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NEDO助成事業のアルミサッシ循環利用めざし
市中解体アルミサッシの「サッシ to サッシ」高度選別技術を確立
〜 早稲田大学、アーステクニカ、ポニー工業、阪和興業、LIXILで共同研究 〜

2013年04月02日

住まいと暮らしの総合住生活企業である株式会社LIXIL(本社:東京都千代田区、 社長:藤森義明)は、環境活動と市中アルミリサイクル材の品質保証をめざし、 早稲田大学理工学術院(所在地:東京都新宿区、院長:山川宏)、株式会社アーステクニカ (本社:東京都千代田区、社長:浜口正記)、ポニー工業株式会社(本社:大阪府大阪市、社長:横野泰和)、阪和興業株式会社(本社:大阪府大阪市、社長:古川弘成)の1大学 3社と共同で、建替えやリフォーム時の住宅解体工事などで発生する“市中解体アルミサッシ”を、再びサッシとして利用する「サッシtoサッシ」の技術を開発しました。

※この事業は独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「省エネルギー革新技術開発事業」の一環として2009年度に開始されたもので、開発テーマは「アルミニウム資源循環における超省エネルギー次世代プロセス」とし、4年間の研究を経て2013年3月に高度選別技術を確立しました。

LIXIL野田事業所に設置していたアルミ高度選別機

アルミサッシは、主にJIS規格の6000系合金が利用されています。しかしながら、従来の方法で“市中解体アルミサッシ”を選別した場合(手作業による「手選別」および、比重を利用した「重液選別」)、樹脂やゴム、木くずのほか、ビスや施錠金物などの不純物を完全に選別することが難しい状況でした。そのためアルミサッシの原料としては再利用することが難しいため、一度溶解し自動車などで使用されるダイカスト用原料(二次合金:ADC12)として、リサイクルされていました。

また、この工程で発生する“市中解体アルミサッシ”などを溶解する際のエネルギー量が、業界全体量(1年間)で試算した場合、日本アルミニウム協会によると、472,000キロリットル(原油換算ベース)発生すると言われています。

共同で開発した「サッシ to サッシ」の技術は、“市中解体アルミサッシ”から不純物を取り除き、再びアルミサッシの原料としてリサイクルできるだけでなく、従来リサイクルするために発生していた溶解のためのエネルギー消費を大幅に削減することが可能となります。

今回、LIXIL野田事業所(千葉県野田市)敷地内に設置(設置は2011年7月)されたパイロットプラントで、LIXILが「サッシtoサッシ」の試験と選別評価、ランニングコスト算出を行いました。早稲田大学理工学術院が選別技術や実用化の全体コーディネート、アーステクニカがパイロットプラントの設計、制作、設置と、X線を利用した「透過X線(XRT)ソータ」の選別技術開発と実用化開発、ポニー工業が「蛍光X線(XRF)ソータ」の選別技術開発と実用化開発、阪和興業が“市中解体アルミサッシ”回収の社会システムの検討を担いました。

LIXILでは、来年度中にも実用化する方向で、廃材の発生量や地域性、流通の社会性などを考慮してプラントの規模や立地、流通などの検討に入ります。

今後もLIXILでは、サステナブルな社会の実現に向け、モノづくりの視点として重要な「つくる」「つかう」「もどす」の中の資源を再生・再利用する「もどす」にも注力し、LIXIL全体でマテリアルリサイクル率向上を目指し、資源の再利用、循環を推進します。