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次世代サステナブル住宅の技術を模索・検証する「第3回LIXIL国際大学建築コンペ」
ハーバード大学の「HORIZON HOUSE」が最優秀作品賞を受賞
〜 受賞作品は北海道大樹町「メム メドウズ」敷地内に2013年10月下旬竣工予定 〜

2013年04月26日

住宅・建材産業に関する調査・研究及び、人材育成等の事業に対し助成・支援する 公益財団法人LIXIL住生活財団(所在地:東京都江東区、代表:理事長 潮田洋一郎、以下:LIXIL住生活財団)は、次世代のサステナブル住宅の技術を模索・検証し、地球社会にその技術を発信することを目的に開催する「第3回LIXIL国際大学建築コンペ」において、 世界11カ国・12大学の中から上位3大学を選出し、2013年4月20日(土)に霞が関ビル プラザホール(東京都千代田区)で行われた公開審査会にて、最優秀作品賞にハーバード大学(米国)の「HORIZON HOUSE」を選出しました。

左:隈審査委員長によるハーバード大学への最優秀作品賞表彰、右:記念撮影の様子

審査会では、審査委員長の隈 研吾氏(建築家・東京大学教授)、審査委員の野城 智也氏(工学博士・東京大学副学長、生産技術研究所教授)、ダルコ・ラドヴィッチ氏(慶應義塾大学教授)によって白熱する議論が行われました。第3回となる今回は、テーマである“RETREAT IN NATURE(大自然のリトリート=日常生活から離れるための隠れ家)”をどう解釈するかが重要視されました。

ハーバード大学「HORIZON HOUSE」

最優秀作品に選ばれたハーバード大学の「HORIZON HOUSE」は、土台に鉄道の枕木などの廃材を使用することで建設資材からエネルギー発生を抑える仕組みや、積雪を考慮した高床式などのサステナブルなデザインだけでなく、360度に広がるパノラマが“RETREAT”を実現し、その時の景色、気分に合わせて住まう人が選ぶことができるという点が高く評価され、満場一致での決定となりました。

審査委員長 隈 研吾氏による総評では、「このような急進的なアイデアを実現するということは簡単なことではない。LIXILや大樹町のサポートを受けながら、この非常にスマートなアイデアを実現したい。私自身、今回の作品の完成を大変期待している」とのコメントをいただきました。表彰式では、優秀作品賞を受賞したハーバード大学のAna Garcia Puyol(アナ・ガルシーア・プヨル)さん、Thomas Sherman(トーマス・シャーマン)さん、岩村卓弥さんが「今回、コンペに参加できたことを嬉しく思います。まずは最優秀賞をいただきましたこと、心より御礼申し上げます。チャレンジはこれから先も続きますが、完成した「HORIZON HOUSE」には自分たちもぜひ滞在してみたいです」とコメントし、指導教官のMark Mulligan(マーク・マリガン)さんも「今回の受賞はチーム8人が一丸となって取り組んだ結果。今後、実際に建築するにあたり、アイデアが変わっていくこともあるだろうけれど、それも含め楽しみであり、エキサイティングだと思う。こんなにわくわくするプログラムは初めての経験だ」とコメントしました。

今後、優秀作品賞を受賞した「HORIZON HOUSE」は、隈研吾建築都市設計事務所のサポートのもと実施設計を行い、北海道・大樹町「メム メドウズ」敷地内に2013年10月下旬に竣工する予定です。コンペ概要は別紙をご参照ください。

≪添付資料≫

■受賞作品一覧(※同賞内五十音順、敬称略)

・優秀作品賞(1作品) 

ハーバード大学
HORIZON HOUSE

・優秀賞(2作品) 

デルフト工科大学
Simply Adjustable

 

シンガポール国立大学
kaze house

■「第3回LIXIL国際大学建築コンペ」開催概要

1.参加大学

11カ国・12校 ※◎印3大学が4月20日の公開審査会に進出。

Aalto University/アアルト大学(フィンランド)

