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女性管理職、2年で約3.5倍に増加
〜企業文化の変革を牽引する女性社員をご紹介〜

2013年12月10日

住生活産業のグローバルリーダーを目指すLIXILグループ(本社:東京都千代田区、社長:藤森義明)は、「Diversity(多様性)」「Equal Opportunity(公平な機会)」「Meritocracy(実力主義)」を尊重し実現する企業風土、企業文化づくりに取り組んでいます。2013年1月、この3点を柱とする「LIXIL Diversity宣言」を社内外に発信するとともに、変革を起こしリーダーシップを発揮できる人材の育成に注力してきました。

その結果、株式会社LIXILでは2011年の発足時に比べ、女性管理職(課長職相当以上)が、約3.5倍の76名(2013年11月現在)に増加しました。管理職の女性比率は3.3%にすぎませんが、2015年度は、管理職登用者の30%を女性を含むダイバーシティタレントとすることを目標に掲げました。今後も着実にDiversityの実現に向け、取り組みを進めてまいります。

「住」のプロフェショナル集団であるLIXILグループにとって、女性の能力を活かす場は幅広くあります。今回、生活者視点の欠かせない商品開発部隊を率いる商品部長と、カリフォルニア大学の大学院でMBA取得を目指している前IR室スタッフの2名の女性社員をご紹介いたします。この二人のこれまでの経験や今の活動を通して、LIXILグループの「Diversity」「Equal Opportunity」「Meritocracy」についてご理解いただければ幸いです。

【ご紹介する2名】

株式会社LIXIL プロダクツカンパニー デバイスBU(ビジネスユニット)

デバイス商品部長 羽柴 千明(はしば ちあき)

株式会社LIXIL 人事総務本部人材開発部(前 (株)LIXILグループ IR室)

原 あす香(はら あすか)

<添付資料>

株式会社LIXILにおけるダイバーシティ推進関連データ

■生活者の気持ちに寄り添い、最適解を導き出す
羽柴 千明 プロダクツカンパニー デバイスBU デバイス商品部長

21名の部下を率い、商品開発の先頭に

2013年4月LIXILは、メーカーの要である開発生産部門をプロダクツカンパニーとして再編し、事業責任を負う9つのビジネス戦略ユニット(BU)が誕生しました。羽柴千明は、その1つデバイスBUのデバイス商品部長です。デバイスとはキッチンや浴室の水栓金具、フラッシュバルブなどの設備、照明やリモコンなど多くの商品群にまたがる周辺機器を指します。そして商品部とは、研究所や開発部門と連携しつつ、企画から開発、プロモーションまで、一貫してモノづくりに関り、営業につなげていく部門です。

「どのようなニーズや研究が企画の背景にあり、何をお客さまに届けるのか、そのベクトルがぶれないように、商品をディレクションするのが商品部です。そしてデバイスは、水洗金具や照明などさまざまなLIXIL商材に搭載される商品を持っており、幅広い商品群の横串を刺し、新しい付加価値の創造を目指しています。」と羽柴は語ります。 羽柴は21名の部下を率い、プロダクトマネージャーとして、商品開発の流れ全体を俯瞰し、戦略をストーリーとして組み立てていきます。生活者の言葉に共感し「どうして?なぜ?」を積み重ねながら最適解を見つけ出し、商品に仕上げます。

自ら課題を見出し、生活者視点で提案、商品化

羽柴の入社は1989年。昔から、なぜそれが必要か、何のためにやるのか。納得しないと動けなくて、上司によく質問し煙たがられていたと言います。その当時、徐々に女性総合職の採用は増えていましたが、水まわりの設備開発部門では初の女性総合職でした。実験や作業が伴う男性中心の部署に配属されましたが、便器の性能測定でびしょ濡れになることもある試験室での仕事は皆無。また5年もすると男性社員は、仕事の範囲も責任も拡大していくのですが、羽柴はチームを任されることも、主力商品の開発に関わることもありませんでした。
「同僚や上司も戸惑っていたのでしょう。女性は結婚や出産のタイミングで仕事をどう続けていくべきか、いろいろ考えますから。部下を持つと女性の活用に悩む上司の気持ちも理解できます。」

