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店舗ファサードの意匠・施工技術を競う「LIXILフロントコンテスト2017」
“ストアフロント日本一”が決定
「倉敷高等学校 本館」(岡山県倉敷市)がグランプリを受賞

2018年05月16日

株式会社LIXIL(本社:東京都千代田区、社長:瀬戸欣哉)は、LIXILのフロント製品を使用した店舗ファサードの意匠・施工技術を競う「LIXILフロントコンテスト2017」において、全国の設計事務所、建設会社、販売店、加工店、代理店からの応募総数 1,480点の作品から、優秀作品15点を選出し、グランプリを「倉敷高等学校 本館」(岡山県倉敷市)に決定しました。

「倉敷高等学校 本館」は、正面のカーテンウォールはアイコンとして学園生活や活動を表出させ、照明や内光式サインシステムと共にフロント材の新たな可能性を導き出した点などが評価されグランプリ受賞になりました。

グランプリ受賞作品「倉敷高等学校 本館」(岡山県倉敷市) 

審査では、加工・施工技術、デザイン性、建物全体との調和等を審査基準とし、グランプリのほか、“小規模部門”、“大規模部門”各部門の金賞(2点)、銀賞(2点)、銅賞(6点)を決定しました。また、“技能・アイデア部門”に大賞(1点)、技術賞(2点)、アイデア賞(1点)も選出しました。さらに、加工技術の優れた加工店に贈られる優秀加工店賞に11社を選出しました。

<審査委員長 柘植喜治(つげ きはる)氏による総評>

近年施設建設のデザインに求められる社会的役割の一つに周辺社会との良好な関係性を築くことが問われている。その際に重要な要素が建築の開口部であり、それを形成するフロント材を使ったデザインである。建築の施設内容が周辺社会に開示されれば大きく社会貢献に寄与する。この事はブラックボックス化する現代社会の都市環境ににおいて極めて意味のあるデザイン行為であり、開口部の重要性を示唆するデザイン事例として評価できる。
「LIXILフロントコンテスト2017」に応募された作品を概観するとこうした内外の関係性に着目した作品が多く、本審査ではいわゆるCSRに貢献するような開口部のフロントデザインを重視して選考を行い、本年度の作品を選定した。受賞した作品から読み取れるデザインの基本理念に共通して言えることは、少子高齢化や人口減少、更に高度情報化といったこれからの社会問題を背景として、人々の関係性が希薄になる都市や地域社会に改善を促すソリューションを提示した点であり、フロント材と施設建設の調和、デザイン、加工・施工技術にとって極めて価値のある贈賞である。

“グランプリ” 受賞作品
『倉敷高等学校 本館』(岡山県倉敷市)

設計事務所・建設会社/蜂谷工業 株式会社 様
販売店/株式会社 装巧社 様
加工店/岡山ビルサッシ工業 株式会社 様

<審査員評価ポイント>
少子化社会やテクノロジー革命など学校を取り巻く社会的環境が変わりつつある。現代の中学生や高校生はデジタルネイティブとして、コミックや映画等のコンテンツ産業など文化表現の担い手となる。こうした背景から学校建築に求められる条件は教育の場だけでなく、文化を体現する場として見る見られる劇場的性格を帯び、そのデザイン性もミレニアル世代の子供とその親世代の人々に訴求することが求められる。
本作品はこうした社会的背景に明快な方向性を示唆するデザインとして評価した。改築工事ではフリースペースの創出や、耐震補強など機能的予見を満たすだけでなく、多目的(音楽)ホールなどスタイリッシュなライフスタイルの学生生活を演出するデザインは、これまでの学校建築を超える訴求力がある。特に正面のカーテンウォールはアイコンとして学園生活や活動を表出させ、照明や内光式サインシステムと共にフロント材の新たな可能性を導き出した。学校と地域社会の関係性を重視したデザインの計画理念は非常に価値のある成果として賞賛に値する。

“小規模部門” 金賞 受賞作品
『近鉄不動産(株) てんしば店舗』(大阪府大阪市)

