2018年05月24日
株式会社川島織物セルコン(本社:京都市 社長:山口進)は、本社に併設の川島織物文化館(京都市左京区)で、創業来の技術やデザインを昇華させ現代に引き継いでいることを紹介する館名変更記念特別展示 『創業175年 川島織物の伝統を伝える 「温故知新」』展 を2018年5月28日から2019年5月10日まで開催します。
当社は、伝統技術と先端技術を併せ持つ織物メーカーであることから、伝統技術やデザインの継承とその革新を常に心がけています。川島織物文化館はその一端を担っており、また、企業博物館としてそれを広く世の中に伝えていくという役割も併せ持っています。
今回は、二代川島甚兵衞を筆頭に先人たちの妥協を許さないモノづくりの姿勢と、心血を注いで製作した織物の技術が、現代に継承されていることを、明治期の織物や図案などから紹介します。一部展示は、変遷や継承を体感いただきやすいよう、明治期と現代の比較で紹介します。
綴織壁張「光琳流水」は、川島織物文化館の原点である織物参考館の壁面を飾っていた綴織です。二代川島甚兵衞はフランスで目にしたゴブラン織に触発され、それに勝るものをと技法や織機の改良を重ね技術を確立し、日本式室内装飾を考案しました。そして日本式室内装飾の提案の場として建設したのが織物参考館で、壁面・天井・窓掛・卓被(テーブルクロス)・椅子張りと、館内の大部分に最高級の染織品を施しました。製織技術は現在にも引き継がれていますが、今の綴織とは違った魅力があります。
また、紫陽花を中心に絢爛たる花々がちりばめられた「百花」は、最後の琳派といわれる画家 神坂雪花が描いた、明治から100年の時を超えた現在まで人々を魅了してきた当社を代表する図柄です。窓掛・帯・カーテンと、時代の変遷と共に変化した様々な織物や図案を紹介します。
窓掛「百花」
<参考資料>
・綴織壁張「光琳流水」 明治22(1889)年 原画:尾形光琳 (図案:東翠石)
・紋織窓掛図案「百花」 明治36(1903)年頃 原画:神坂雪佳
・綴織額織下絵「悲母観音」 明治28(1895)年頃 原画:狩野芳崖 (図案:東翠石)
綴織壁張「光琳流水」
紋織窓掛図案「百花」
綴織額織下絵「悲母観音」
※会期中一部作品の展示替えを行います。(展示内容については事前にお問い合わせ下さい)
1889(明治22)年に二代川島甚兵衞が京都・三条高倉に建てた三階建ての洋館「織物参考館」に始まる国内最古の企業博物館。初代・二代 川島甚兵衞がモノづくりの研究のため世界中から収集した染織品、古書類、製作してきた原画類・試織など、織物に関する貴重な資料を保管しています。
館内では、これらの史資料や当社が手がけてきたプロジェクトにまつわる資料やエピソードを紹介し、織物の魅力や当社のこだわりのモノづくりを紹介しています。