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INAXライブミュージアム 2つの企画展 ご案内
「青 −空と水とやきものの始まり」展
「青の魅惑 −イラン、トルコ、ウズベキスタンのやきもの」展
展覧会期:2011年11月3日(木・祝) 〜 2012年3月20日(火・祝)

2011年10月14日

 住宅設備機器・建材の総合メーカーである株式会社LIXIL(本社:東京都千代田区、社長:藤森義明)は、11月3日(木・祝)から2012年3月20日(火・祝)まで、2つの企画展『青−空と水とやきものの始まり』、『青の魅惑−イラン、トルコ、ウズベキスタンのやきもの』をINAXライブミュージアム(所在地:愛知県常滑市)で同時開催します。

 美しい空や海の青は、古来人類が手に入れたいと願ってきたものです。現代でもヨーロッパや日本で、青はもっとも好きな色として不動の人気を得ています。今回の2つの企画展では、人類が追い求めた青に焦点をあて、異なる切り口でその魅力を伝えていきます。



■「青−空と水とやきものの始まり」について

 人類が追い求めた青の歴史に思いを馳せながら、さまざまなジャンル、現象にまたがる青を紹介します。

 衣服やプロダクト製品に広く使われ、多くの企業のコーポレートカラーとして用いられるなど、現代の生活のなかで青は身近な色となりました。しかし、人類の歴史を遡ると、その獲得への道のりは険しいものだったことがわかります。絵画の世界では、中世からウルトラマリンブルーの絵の具が登場し、「空や海の青」がキャンバスに定着できるようになりますが、その原料のラピス-ラズリは希少で高価な鉱物だったため、その使用は宗教画などごく限られたものでした。

 やきものの世界では、ターコイズブルーの「エジプト・ファイアンス・タイル*1」が世界最古のタイルとして伝わっています。4600年前のエジプトの人びとは、天空への憧れや、命の水を表す青を手に入れるため、また、半貴石(はんきせき)*2であるトルコ石を欲して、やきものでの再現を試み、再生や復活の願いを込めて装身具や護符にしました。10世紀以降は、西アジアで華開いた青いやきもののタイルや器がヨーロッパや中国、日本などの人々を魅了し、その再現に膨大な力が注がれました。現代では身近になったものの、憧憬を誘い、どこか遠い色という印象がつきまとう青の魅力を、パネルによる解説や、空や海が青く見えるメカニズムなど日ごろ身近にある青の現象を体感できる展示を通して紐解きます。

「青−空と水とやきものの始まり」の詳細はこちら

*1エジプト・ファイアンス・タイル:エジプトのやきものという意味。一般的なやきものは粘り気のある粘土を主原料とするが、エジプト・ファイアンスは珪石(珪砂、シリカ)を主原料とした特異なやきもの。ファイアンスは、イタリアの窯業地、ファエンツァに由来し、主にヨーロッパで陶器質のやきものを指す言葉として使われる。
*2半貴石:宝石類(貴石)のうち、産出が多く価格も比較的低い鉱物を、「半貴石(準貴石)」と呼んでいる。



■「青の魅惑−イラン、トルコ、ウズベキスタンのやきもの」について

 古来受け継がれた「青の遺伝子」が現代も脈々と息づくイラン、トルコ、ウズベキスタンの現代作家6人による青のやきもの作品、約50点を紹介します。

 これらの地域では、古くから建造物に青の輝きが添えられ、それらを彩る青のれんがやタイルの美しさは、まさにイスラーム建築装飾の精華といえます。 日々土と向き合い、青の美しさをやきもので表現しようと制作を続ける作家たちの作品からは、青がこの地で愛され、つくり継がれてきた理由や、青いやきものを育んだ風土、やきものに込められた青への思いが感じ取れます。日本では紹介されることの少ない、この地域の現代のやきものをお楽しみください。

