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INAXライブミュージアム・LIXILギャラリー共同企画展
『タイルが伝える物語 −図像の謎解き』
Stories Told by Tiles – Understanding Icons
[会期] 2014年4月12日(土)〜8月26日(火)
[会場] INAXライブミュージアム「世界のタイル博物館」企画展示室

2014年03月18日

株式会社LIXILが運営する、土とやきものの魅力を伝える文化施設『INAXライブミュージアム』 (所在地:愛知県常滑市)では、世界25カ国の装飾タイルコレクションを展示する「世界のタイル博物館」において、 2014年4月12日(土)から8月26日(火)まで、LIXILギャラリーとの共同企画による展覧会『タイルが伝える物語 − 図像の謎解き』を開催します。

土を焼いて作られるタイルは人類の文明とともに発祥し、古来、様々な国と地域で建築を豊かに彩 ってきました。古くは古代メソポタミアの神殿の壁を円錐形のやきもので装飾し、エジプトのピラミッドでは、ファラオの 魂に捧げる空間の壁一面を、トルコ石の色をした美しいタイルで覆い、飾りました。

時代が進むと、かつて神聖な建築や空間を飾ったタイルは次第に人々の暮らしのなかで使わ れるようになり、壁や床を装飾するだけでなく、視覚的イメージを共有するためのメディアとしての機能を持ち始めます。いち 早くタイルの普及をみた17〜18世紀のオランダでは、聖書の一場面を描いたタイルを壁や暖炉に張り、それを子どもに見せなが ら、家庭で宗教教育を施しました。中国やイスラーム諸国では、教訓や理想を描いたタイルが数多く作られ、19世紀のイギリス では、豊かな暮らしを謳歌する人々が、当時獲得した新しい文化を思いおもいに発信するためのメディアとなるなど、人々の身 近にあるタイルがメッセージや物語を伝える役割を担うようになったのです。

本展では、「世界のタイル博物館」に収蔵する、紀元前から近代までの装飾タイルコレクション をひも解き、これまでにない「物語や教訓、信仰、文化を発信するメディア」という観点から選び出したタイル約70点を、描か れた物語やメッセージとともに紹介します。それらのタイルを通じ、国や地域によって異なる様々な生活文化をも読み取ること ができます。美しさや装飾性にとどまらない、タイルの奥深い魅力に触れる本展に、どうぞご期待ください。

*本展会期終了後は、LIXILギャラリーにて巡回展を開催いたします

19世紀オランダ:マンガン彩タイル/聖書の一場面

■開催概要

INAXライブミュージアム・LIXILギャラリー共同企画展
『タイルが伝える物語 −図像の謎解き』
Stories Told by Tiles -Understanding Icons

【会 期】
2014年4月12日(土)〜8月26日(火)
【会 場】
INAXライブミュージアム
「世界のタイル博物館」企画展示室
〒478-8586愛知県常滑市奥栄町1-130
TEL:0569-34-8282 FAX:0569-34-8283
【休館日】
第3水曜日(祝日の場合、翌日)
【観覧料】
共通入館料にて観覧可
(一般:600円、高・大学生:400円、小・中学生:200円)
【企 画】
INAXライブミュージアム企画委員会、
LIXILギャラリー
【展示デザイン】
株式会社ゼロファーストデザイン

西洋のタイルから
19世紀オランダ:藍彩聖書画面タイル

■展示概要(みどころ)

【西洋のタイルから】

「カインとアベル」、「ハガルの追放」など、お馴染みの聖書の物語を主題につくられた17〜18世紀オラ ンダのデルフトタイルや、ドイツのKPM(王立磁器製作所)ベルリン窯の高度な技術で制作された陶板など31点を展示。近代 イギリスでは、イソップ物語やシェイクスピアの戯曲といった物語、旅行ブームを反映し、観光地の風景など、新しい文化 に関する様々な事象が描かれたタイルが、私的な社交場の役割を担った家庭の暖炉まわりを飾った。

西洋のタイルから
19世紀イギリス:イソップ物語

【中国のタイルから】

儒教思想のもと、親孝行で歴史に名を残す24人の人物の説話集「二十四孝 」を刻んだ画像塼(がぞうせん)や、桃源郷を主題とした染付陶板、バーナード・リーチによる、漢代の画像石をモチーフにした 陶板など23点を展示。

中国のタイルから
10-13世紀中国:画像塼「二十四孝」

【イスラームのタイルから】

イスラーム教の戒律がゆるやかになると、人物を描いたタイルが登場し、 宮殿などの私的空間の壁を飾った。詩人ニザーミーが詠んだ長編ロマンス叙事詩「ホスローとシーリーン」や、美男の預言者 ユースフとエジプト高官の妻ズライハの恋を描いた「ユースフとズライハ」など、鮮やかな色彩で物語や人物を描いたタイル 15点を解説を交え展示。イスラームの生活文化を伺うことができる。

イスラームのタイルから
19世紀イラン:多彩群像文レリーフタイル「ユースフとズライハ」

■ 関連ワークショップ

「タイルに描かれた物語の朗読会」

タイルに描かれた物語と絵を紹介し、朗読を通じてその世界を体感いただきます。

(1)6月28日(土) 13:00〜14:00 「イソップ物語」他 <対象:子ども>

(2)7月12日(土) 13:00〜14:00 「ホスローとシーリーン」他 <対象:一般>

【会 場】
INAXライブミュージアム「世界のタイル博物館」 セミナールーム
【参加費】
無料(入館券の提示が必要)
【協 力】
常滑市立図書館
【予 約】
FAXかEメールにてお申し込みください。
「『物語の朗読会』(1)または(2)参加希望」と明記のうえ、
参加者の氏名、年齢、電話番号を記載ください。

■ 関連書籍 『タイルが伝える物語―図像の謎解き』 2014年4月12日発売予定

《図版構成》

オールカラー総22ページ、210×210mm、中綴じ
ポストカード2枚つき、定価 本体760円+税

《主な内容》

T 西洋の物語

対談 西洋のタイルが伝えた物語

・吉澤京子(跡見学園女子大学 教授)

・竹多格(INAXライブミュージアム 主任学芸員)

U 中国のタイル

解説:杉原たく哉(早稲田大学、放送大学兼任講師、東洋美術史家)

1)画像塼に見る親孝行物語「二十四孝」

2)絵付けを読み解く

3)バーナード・リーチの陶板

V イスラームの物語

解説:岡田恵美子(日本イラン文化交流協会会長、ペルシア文学者)

1)物語のシーンを描いたタイル

2)ペルシア神話の王のタイル

■ 巡回展(予定)

LIXILギャラリー(大阪会場) 会期:2014年9月4日(木)〜11月18日(火)(予定)

所在地:大阪市北区大深町4-20 グランフロント大阪南館 タワーA 12階

LIXILギャラリー 会期:未定

所在地:東京都中央区京橋3-6-18 東京建物京橋ビル LIXIL:GINZA 2F

http://www1.lixil.co.j p/gallery/