2017年06月21日
株式会社LIXILが運営する、土とやきものの魅力を伝える文化施設「INAXライブミュージアム」 (所在地:愛知県常滑市)は、2017年7月1日から11月にかけて、「土を知り、魅力に触れる」企画を実施します。同ミュージアムは、2006年のグランドオープン以来、多彩でユニークな活動を通して土とやきものの魅力を伝えてきました。中でも、やきもの用の粘土を使った「光るどろだんごづくり」は、土の不思議やものづくりの楽しさが味わえると人気を集め、10年間で延べ20万人以上が体験しています。2008年から毎年開催してきた、光るどろだんごづくりの日本一を決める「光るどろだんご全国大会」も今秋で10回目を迎えます。これを記念し、土について改めて考え、その魅力や不思議に気づき、より身近に感じていただく展覧会やワークショップを開催します。
各地から集めた土、約300点を
1合桝に入れて展示
土は命を生かし、生きるために必要なあらゆるものを生み出すことができる身近な地球の恵みです。地球上のあらゆる生き物は土によって育まれています。人類最初の絵は土の絵の具で描かれ、縄文土器は土を焼いてつくられました。土は布を染め、家の壁となり、仏像や刀など金属を形づくる型にもなります。人の暮らしと密接に関わってきた土。忘れていた、人と土との関係に思いを馳せながら、素材としての力を再発見し、その魅力をお楽しみいただく展覧会です。
国内外から約300点の土を集めて一堂に展示し、色や粒子の様子などの違いを比べながら見学いただきます。土に触れてみることでその個性や特徴を体感することもできます。また、東京駅駅舎や、帝国ホテル旧本館(ライト館)など、著名な建築を彩る煉瓦になった土、食器、衛生陶器をつくる土など、姿かたちを変えて私たちの身の周りにある土を紹介します。さらに、さまざまな土でつくった「光るどろだんご」約350個を展示し、土の美しさや不思議をご覧いただきます。
NHK Eテレ「カガクノミカタ」番組制作委員を務めるなど多方面で活躍中の、京都大学総合博物館准教授 塩瀬隆之氏をファシリテーターに招き、土の不思議に迫るワークショップを開催します。ユニークなアプローチで子どもたちの科学への興味を引きだす塩瀬氏と一緒に、さまざまな用途の土でどろだんごづくりに挑戦したり、土の違いを五感で感じたりと、子どもたちが楽しく土と出会う場を提供します。
やきもの用の粘土を満たした泥のプール「どろ田」に入って、思い切り土の感触を楽しむ人気のワークショップ。今年は記念企画として、いろいろな種類の土の感触が感じられるアトラクションも登場します。
10回記念となる全国大会に向けて、今年も23都道府県37会場(予定)で地区予選を開催します。
展示室入口を飾る麻暖簾(イメージ)
染織家・星名康弘氏により、泥染めで特別に制作。
【展示概要】
南部鉄器の鋳型に使う土(岩手県・北上川)/化粧品になる土(新潟県・村上)
プレミアムなコシヒカリが育つ棚田の土(新潟県・松代)/
中世六古窯(瀬戸焼、常滑焼、越前焼、信楽焼、丹波焼、備前焼)の原土/
手漉しや唐臼など昔のままの製法を続ける民芸の土(沖縄県・読谷/大分県・小鹿田)/
絵の具になる土(京都府・南部)/刀の制作に使う土(岡山県・備前)
泥染めに使う土(沖縄県・久米島)/東京駅の化粧煉瓦になった土 (愛知県・知多半島)
帝国ホテル旧本館(ライト館)のすだれ煉瓦になった土 (愛知県・知多半島)/
トイレの原料となる土(愛知県・瀬戸地区)/法隆寺の土塀となった土(江戸時代ごろの修復に使われたもの)/
桂離宮、京都御所の土壁に使われている土(聚楽土/京都西陣)など
塩瀬隆之 SHIOSE, Takayuki
京都大学総合博物館准教授
京都大学工学部精密工学科卒業、同大学院修了。博士(工学)。
京都大学総合博物館准教授を経て2012年6月退職。同7月より
経済産業省産業技術環境局産業技術政策課技術戦略担当課長補佐。
2014年7月京都大学総合博物館准教授に復職。ATR知能ロボティクス研究所、
慶応義塾大学SFC研究所 客員研究員等。日本科学未来館 “おや?”っこひろば
総合監修者。NHK Eテレ「カガクノミカタ」番組制作委員。中央教育審
議会初等中等教育分科会「高等学校の数学・理科にわたる
探究的科目の在り方に関する特別チーム」専門委員。共著書
に、「科学技術Xの謎」「インクルーシブデザイン」 など。
2008年の第1回全国大会から、今年で10回目となる「光るどろだんご全国大会」。記念すべき大会への出場をかけ、北は北海道から南は宮崎県まで、全国23都道府県、37会場(予定)で地区予選が開催されます。地区予選の代表選手を、2017年11月26日(日)、INAXライブミュージアム(愛知県常滑市)で開催される「光るどろだんご全国大会2017」に招待します。
地区予選大会の代表選手を、LIXIL文化活動Facebookで紹介します!
LIXIL文化活動Facebook https://www.facebook.com/LIXIL.culture/
「光るどろだんご」は、やきもの用の粘土をまるめたタネをステンレスカップで丸く、真球になるように削り、表面を平滑にして化粧泥(色をつけた土)をのせ、磨きあげて光らせるものです。2ミクロン以下の細かさと扁平な形状という粘土粒子の特性を生かし、表面を押さえつけて粒子の向きをきれいに整えることによって光沢を出します。化粧泥の色の組み合わせや磨き具合で様々な表情が生まれ、子どもから大人まで幅広く楽しむことができます。
INAXライブミュージアムの「光るどろだんごづくり」は、2006年から「土・どろんこ館」の土の体験教室としてスタート。幅広い年齢層に人気で、開始から10年間で延べ20万人以上が体験しました。
やきもの製品のテクノロジー拠点、愛知県常滑市にLIXILが開設する文化施設。
「世界のタイル博物館」「窯のある広場・資料館」「建築陶器のはじまり館」「土・どろんこ館」「陶楽工房」「ものづくり工房」の6館から成る“体験・体感型ミュージアム”。土からやきものまで、その歴史や文化、美しさや楽しさを伝えています。土と陶の魅力に触れる体験教室や企画展、ワークショップも開催。
所在地:愛知県常滑市奥栄町1-130
TEL:0569-34-8282
休館日:水曜日(祝日の場合は開館)、年末年始
共通入館料:一般600円、高・学生400円、小中学生200円
ホームページ: hhttp://www1.lixil.co.jp/ilm/
LIXIL文化活動Facebook: https://www.facebook.com/LIXIL.culture