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店舗ファサードの意匠・施工技術を競う「第23回フロント施工例コンテスト」
“ストアフロント日本一”が決定
〜 岡山県津山市の「津山市営弓道場」がグランプリを受賞 〜

2012年02月08日

 住宅設備機器・建材の総合メーカーである株式会社LIXIL(本社:東京都千代田区、社長:藤森義明)では、当社主催の「第23回フロント施工例コンテスト」に、全国の設計事務所、建設会社、販売店、加工店から応募された作品830点の中から、優秀作品全15点を選出し、グランプリに「津山市営弓道場」(岡山県津山市)を決定しました。

応募作品は、加工・施工技術、デザイン性・建物全体との調和を中心に総合的な審査が行われ、グランプリの他、「小規模店舗部門」、「大規模店舗・複合施設部門」、「オフィス・住宅・応用部門」の各部門の金賞、銀賞、銅賞および優秀加工技術賞を決定しました。
▲グランプリ受賞作品「津山市営弓道場」
 グランプリを受賞した「津山市営弓道場」は、内外を仕切る伝統的手法や精神性を大胆にデザインし、伝統的な重層する開口空間を現代に創造した点が高い評価を得ました。
 フロント施工例コンテストは、当社(トステム・新日軽ブランド)の店舗用建材を使用した施工例の中から優秀な作品を表彰することを通じ、年々多様化するストアフロント(店舗のファサード部分)の設計・加工・施工技術の向上と、当社製品の普及を図ることを目的として1989年に第1回を開催、今回で23回目を迎えました。
※第22回開催までは、旧トステム株式会社で実施

 LIXILは、今後も商品開発や様々な取り組みを通じて、より快適で暮らしやすい街づくりのお手伝いをしてまいります。

<審査委員長 総評>

 2011年は日本にとって歴史に刻まれる酷薄の年となった。3月の震災と津波、更に原発事故で私たちの生活は大きな影響を受けた。そして経済活動を揺るがし建築計画や施工例は今も多大な影響を受け続けている。こうした社会情勢を反映してか応募点数も減少となった。日本はまだまだ混乱しており、人々の生活にどのような影響が現れるか読み解くことは難しいが、一方で「絆」という言葉に代表される人と人の関係など新たな可能性も散見される。このことは当然私たちを取り巻く建築や都市デザイン・施工例にも深く関与することであり、とりわけ様々な施設の開口部やフロントデザインはその役割を担う。今年の審査はこうした視点に立って、施設の開口部を介して繋がる様々な要素の関係性を見直しそれを再評価する審査となった。


“グランプリ” 受賞作品
「津山市営弓道場」(岡山県津山市)

設計事務所/有限会社 西矢建築設計事務所
建設会社/株式会社 五月工建
販売店/株式会社 山本硝子建材
加工店/津山フロントセンター 有限会社

<審査員評価ポイント>
現代建築デザインの大勢が近代主義に大きく影響を受け、また日本ではエンジニアリング技術を重視する社会状況の中で、古来日本が培った伝統や思想を現代に生かすことが非常に難しい。とりわけ建築開口部やフロント施工に焦点を当てると、環境性能や経済性が重視され、内外を仕切る伝統的手法や精神性が忘れ去られて久しい。この作品はこうした日本の内外を繋ぐ伝統や思想を大胆にデザインしながら、幾重にも繰り返し建築内外を実に繊細に仕切り繋ぐ伝統的な重層する開口空間を現代に創造した卓越した施工例と言える。


“小規模店舗部門”金賞 受賞作品
「2K540 AKI-OKA ARTISAN」(東京都台東区)

設計事務所/株式会社 交建設計
建設会社/株式会社 鈴木工務所
販売店/株式会社 エフジーケー
加工店/石田工業 株式会社

<審査員評価ポイント>
高架下の未利用地の利活用、ローコストながらハイデザイン等々、様々な点で高く評価される同施設だが、なかでも本コンテストでは開口部に着目した。工房と商業を複合してコミュニケーションを促す施設を集合させ、特に積極的に工房という制作現場を見せる仕掛けとしての多様な開口部のデザインが優れている。しかも開口を含む全体デザインのコストパフォーマンスに優れ、ローコストながら高架下の環境を良好なものに転化するデザインは、劣悪な環境改善の指針を示す有益なモデルを提示したと言えよう。