「青の魅惑−イラン、トルコ、ウズベキスタンのやきもの」の詳細はこちら




【開催概要】
◆「青−空と水とやきものの始まり」展
 企画:INAXライブミュージアム企画委員会
 展示デザイン:西本剛己(ARTLAB+)
 会期:2011年11月3日(木・祝)〜2012年3月20日(火・祝)
 会場:INAXライブミュージアム「土・どろんこ館」企画展示室
 観覧料:共通入館料(一般¥600、高・大学生¥400、小・中学生¥200)にて観覧できます。
 休館日:第3水曜日、年末年始(12月26日〜1月4日)

◆「青の魅惑−イラン、トルコ、ウズベキスタンのやきもの」展
 企画:INAXライブミュージアム企画委員会
 コーディネート:神保裕子(オリエント・ライブラリー代表)
 展示デザイン:西本剛己(ARTLAB+)
 会期:2011年11月3日(木・祝)〜2012年3月20日(火・祝)
 会場:INAXライブミュージアム「世界のタイル博物館」企画展示室
 観覧料:無料(他の展示施設の見学には、共通入館料が必要)
 休館日:第3水曜日、年末年始(12月26日〜1月4日)

 展示作家   *展示作品の一部は、販売もいたします。
  ムハンマド・マフディ・アヌシュファル(イラン・テヘラン)/サイード・アクバリー・ソヒ(イラン・イスファハーン)
  メフメット・コチェル(トルコ・キュタフヤ)/アディル・ジャン・ギュヴェン(トルコ・イズニック)
  ルスタム・ウスマノフ(ウズベキスタン・リシタン)/アリシェル・ナジロフ(ウズベキスタン・リシタン)


【関連イベント】
・スライド&トーク「シルクロードの暮らしとやきもの」
 講師:神保裕子(オリエント・ライブラリー代表)
 日時:2011年11月23日(水・祝) 2:00pm〜3:30pm  会場:「世界のタイル博物館」 セミナールーム
 定員:50名、要予約                    聴講料:無料

 神保裕子(じんぼ・ひろこ)
   富山県生まれ。中央アジア、西アジアの装飾タイルとやきものに魅せられ、イスラーム文化圏を20回以上訪れる。
   現地文化紹介の展示・催事を東京・横浜で開催。

・ワークショップ「バンダナを藍で幾何学文様に染めよう」
 講師:山口まどか(染色家)
 日時:2012年2月25日(土)1:30pm〜3:30pm     会場:「ものづくり工房」
 定員:20名、要予約                    参加費:¥1,000
 対象:小学生以上

*イベントの申し込みは、イベントタイトルと氏名、電話番号、参加人数を明記のうえFAXかメールにて。
  FAX/0569-34-8283 E-Mail/event.ilm@lixil.co.jp     ※11月3日より受付
*会期中、色布作家の鯉江あかねさんに「世界のタイル博物館」「土・どろんこ館」を青色の布で飾っていただきます。


【関連書籍】
INAXミュージアムブック『青−空と水とやきものの始まり』11月3日発売
 人類が追い求めた青の歴史をふまえながら、服飾、絵画史、紀元前2600年に誕生した青いタイルからイスラームの青、そして染付磁器と、青の魅力につき動かされ人類が生み出したさまざまな青を美しい写真とともに紹介します。
 <図版構成> 青い風姿 写真=梶原敏英、中村脩、林道子、大川裕弘、佐々木光
          服飾史における青の断片 ―― 林央子
          絵画のなかの青 ―― 小林康夫
          対談○ラピス-ラズリが世界を動かした ―― 堀秀道&降旗千賀子
          イスラームの青/トルコアーズ・ブルーとコバルト・ブルー ―― 岡野智彦
          青色のエジプト・ファイアンス・タイルの秘密 ―― 後藤泰男
          染付磁器/人間のつくった瑠璃色の輝き ―― 荒川正明
          空気や海水はなぜ青く見えるのか ―― 武田康男

     天地 257mm×左右182mm 本文64ページ、 オールカラー 無線綴じ
     定価 : 1,500円 (税別)