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【新技術】「スマート構造解析テクノロジー」「KABEMADOユニット」開発
高い耐震性を確保しながら自由な開口部デザインを実現する
設計サポートサービス「スマートスケルトン」スタート

2012年04月05日

 住宅設備機器・建材の総合メーカーである株式会社LIXIL(本社:東京都千代田区、社長:藤森義明)は、開口部を耐力壁として評価できる新構造解析技術「スマート構造解析テクノロジー(特許出願中)」と、新技術を採用した開口部壁体「KABEMADOユニット(特許出願中)」を開発、その技術を応用することで高い耐震性を確保しながら自由な開口部デザインを実現できる新しい設計サポートサービス「スマートスケルトン」を4月より順次提供を開始します。

 東日本大震災以降、住宅への耐震ニーズは高まりつつあります。しかし一般的な木造住宅で耐震強度を高めようとすると、壁面を増やすことになり、窓を自由に取付けることができず、採光・採風がとりづらい間取りになりがちです。
 そこでLIXILでは、東京大学の稲山正弘准教授と共同で、新しい構造解析技術「スマート構造解析テクノロジー」による開口部周りの壁倍率(壁の強度)計算方法と、計算値を適切に発揮させる開口部ユニット「KABEMADOユニット」を開発しました。
 これらの技術を用いて住宅を設計すれば、開口面積が広い壁面においても耐震性能を確保することが可能※1になり、壁面を増やすことなく、高い耐震性と自由な開口部デザインの両立を実現します。さらに開口部には、断熱性の高い次世代スタンダードウィンドウ「サーモスH」を採用することで、開口面積が広くなっても高い断熱性能を維持できます。

※1 掃き出し窓の場合は除く


【高い耐震性と広い開口面積を実現した例】 窓を多くしたことにより、開口面積は約2.3倍に、さらに耐震性も約1.2倍高まった設計となっています。

 今回スタートする「スマートスケルトン」は、この「スマート構造解析テクノロジー」のノウハウを活用した構造計算の設計サポートサービスです。いただいた図面をLIXILが"耐震性"と"開口部の配置"の2つの視点で構造計算を行います。構造計算後は、LIXIL提携のプレカット工場を紹介し、梁、柱、まぐさ、窓台、土台、面材で構成されるLIXIL指定の開口部ユニット「KABEMADOユニット」を供給します。

 今後もLIXILでは、より安心・安全で快適な住環境づくりを目指します。

<参考資料>

開口部を耐力壁にする新技術「スマート構造解析テクノロジー」(特許出願中)

東京大学の稲山正弘准教授とLIXILが共同で開発した、構造解析により壁倍率を求める手法です。材料の持つ強さを効果的に発揮させるため、大断面材等の特殊な材料は使用せず、在来大工でも扱いやすい材料で構成されています。

●詳細計算法※2とフレーム応力解析法※3等により壁倍率(壁の強度)を算出

※2 面材を軸組みに釘打ちした耐力壁について、釘のピッチ や配列等の仕様により短期許容せん断耐力(壁の強度)を求める計算手法。

※3 直線材で構成された平面フレームに、さまざまな荷重をかけたときの変位および応力を計算する解析手法。

●解析手法の妥当性を強度試験により確認

(財)日本住宅・木材技術センターにて実施

スマート構造解析テクノロジーによる開口部壁体「KABEMADOユニット」
(特許出願中)

<基本寸法>

横架材間寸法(H):2,000〜2,900mm(開口パターンによる)
柱芯々寸法(L) :910〜2,000mm
開口高さ寸法(h):380〜1,180mm(開口パターンによる)

<開口パターン:4パターン>

<サッシの設置例>

ユニット開口に受け材などを設置することで複数のサッシや開口よりも小さいサイズのサッシを取付けることが可能です。

<ユニット開口の連続組合せ例>

「スマートスケルトン」で設計したモデルプラン

設計サポートサービス「スマートスケルトン」の主要適合条件

<その他適合条件>

①スマートスケルトンテクニカルガイドに準拠すること。

②PC工場が、スマートスケルトンテクニカルガイドに対応していること。
SS加盟工場かつSSP3金物・テックワンP3金物取扱い可能工場

③LIXILにて構造設計を実施すること。