“大規模店舗・複合施設部門”金賞 受賞作品
「フードD LISTA」(北海道江別市)

設計事務所/株式会社 スカイ・サイト
建設会社/株式会社 間組 札幌支店
販売店/株式会社 タカフジ

<審査員評価ポイント>
建設コストやマーケティングなど厳しい設計条件内で、如何に効果的かつ魅力的なデザインを実現させるかが問われる商業建築であるが、特にこの物件はス−パーマーケット業態に科せられた条件を洗練されたデザインに昇華した。特にサイネージとサッシュの一体的なデザイン処理や、パラペット部をディスプレイウィンドウに見立て上層階を想起させ、カスタマーに語りかけるデザインは、開口部のデザインの新たな展開として優れている。


“オフィス・住宅・応用部門”金賞 受賞作品
「春咲の丘コミュニティセンター」(愛知県岡崎市)

設計事務所/株式会社 三菱地所設計 名古屋支店
建設会社/小原建設 株式会社
販売店/太田商事 株式会社
加工店/トヨハシフロント 株式会社

<審査員評価ポイント>
これまでの常識を破る意欲的な施工例である。日本の大多数の公民館が型にはまったステレオタイプ建築であるのに対し、この作品は商業施設デザイン的なコンテンツを見える化する手法により公共施設の新たな可能性を開いた。近隣コミュニティに対して施設内の活動などを見せる建築開口部のありかたは、これまでの公民館建築のありかたを問う意欲的な作品として高く評価できる。人々の活動を外部に開示する地域社会と公的な施設の新たな方向性を示唆している。

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<審査の経緯>
 830点の応募作品は、10月中旬に当社各エリアにより220点に絞り込まれ、さらに当社各部門の審査員による第2次審査で80点に厳選されました。最終審査は、空間プロデュースや複合施設のプランニングで著名な柘植 喜治 千葉大学大学院教授と社団法人 商業施設技術者・団体連合会の永井 朔 理事があたり11月7日に行われました。この審査でグランプリ1点、各部門の金賞・銀賞・銅賞・優秀加工技術賞の計15点の受賞作品を決定しました。

「第23回フロント施工例コンテスト」募集要領
1.応募資格
 当社(トステム・新日軽ブランド)のフロント製品をお取り扱いの設計事務所様、建設会社様、販売店様、加工店様。

2.応募対象物件
 2010年10月から2011年9月30日までにトステム・新日軽ブランドのフロント製品を使用した施工物件で、建物全体が完成し、お施主への引き渡しが完了しているもの。

3.応募期間
 2011年7月13日(水)〜9月30日(金)

4.募集対象部門

部門 対象物件例
小規模店舗 クリーニング店、コーヒーショップ・小型飲食店・生花店
大規模店舗・複合施設 デパート、スーパー、パチンコ店、カーディーラー、レストラン
オフィス・住宅・応用 美術館などの公共施設・ショールーム・事務所・クラブハウス・ひさし・トップライト・住宅

5.審査

第 1次審査 : LIXILの各エリアにより実施
第 2次審査 : 第1次審査を通過した作品を対象にLIXILの各部門代表者により実施
第 3次審査 : 第2次審査を通過した作品を対象に審査委員長 柘植 喜治氏(空間プロデューサー、千葉大学大学院教授)、審査副委員長 永井 朔氏((社)商業施設技術者・団体連合会理事)のもとに実施

6.審査委員

審査委員長: 柘植 喜治(つげ きはる)氏:空間プロデューサー、千葉大学大学院教授
審 査 委 員: 永井 朔(ながい はじめ)氏:デザイナー、(社)商施連 副会長

7.審査方法
 加工・施工技術、デザイン性・建物全体との調和を中心に総合的に審査いたします。

8.賞

グランプリ: 全部門より1点
賞金各20万円(設計事務所様、建設会社様、販売店様、加工店様)
金   賞: 各部門より1点
賞金各10万円(設計事務所様、建設会社様、販売店様、加工店様)
銀   賞: 各部門より2点
賞金各5万円(設計事務所様、建設会社様、販売店様、加工店様)
銅   賞: 各部門より2点
賞金各3万円(設計事務所様、建設会社様、販売店様、加工店様)
優秀加工技術賞: 全部門で3点、賞金3万円(加工店様)
※総表彰数: 19点