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LIXILが『風』を科学します!
「通風・創風※1 設計サポート」 スタート
〜 夏を省エネで快適に過ごすための最適な窓サイズ・種類・配置をご提案します 〜

2012年04月26日

※1 風が無いときでも外の空気を室内に取り込み、温度差換気により自然の力でやさしい空気の流れを創る手法の造語

住宅設備機器・建材の総合メーカーである株式会社LIXIL(本社:東京都千代田区、 社長:藤森義明)は、快適性評価指標の一つであるPMV※2(Predicted Mean Vote/予測温冷感申告)を活用し、建築予定の設計図面、立地条件などの情報をもとに、夏を省エネで快適に過ごすための最適な窓サイズ・種類・配置を提案する新しいサービス「通風・創風 設計サポート」を、5月1日より全国のビルダー様向けにスタートします。

またあわせて、設計サポートを利用して家を建てたお施主様向けに、各邸ごとにオリジナルで作成する、夏場を心地よく過ごすための"窓の使い方"がわかる「窓の開け方提案シート」をご提供します。

※2 温冷感の評価方法に関する国際規格(ISO7730)

近年、地球環境保護の観点から省エネへの関心が高まっており、住宅の断熱・気密性能が向上しています。しかし、高気密・高断熱住宅で夏に窓を閉めきってしまうと、熱が部屋にこもり、冷房機器に頼りがちな生活になってしまいます。

そこでLIXILでは、断熱・気密の"閉じる技術"とあわせて、窓を開けて風を取り入れる"開く技術"をあわせてご提案できる「通風・創風 設計サポート」を開発しました。

各邸ごとに、6月〜9月(夏場)の"風があるとき(朝・昼・夜)" "風がないとき(朝・昼・夜)" "風がないとき(深夜)"の7つのシーンにあわせ、定量的に住まいの快適性を判定します。その結果をもとに、風があるときは"通風"、風がないときは"創風"といった考え方を取り入れ、最適な窓サイズ・種類・配置をご提案します。

▲ PMVを活用した定量的な評価シート(快適性指標をわかりやすく表現しています)

日本では昔から、『家の造り様は夏をむねとすべし(吉田兼好「徒然草」より)』といわれるように、"高温多湿の夏をいかに涼しく過ごすか"がポイントになってきました。今後もLIXILでは、昔ながらの生活の知恵である"自然の力"を上手に利用し、夏を快適に過ごせる商品・サービスを提供し、地球環境保護ならびに昨今の節電に寄与していきます。

<参考資料>

■「通風・創風 設計サポート」について

1.サービス概要

快適性評価指標の一つであるPMV(Predicted Mean Vote/予測温冷感申告)を活用し、これから家を建てる予定の図面、立地条件などの情報をもとに、夏を省エネで快適に過ごすための最適な窓サイズ・種類・配置を提案するサービスです。

▲ アウトブットイメージ

① 窓の設計提案シート(ビルダー様対象)

  • 現建築プランでのシミュレーション結果報告
  • 通風・創風の最適窓設計プランのアドバイス

② 窓の開け方提案シート(お施主様対象)

  • 風がある時、風がない時の窓の開け方
  • 就寝時の窓の開け方

(評価・シミュレーションの判定条件)

2.サービスの流れ

建築予定の設計図面、立地条件などの必要 情報を当社に送っていただくと、各地域の 気象データベースにより、通風・創風シミュ レーションを行います。その結果をもとに、 通風・創風の「窓の設計提案シート」 やお施主様への「窓の開け方提案シート」の 作成をサポートします。

3.準備いただくもの

サポート依頼書、各階平面図、立面図、断面図、配置図(方位が記入されたもの)、案内図もしくは付近見取り図

4.価格

1物件 40,000円(税抜)

5.対象エリア

沖縄県、離島を除くすべての都道府県

<ご参考>
東京大学生産技術研究所と共同で行った
実験住宅『COMMA(コマ)ハウス』での"創風"実証実験結果について

◆"創風"実証実験

【実験概要】

外の風が弱く、室内温度が外気温度よりも高い条件下において、実験住宅の"高い窓(2Fロフト窓)"と"低い窓(1Fリビングの窓/2F寝室の窓)"を開けることで、住宅内に温度差が生じ、"上昇気流"の発生を確認。また、風船を用いて、室内の風の流れも確認する。さらに、時間経過と共に室内の温度変化も同時に確認する。

▲ 「COMMAハウス」

▲ 風船を使った実験風景

【実験1:「COMMAハウス」1Fリビング】

▲1F リビングの温度変化

<条件>

2011年11月8日
平均風速(外):0.7m/s(西の風)
外気温度:16.3℃
リビング温度:25.2℃

<結果>

  • 風船を使った実験により、1Fリビングから2Fロフト窓へ"風"が生まれたことを確認
  • 実験開始後約10分で、リビングの温度が25.2℃から22.2℃へ下がったことを確認

【実験2:「COMMAハウス」2F寝室】

▲2F 寝室の温度変化

<条件>

2011年11月8日
平均風速(外):0.6m/s(北東の風)
外気温度:16.8℃
リビング温度:29.1℃

<結果>

  • 風船を使った実験により、2F寝室から2Fロフト窓へ"風"が生まれたことを確認
  • 実験開始後約16分で、寝室の温度が29.1℃から25.2℃へ下がったことを確認

◆ご協力いただいた、東京大学生産技術研究所 建築環境工学 教授 大岡 龍三 氏の見解

今回の実証実験から"風"が弱い条件でも、住宅の高い位置の窓(2Fロフト窓)と低い窓(1Fリビングや2F寝室の窓)を開けることで、温度差が生じ、室内に上昇気流ができることがわかりました。
これにより下から上に流れる"風"が生まれる「温度差換気="創風"」を確認できました。"通風"や"創風"など"自然換気"をうまく活用することは、今後の住宅づくりの中でも注目される技術であると考えます。

『COMMAハウス』とは

東京大学生産技術研究所と、株式会社LIXIL、株式会社LIXIL住宅研究所 アイフルホームカンパニーが、いえ・もの・情報・ライフスタイルを統合して、快適性・省エネ性を実現し、持続可能エネルギーの最大導入に貢献する次世代住宅を、 2020年に広く普及させることを目指し、さまざまな実験をこの「COMMAハウス」で行なっています。
(東京大学駒場リサーチキャンパス内に設置)