Dresden University of Technology/ドレスデン工科大学(ドイツ)

◎Delft University of Technology/デルフト工科大学(オランダ)

Swiss Federal Institute of Technology Zurich/スイス連邦工科大学(スイス)

The Bartlett School of Architecture, University College London/ロンドン大学バートレット校(イギリス)

Vienna University of Technology/ウィーン工科大学(オーストリア)

◎Harvard University/ハーバード大学(米国)

Tongji University/同済大学(中国)

◎National University of Singapore/シンガポール国立大学(シンガポール)

Hanoi Architectural University/ハノイ建築大学(べトナム)

Kyoto University/京都大学(日本)

Hokkaido University/北海道大学(日本)

2.審査方法

寒冷地における次世代型サステナブル住宅の提案を、世界11カ国12大学より招待形式にて募集。エントリーがあった12大学の作品を一次審査(書類審査)で上位3大学を選出。3大学による公開審査会を実施し最優秀作品賞を選出する。

3.審査委員

審査委員長
隈 研吾 氏 〔建築家・東京大学教授〕
審査委員
野城 智也 氏〔工学博士・東京大学副学長、生産技術研究所教授〕
ダルコ・ラドヴィッチ氏〔慶應義塾大学教授〕

4.表彰

優秀作品賞(1点)――― 15,000USドル(デザイン費を含む)
優秀賞(2点)――――― 3,000USドル(デザイン費を含む)
※北海道・大樹町「メム メドウズ」敷地内に実作として建設される。

■「LIXIL国際大学建築コンペ」について

「NEXT GENERATION SUSTAINABLE HOUSE IN TAIKI-CHO」がテーマ。寒冷地の過酷な気象条件かつインフラ基盤の弱い北海道大樹町の地域特性を活用して、世界の最先端の技術を導入。また北の大地特有の冬の雪、春から夏にかけての樹木、農作物の壮大な景観とマッチする次世代サステナブル住宅を建設し、省エネ効果のデータをもとに、技術的に有効性を検証し、地球社会に情報を発信する。
最優秀賞は、北海道・大樹町「メム メドウズ」敷地内に実作として建設される。

・最優秀作品「HORIZON HOUSE」(ハーバード大学)建設スケジュール(予定)

2013年5月〜6月
実施設計
2013年7月
見積等
2013年8月
着工
2013年9月〜10月
建築
2013年10月下旬
竣工
【主催】
公益財団法人LIXIL住生活財団
【共催】
株式会社LIXIL(総合研究所)、北海道大樹町
【後援】
北海道開発局帯広開発建設部、北海道十勝総合振興局、一般社団法人日本建築学会、
公益社団法人日本建築家協会、公益社団法人日本建築士会連合会、株式会社新建築社
【公式サイト】
www.lixiljsfound.or.jp/category/1835715.html
【公式Facebook】
www.facebook.com/LIXIL.IUAC

■「メム メドウズ」施設概要

名  称 :
「メム メドウズ」
所 在 地 :
北海道広尾郡大樹町字芽武158-1
※旧「大樹ファーム」跡地
所  有 :
公益財団法人LIXIL住生活財団
〒136-8535 東京都江東区大島2-1-1
敷地面積:
約56,000坪

主要施設:
寒冷地実験住宅「メーム(Même)」(右上写真参照)、実験住宅「竹の家」、
実験住宅「町まとう家」、実験住宅「BARN HOUSE」、多目的ホール、ラボ棟、
住宅1、2、3号棟(研究者向け宿泊施設)、
ログハウス1、2号棟(研究者向け宿泊施設)、運動棟、
レストラン、サウナ施設、管理棟 など
施設概要:
公益財団法人LIXIL住生活財団が、その設立理念に基づき、北海道大樹町に設立した環境技術研究機構の名称。同機構の中心となるのが、隈研吾建築都市設計事務所が設計した寒冷地実験住宅「Même(メーム)」である。
URL   :
http://www.lixil.co.jp/s/taiki-cho/about/