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INAXライブミュージアム企画展
雨と生きる住まい −
環境を調節する日本の知恵
A House for Living with Rain-
Japanese Wisdom : Creating a Favorable House Environment
[会期]2014年11月1日(土)〜2015年3月22日(日)
[会場]INAXライブミュージアム「土・どろんこ館」企画展示室

2014年10月15日

株式会社LIXILが運営する、土とやきものの魅力を伝える文化施設『INAXライブミュージアム』(所在地:愛知県常滑市)では、「土・どろんこ館」企画展示室において、2014年11月1日(土)から2015年3月22日(日)まで、企画展「雨と生きる住まい ―環境を調節する日本の知恵」を開催します。

「長雨」「多雨」「霧雨」「こぬか雨」など、日本語には雨の降り方を表す言葉が豊富にあります。日本画や浮世絵にも、透明な水滴で捉えにくい「雨」を見事に表現した作品が数多くあり、雨に対する日本人の親しみや慈しみが感じられます。降水量の多い日本列島では、人びとは雨を意識し、言葉や絵画で繊細に表現し、雨とうまく付き合いながらそれを楽しむ術を体得してきたことがうかがえます。

雨の多い気候で快適に暮らすため、古来、日本の住まいには雨や湿気と共存する様々な知恵と工夫が施されてきました。茅葺(かやぶき)や瓦葺(かわらぶき)の屋根には、雨を流れやすくするための傾斜をつけ、庇(ひさし)や縁側(えんがわ)、雨戸の発達は、雨の侵入から住まいを守るための工夫に他なりません。土壁には「したみ」と呼ばれる覆いをつけ、雨や湿気から壁を保護する工夫も施されています。このように「雨」が形作った日本の伝統的な住まいは、今では日本の原風景となっています。

本展では、絵画や言葉の表現を通して日本人の雨への慈しみを見ていくと共に、一万年以上に及ぶ住まいの歴史から、雨と上手に付き合ってきた日本家屋の知恵と工夫を考察します。メインとなる展示では、日本家屋の茅葺や瓦葺屋根の一部を実物大で再現し、実際に雨を降らせ、雨仕舞の知恵や工夫を間近に観ていただけます。

■開催概要

INAXライブミュージアム企画展
「雨と生きる住まい −環境を調節する日本の知恵」
A House for Living with Rain −
Japanese Wisdom : Creating a Favorable House Environment

【会 期】
2014年11月1日(土)〜2015年3月22日(日)
【会 場】
INAXライブミュージアム
「土・どろんこ館」企画展示室
〒479-8586 愛知県常滑市奥栄町1-130
TEL: 0569-34-8282  FAX:0569-34-8283
【休館日】
第3水曜日(祝日の場合、翌日)、
年末年始(12月26日へ1月4日)
【観覧料】
共通入館料にて観覧可
(一般:600円、高・大学生:400円、小・中学生:200円)
【企 画】
INAXライブミュージアム企画委員会
【協 力】
安藤邦廣、里山建築研究所、高浜市やきものの里
かわら美術館、美山茅葺株式会社
【展示デザイン】
西本剛己(ARTLAB+)

■展示概要

・ 茅葺、瓦葺の日本家屋の一部を実物大で再現、
展示の施工風景を映像で紹介

・ 土壁を保護する工夫 ・したみ
―「杉皮」「菰掛(こもがけ)」「杉板」を再現

・ 檜皮葺(ひわだぶき)・杮葺(こけらぶき)に用いられる
材料の展示と解説

・ 「雨」と万葉集に詠われた地形のパネル解説

・ 日本絵画における描かれた雨と見えない雨、パネル解説

伊藤家住宅[川崎市立日本民家園]

歌川広重 東海道五拾三次之内 庄野 白雨
1833-34年、錦絵                

檜皮葺屋根

茅葺(真葺)の作業風景

本瓦葺屋根

杉板のしたみ

■関連企画

オープニングセミナー&内覧会

建築家 安藤邦廣氏と檜皮葺師・柿葺師 原田多加司氏を招いてのセミナーと本展の内覧を行います。

【日時】2014年10月31日(金) 16:00〜18:00
【会場】INAXライブミュージアム「土・どろんこ館」
【定員】30名、予約制、共通入館券の提示にて参加いただけます。

■関連書籍 「雨と生きる住まい −環境を調節する日本の知恵」

2014年11月1日発売予定
天地:257mm×左右182mm/オールカラー総64ページ/無線綴じ
定価:1,500円(税別) 発行:LIXIL出版

【図版構成】

□日本家屋、雨と多湿を凌ぐ知恵----------------------------- 安藤 邦廣
*雨露を凌ぐ
*「雨」を流すための屋根
*床が持ち上げられた家
*屋根に風を通す
*雨を遠ざける
*家の合羽
*左右に動く、開放するための戸
*いつでも葺き替えられる屋根
*浸透させながら流す
*近代から現代、そしてこれから
□檜皮葺・杮葺 ---------------------------------------------- 原田 多加司
*屋根の形の特徴
*葺き方に見える雨仕舞の知恵
*雨からみた代表作
□瓦葺------------------------------------------------------ 金子 智
*瓦の始まり
*日本の瓦の種類としくみ
*雨という視点から瓦を見る
□「雨」と土地の生態文化-------------------------------------- 齊木 崇人
*万葉集に歌われた地形・治世に関する言葉
□描かれた雨と見えない雨------------------------------------- 安村 敏信
*日本絵画における「雨」の描かれ方

■INAXライブミュージアム(LIXILグループ)概要

世界のタイル博物館」「窯のある広場・資料館」「建築陶器のはじまり館」(2012年4月新設)「土・どろんこ館」「陶楽工房」「ものづくり工房」の6館で構成された“体験・体感型ミュージアム”。土からやきものまで、その歴史や文化、美しさや楽しさを伝えています。土と陶の魅力に触れる体験教室や企画展、ワークショップも開催。

所在地:愛知県常滑市奥栄町1−130
TEL:0569-34-8282
休館日:毎月第3水曜日、年末年始
共通入館料:一般600円、高・学生400円、小中学生200円
ホームページ: http://www1.lixil.co.jp/ilm/
Facebook: https://www.facebook.com/LIXIL.culture