設計事務所・建設会社/株式会社 森工務店 様
販売店/株式会社 太陽トーヨー住器 様
加工店/谷口アルミ工業 株式会社 様

<審査員評価ポイント>
都市公園法の改正で、民間活力の導入によって魅力向上を図るこれまでにない小規模商業施設物件である。特に官民連携という新たな事業モデルをデザインにどう反映させたか精査した。本施設は、公園全体の魅力・賑わいを先導し、動物園・美術館・慶沢園など行政が運営主体の諸施設との連携を強く意図している。更に隣接する超高層複合施設などの高密度な都市施設と自然が相乗効果を生み、通常の商業施設とは異なる多様なアクティビティ、地域交流、賑わいイベント、周遊観光等々の都市活動を促進する点が素晴らしい。
仮設構造物、暫定的土地利用による軽い建築物はともするとチープなデザインに陥るが、この物件はガラスを多用して内部のコンテンツを最大限外部の公園に表出した賑わい作りに貢献している。また公園特有の自然物と調和する素材と、看板等商業の賑やかしを際立たせるなど立地と目的を十分に配慮したデザインは見事であり、これを実現するフロント材の使い方を高く評価した。公園と都市の新たな関係性を生む施設のフロントは今後ふえるであろう官民連携施設デザインの指針となる事が期待される。

“大規模部門” 金賞 受賞作品
『岩国駅』(山口県岩国市)

設計事務所/
西日本旅客鉄道 株式会社 様
ジェイアール西日本コンサルタンツ 株式会社 様
建設会社/
岩国橋上駅新築他工事特定建設工事共同企業体 様
加工店/
岡山ビルサッシ工業 株式会社 様

<審査員評価ポイント>
これまで駅舎のデザインは建築的に高い評価を獲得したものは多数存在するが、空間的に高い評価できるものは多くはない。海外では空港ターミナル建築、特にその国や都市を代表する国際線出国ロビー、或はベルリン駅などのインターシティや国外の利用客が多いターミナル駅などには空間的に高い評価を得ているデザインが散見される。この岩国橋上駅はこうした国際線ターミナルやインターシティ駅と同様に海外の航空施設空間を彷彿とさせ、ダイナミックで圧倒的な存在感を放つ空間は見事である。
柱を意識させない大屋根と、天井の仕上げ材や照明計画によって内外の空間の一体感を演出した東西自由通路が、鉄道によって分断された周辺地域を繋ぐ。特に審査員を引きつけた壁や開口部のデザインには細心の注意が払われフロント材の納まりが巧みで美しく、こうしたディティールにいたるまでの空間デザインが施設全体の印象に大きく寄与している点を高く評価した。

LIXILフロントコンテスト2017 受賞一覧

<参考資料>

開催概要

1.応募資格

LIXILのフロントサッシ(店舗用建材)をお取り扱いの設計事務所さま、建設会社さま、販売店さま、加工店さま、代理店さま。

2.応募対象物件

2017年1月1日(日)から2017年12月31日(日)までに、当社のフロントサッシを使用した施工物件で、建物全体が完成し、お施主さまへの引き渡しが完了しているもの。

3.募集対象部門

部門 対象物件例
小規模 クリーニング店、コーヒーショップ、小型飲食店、生花店 等
大規模 デパート、スーパー、パチンコ店、カーディーラー、レストラン、
大型公共施設
技能・アイデア
※加工店さまのみ表彰対象
・ 高度な加工技能を要する作品
・ フロント部材の特性を生かした独創的な作品

4.審査委員

審査委員長 柘植 喜治(つげ きはる)氏:空間プロデューサー、千葉大学大学院教授
審査委員 高 英明(たかやなぎ ひであき)氏:東京都市大学准教授

5.審査方法

加工・施工技術、デザイン性、建物全体との調和を中心に総合的に審査します。

6.賞

①グランプリ:「小規模施設部門」「大規模・複合施設部門」より1点

賞金各10万円(設計事務所さま、建設会社さま、販売店さま、加工店さま、代理店さま)

②「小規模施設部門」「大規模・複合施設部門」

金賞:各部門より1点

賞金各7万円(設計事務所さま、建設会社さま、販売店さま、加工店さま、代理店さま)

銀賞:各部門より1点

賞金各5万円(設計事務所さま、建設会社さま、販売店さま、加工店さま、代理店さま)

銅賞:各部門より1点

賞金各3万円(設計事務所さま、建設会社さま、販売店さま、加工店さま、代理店さま)

③「技能・アイデア部門」※表彰対象は加工店さまのみになります

大賞:1点 賞金 5万円(加工店さま)
技能賞:1点 賞金 3万円(加工店さま)
アイデア賞:1点 賞金 3万円(加工店さま)