しかし、羽柴は自分で課題を見つけるよう努力しました。タンクレストイレの先陣を切った「SATIS」開発時のことです。狭い空間にすっきり収まるキャビネット付手洗器を提案した際、「SATISの世界観に合わない」との声がありましたが、日本の住宅用トイレだからこそ必要なアイテムだと生活者視点で訴え続け、商品化にこぎつけました。生活者の気持ちに寄り添いながら、論理的思考で根本的な解決策を探求する。それが羽柴のスタイルです。

多様な人材が活躍する商品開発組織へ

羽柴は昨年リーダー育成のためのエグゼクティブ・リーダーシップ・トレーニング(ELT)に参加しました。「女性は、成長に繋がる経験の機会があまり与えられていません。女性管理職比率の引き上げに対して、周囲や登用された女性にも戸惑いがあります。でも変革を起こすにはある程度の数も必要です。チャンスを与えられたら、ひるまず、長所を伸ばしチャレンジして欲しいですね。」

「私は女性初という形容詞を添えて紹介されることが何度もありました。女医とか女性消防士とかわざわざ「女性」を付けていますが、そんな肩書きは本来不要でしょう。保育士や看護士も同様です。プロダクトカンパニーは5社統合で人が混ざり合い、女性も若手も多く、変化の兆しがあります。外国籍の社員はまだ少ないですが、いろいろな国の人が開発の場で意見をぶつけ合えるようになれば、もっとダイバーシティは進化していくと思います。」

■海外で視野を広げ、時代を担う国際派を目指す
原 あす香 人事総務本部人材開発部(前LIXILグループ IR室)MBA派遣留学中

経営トップの思いに触れ、応えたい

2013年8月初旬、担当していた「アニュアルレポート2013」の発行を確認する間もなく、原あす香は、カリフォルニアに向かいました。LIXILグループは、国際社会で活躍する人材を育てるため、年に10名ほどのMBA派遣制度を開始しました。原は、初年度の枠を勝ち取り、現在カリフォルニア大学ロサンゼルス校の経営大学院UCLA Anderson School of ManagementでMBA取得を目指し学生生活を送っています。

原は8歳から12歳までをカナダのトロント市で暮らし、大学時代にも1年間バンクーバー市の大学に留学経験があります。大学卒業後入社した企業で広報IR業務を担当後、経営統合で変化し始めた住生活グループ(現:LIXILグループ)に2005年に転職。入社後は一貫してIR業務に従事し、海外機関投資家とのコミュニケーションやIR資料制作などを手掛けてきました。経営陣の渡航をアレンジすると共に同行し、トップの思いや狙いを直に聞き、経営の動向に触れてきたことは、原の大きな財産になっています。藤森の社長就任後は、大型買収などダイナミックな会社の動きが多く、刺激的な経験をベースに、次の飛躍への力を蓄えています。

アメリカ有数のビジネススクールへの挑戦

原は、自分がステップアップしていくためにも体系的に経営を学びたいと感じていましたが、仕事も楽しく、先延ばしになっていたと言います。そんな折、MBA派遣制度が導入され社内募集が始まりました。「ところが募集には年齢制限があり、非常にがっかりしました。でも、このチャンスを逃したくなくてダメ元で応募したんです。」と原は簡単には諦めませんでした。

候補生に選抜後は、仕事と受験勉強の両立が肝だったそうです。英語が母語の学生でも難しいGMAT試験、作文、推薦状の準備に加え、MBA候補生であることが周囲にも知られ、プレッシャーも感じていました。ちょうどその頃、管理職に昇格します。その評価を嬉しく受け止めると同時に、後輩育成の業務も加わり一層頑張らなくてはという気持ちが高まります。無事希望校に合格し、8月初旬に渡米しましたが、責任感の強い原は、周りが心配するほど、ぎりぎりまで仕事をこなしていました。

