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【ニュースレター】『国の節電目標が15%に決定』
先人の知恵に学ぶ、日本の住まいの暑さ対策
〜「暮らしに取りいれたいエコヒント」をご紹介します。〜

2011年06月09日

東日本大震災の影響により、電力の供給力が大幅に減少し、この夏に想定される電力需要に対して供給可能な電力が東京電力管内で10.3%不足、東北電力管内で7.4%不足すると予測されています。政府では「夏期の電力需給対策の骨格」を取りまとめ、企業だけでなく一般家庭にも一律15%の需要抑制を求めるとともに、節電の具体的な取り組みを「家庭の節電対策メニュー」として発表しています。

一般家庭では、夏の日中(14時頃)1,200Wの電力を消費しており、そのうちエアコンが約半分を占めています。このエアコンの使う時間をすこしでも少なくでき、設定温度を上げても快適に過ごせるようになれば、夏の節電はもちろん、環境に配慮した暮らしが実現できます。

出典:資源エネルギー庁(推計数値は最大需要発生日を想定)

夏の日中(14時頃)の消費電力(全世帯平均)


●夏の過ごし方を基本にしていた日本の住まい

昔の日本家屋は、『夏をいかに涼しくすごすか』がポイントになっており、『家の造り様は夏をむねとすべし(吉田兼好「徒然草」より)』といわれるように、風通しの良い間取りや深い軒、ひさし、窓にすだれをかけるなど、高温多湿となる夏の気候と上手く付き合えるよう工夫されてきました。暑い季節を快適に過ごすための先人の知恵は今も有効であり、エアコンなど現代の技術をより効果的に活用するベースになるのではないでしょうか。

すだれ

よしず
昔から日本の住まいは自然の力で夏を快適に過ごす工夫がされていました。
ご参考:夏を快適に過ごすための商品がいま注目されています。
ホームセンターを運営している弊社グループ会社のLIXILビバによると、今年の4月以降夏を快適に過ごすための商品の売れ行きが大変好調のようです。「すだれ」、「よしず」などは前年の2〜3倍の売上を記録しました。
 「すだれ」:4月の販売数 前年比約250%
 「よしず」:4月の販売数 前年比約300% (LIXILビバ調べ)


●先人の知恵に学ぶ「暮らしに取り入れたいエコヒント」

 このように暑熱・湿潤の日本では、昔から少しでも快適な暮らしをするための様々な技術や仕組みが考案されてきました。
 今回は、昔ながらの知恵を活かし、自然の力を上手にコントロールしながら夏を快適に過ごせる 「暮らしに取り入れたいエコヒント」を「光」「熱」「風」「湿」をキーワードにご紹介します
        


夏場の日射しをコントロール(遮光・採光)

 昔から日本の窓の外側には、夏場の強い日射しを遮るために「すだれ」や「よしず」がかかっていました。室内に入る日射を窓の外側でシャットアウトできるので、夏の暑さ対策には大変有効です。
 この「すだれ」の現代版ともいえるのが「シェード(外付スクリーン)」です。洋風住宅の外観にもマッチするデザインで、閉めれば光を遮ることなく室内の日射侵入率を大幅にカットすることができます。また使用しない冬場にはボックスに収納し、光をふんだんに採り入れることも可能です。

商品名「フレシェード」(トステム)

シェードを閉めることで、室内への日射侵入率を
70%カット(夏季)することができます。
※窓が複層ガラス使用の場合


室内外の熱をコントロール(遮熱・断熱)

 住まいの遮熱性・断熱性を高めるうえで重要なポイントは、熱の侵入口である「窓」です。一般的な単板ガラスでは日射しの9割近くが透過しますが、遮熱高断熱複層ガラスに変えると透過率が大幅に下がり、室内に入る日射熱を抑えることができます。
 しかし、窓ごと交換するとなると、大掛かりな工事になり容易ではありません。そこで昔ながらの和障子のように、既存の窓の内側に室内側から取り付けることができる樹脂製の「内窓」が大変有効です。現在お住まいの窓が単板ガラスでも遮熱高断熱複層ガラス入りの「内窓」を取り付けることにより、一般的な断熱サッシを超える高性能の窓に生まれ変わります。

商品名「インプラス」(トステム)
※住宅エコポイント対象商品

遮熱タイプの「インプラス」なら、強い日差しを
カットし、さらに冷房効果を高めることができます。


部屋に熱がこもらないように風をコントロール(採風・通風)

 日中の暑い時間帯や、夜の蒸し蒸しして寝苦しい時間帯などに、エアコンのドライ設定に頼ることなく、窓や玄関から自然の風を誘い、湿気や熱を逃がしてコントロールすることができれば、室内は快適になります。
 実際に玄関や勝手口を開けようとしたときに、陰の立役者となるのが「網戸」です。蚊をはじめとした虫にとって、高温多湿な日本の夏は活動期です。「網戸」無しでは戸口を開けられないのが実情です。
 窓の「網戸」は昔からありますが、最近では玄関・勝手口にも後から簡単に取り付けられる網戸が出ているので便利です。
      
商品名「しまえるんですα」(トステム)



ジメジメした夏場の湿気をコントロール(調湿・吸湿)

 高温多湿な日本。室内の湿度が高くなると人間が不快に感じるだけでなく、カビやダニが繁殖しやすくなります。この湿度を自然の力でコントロールしてくれるのが、昔から日本家屋で使われてきた土壁(珪藻土(けいそうど)等)です。土壁は、湿度が高くなると吸収し、乾燥すると放出する働きがあり、まさに天然の湿度コントロラーです。
 現代の住まいでは、内装壁に乾式壁(かんしきかべ)下地ビニールクロス仕上げが多く使われることが多くなり、土壁の家は少なくなりました。このような湿度をコントロールする機能をもち、また現代の住まいに溶け込みやすいデザインを有する「内装タイル」が発売されています。

商品名「エコカラット」(INAX)




「エコカラット」が吸収できる湿気の量


このように電気やガスなど現代のエネルギーがなかった時代、私たち先人達の知恵や工夫を学ぶことは多く、現在はその機能・仕組みを活かしたさまざまな商品が開発されています。またこれらの商品を組み合わせることにより、さらに快適な住環境を実現できます。

自然の力を上手に利用することで、今年の夏はエアコンに頼りすぎることなく、エコで快適な生活を目指してみてはいかがでしょうか。

LIXILでは、夏だけではなく1年を通してエコで楽しい生活を提案していきます。