物件、住宅仕様物件、応用作品

5.審査委員

審査委員長 柘植 喜治(つげ きはる)氏:空間プロデューサー、千葉大学大学院教授
審査委員 永井 朔(ながい はじめ)氏:デザイナー、公益社団法人 商施連 相談役

6.審査方法

加工・施工技術、デザイン性、建物全体との調和を中心に総合的に審査します。

7.賞

グランプリ:全部門より1点

賞金各10万円(設計事務所、建設会社、販売店、加工店、代理店)

金賞:各部門より1点

賞金各7万円(設計事務所、建設会社、販売店、加工店、代理店)

銀賞:各部門より1点

賞金各5万円(設計事務所、建設会社、販売店、加工店、代理店)

銅賞:各部門より1点

賞金各3万円(設計事務所、建設会社、販売店、加工店、代理店)

優秀加工技術賞:賞金各3万円