広がる視野と知見

留学先の1学期目の授業は、主に経営を学ぶ上で素地となる経済学、統計学、会計学を履修します。原のメールから日本とは異なる日常が見えてきます。
「アメリカ西海岸の特徴かもしれませんが、とにかくクラス内がダイバーシティそのものです。過去の業務も将来目指す仕事も異なるメンバーがチームを組んで課題に取り組んだり、食事の場で議論を交わしたり、時に企業慣習や政治・文化の違いについて語り合ったりすることで、日々コミュニケーション能力を磨いています。日本語ならもっとうまく、早くできると感じることも多々ありますが、そのまどろっこしさを受け入れながら、順応していこうと努力しています。そして、MBAをどう仕事に還元できるのか?グローバルリーダーになるには?を考える一方で、硬くなっている脳ミソをほぐしながら、人生をより豊かにする自分の生き方などにも思いをめぐらせて生活しています。」

また原は、他専攻や他校の会社派遣留学生と接するなか、平等にチャンスを与えてもらっていることに、あらためて気づくと続けます。

「私は人生の数年間を海外で過ごすことは絶対にプラスだと思います。視野の広がり、異文化を背景に持つ人たちと交流する刺激、異なる環境で生活することによる知恵、全てが自分を少しずつ変え、向上させるスパイスになります。勉強は確かに大変ですが、ここには子供を連れて留学、出産を控えて通学しているパワフルな女性たちもいます。」

信頼され、誇れるLIXILグループへの挑戦

LIXILグループには約7万5,000人の従業員がいます。以前から、自らの強みを活かしながらしなやかに育ってきた人材もいれば、LIXILをダイナミックに動かしている経営陣に少しでも近づきたいと海外で研鑽し、新しいチャンスに夢を描く社員も育ちつつあります。さらに、変革を進めるLIXILで力を発揮したいと転職してくる新しい仲間もいれば、大学を卒業し、フレッシュな気持ちでLIXILの扉をたたく新人も入ってきます。LIXILの人材はこれからさらに厚みを増し、より強く創造的な組織となっていきます。

そして一日も早く世界のどこでも「あ、LIXILね」と親しみを持って言ってもらえる会社になるために、私たちは変革を進めています。

【添付資料】株式会社LIXILにおけるダイバーシティ推進関連データ

※集計範囲は、株式会社LIXILを原籍とする従業員

■従業員数2013年3月末現在

全従業員数 男性 女性
16,387名 12,554名 3,833名

■女性管理職の状況

女性役員数 2013年10月 2名  
女性部長職相当数 2012年 3月
2013年 3月
2013年10月
1名
5名
10名
 
女性管理職者数と
管理職にしめる女性比率
課長職相当以上
(上記部長職相当含む)
2012年 3月
2012年10月
2013年 3月
2013年10月
22名
44名
47名
76名
1.1%
2.0%
2.1%
3.3%

■採用の状況

新卒(学卒)採用数 合計 ( )内外国人 男性 ( )内外国人 女性( )内外国人 女性比率
2011年4月 167名( 1名) 147名( 1名) 20名( 0名) 12.0%
2012年4月 207名( 3名) 181名( 2名) 26名( 1名) 12.5%
2013年4月 237名( 5名) 191名( 4名) 46名( 1名) 19.4%
2014年4月予定  約280名( - 名) 約190名( - 名) 約90名( - 名) 30%以上
の見込み

■人材育成の状況 (2013年度)

リーダー育成研修プログラムの女性参加比率  
ELT エグゼクティブ・リーダーシップ・トレーニング(40代半ば〜) 15%
SLT シニア・リーダーシップ・トレーニング  (30代後半〜) 25%
JLT ジュニア・リーダーシップ・トレーニング (20代後半〜) 37%