2014年07月02日
住まいと暮らしの総合住生活企業である株式会社LIXIL(本社:東京都千代田区、社長: 藤森義明)は、障がい者就労センター「LIXIL WING NIJI」を、本店ビル「LIXIL WING」敷地内 (江東区大島)に建設し、7月2日(水)に竣工しました。当施設は、だれもがいきいきと働くことができる職場環境づくりの一環として建設したもので、7月14日(月)より業務を開始します。
障がい者就労センター「LIXIL WING NIJI」外観
同センターは、当社の障がい者雇用におけるシンボルとして、LIXILグループが持つユニバーサルデザインとパッシブファーストの技術を多く取り入れ、働く社員の健康や快適性、環境負荷低減を追求、だれもが働きやすい近未来のオフィス空間をめざして建設しました。一級建築士川口とし子氏による設計は、「木造平屋の良さを活かした、Home仕様のみんなにやさしいOffice」をコンセプトに、上下移動のストレスが少なく、外部との親和性に富んだ温かみのある家庭のような雰囲気を実現しています。
建物の外観は、深い軒とレンガ調タイルの外壁により趣のある仕上がりとなっており、中庭にはシンボルツリーや水盤などを設置、オフィス内の休憩スペースも壁面緑化するなど、季節と自然を感じられる造りとなっています。水盤から発生した涼風が地窓から入り高窓に抜ける通風・創風設計です。また、屋根に搭載した太陽光発電による電力は全量自社利用するほか、天窓から差し込む自然光により、日中は照明の必要がないほどの明るさです。さらに、デジタルサイネージによる情報共有、高さを調節できる机、車椅子利用者のストレッチスペースなど、様々な障がいに対応できるよう配慮しています。
LIXILグループでは、2013年に「LIXIL Diversity宣言」を行いました。当施設もこのDiversityの考えに繋がっていくものであり、障がい者雇用の推進に取り組むとともに、一人ひとりの能力を最大限に引き出せる働き方を提案していきます。
今後は、企業や学校、自治体などの皆さまにも勤務風景を見学いただけるようご案内してまいります。
<参考資料>
日本の風土に最もあった木造工法に、上下の移動が少なく外部との親和性の高い平屋を採用。すべての人に優しいユニバーサルデザインを基本とし、一般の方や障がい者の方が働きやすい環境であることはもとより、そこで働く従業員の健康や快適性、環境負荷低減に寄与する取り組みを多く盛り込んだ施設となっています。
・ パッシブ設計
南側には1.5mの軒の出を設置。深い軒の出は夏の暑い日差しを コントロールするとともに、南側テラスには日差しを遮る格子を 配置し、快適なミッドテリアを演出します。
・ 通風・創風設計、断熱性能
地窓や高窓、天窓を設置し、通風・創風設計を採用。エネルギー
負荷をかけずに室内環境をコントロールします。また建物自体は
次世代省エネ基準をクリアする断熱性能を確保しています。
そのほか、雨水を利用して水を流すことで真夏でも涼しい風を室内
に運ぶ水盤も設置しています。
・ 太陽光発電
屋根上に太陽光発電10kWを搭載。環境負荷低減に寄与します。
発電した電力は全量自社利用を想定しています。
・ 中庭・緑化
中庭に緑化を施し、気分転換にも効果的なテラスとして活用。
南側は軒の出を大きく取ることで日差しをコントロール。
・ 蓄光建材
スロープや水盤に蓄光タイルを用いて、エネルギーを使用しない照明として活用します。
LIXILグループが考えるユニバーサルデザインは、子どもからお年寄りまで、一人ひとりが豊かで快適な住生活を送るために、様々な視点からのアイデアを取り入れた製品やサービスを作り出し、提供しています。施設を使用するみんなに優しいバリアフリー設計で、安全・安心・快適な作業環境を実現します。
・ フラットなクロス動線と従業員の健康に配慮したスペース設計
エントランスホールを中心に、オフィススペース、休憩スペース、
エントランス、中庭を十字型に配置した動線設計。作業をしやす
くするため、視角が広く見通しがよくなるよう設計されています。
またクリーンエントランス(手洗い)を抜けてオフィススペース
に行く動線のため、手洗いの習慣を取り入れ、従業員の健康維持
に努めます。さらに休憩スペースの一角には車いす利用者のスト
レッチ用にマットを敷いたスペースを用意しています。
・ エネルギーを効率的かつ有効活用する取り組み
ペレットストーブや、輻射冷暖房システムなどのECO設備を 活用し、省CO2を実現しながら、快適な温度・空気環境を実現 します。また、LIXILの調湿タイル「エコカラット」を使用 することで、快適な湿度コントロールを行います。
・ 温かみのあるオフィススペース
木造平屋建てのオフィスはそれだけで温かみのある家庭のよう
な雰囲気のオフィススペースとなっています。中庭や壁面緑化
による緑の効果や、ペレットストーブの炎、勾配天井による
解放感などにより、室内に癒しの空間を演出します。
また南側のテラスや天窓で自然の光を活用することにより、
昼間は照明も必要ないほどの明るさを確保しています。
川口 とし子氏 (かわぐち・としこ)
(有)アーキスタジオ川口一級建築士事務所代表取締役、長岡造形
大学教授、建築家(一級建築士)、日本建築学会会員、日本建
築家協会会員・登録建築家。
代表作/新開町集会所、かじまちの家、HACITEN他。
TV番組にも多数出演。