ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

【ニュースレター】LIXILは、「JR女川駅」と「女川温泉ゆぽっぽ」の復興再建プロジェクトに賛同し、
温浴施設のタイル壁画を制作する「タイルアートプロジェクト」に協力しています
〜アートディレクターとして参画する千住博氏・水戸岡鋭治氏とともに、タイル壁画の制作をサポートします〜

2014年08月21日

住まいと暮らしの総合住生活企業である株式会社LIXIL(本社:東京都千代田区、社長: 藤森義明)は、東日本大震災の津波で全壊したJR石巻線の終着駅である「JR女川駅」と女川町温泉温浴施設「女川温泉ゆぽっぽ」の復興再建プロジェクトに賛同し、温浴施設の内部を彩るタイル壁画を公募参加型で制作する「女川温泉ゆぽっぽ タイルアートプロジェクト」に協力しています。

現在、宮城県女川町では、町の復興を支援する世界的建築家の坂茂(ばんしげる)氏が設計した新しい女川駅と女川温泉ゆぽっぽの合築施設の建設工事が、平成27年春の開業を目指して進められています。ゆぽっぽのタイル壁画の制作には、坂氏の呼びかけに賛同した日本画家の千住博氏と、デザイナー・イラストレーターの水戸岡鋭治氏の2人がアートディレクターとして参画し、アートの持つ創造性や想像力を地域コミュニティーの再生や地域活性化の一助とすべく制作にあたっています。浴室には千住氏が原画を手掛ける作品が、休憩所には全国から応募があった「花」をテーマとしたイラスト約900点が千住氏の描いた木の絵と融合し一つの大きなタイル画作品となって飾られます。

タイルの制作はLIXILものづくり工房(愛知県常滑市)が担当し、本年8月より、1枚1枚の「絵」を高温転写技術でタイルに焼き付ける作業がスタートしています。「やきもの」ならではの耐久性と、長期間色あせない記録性を実現し、一人ひとりの「復興への願い」を未来に伝えるお手伝いをします。

「女川温泉ゆぽっぽ」(JR女川駅との合築)の完成イメージ(写真左)と、施設内タイルアートイメージ(同右)

坂氏のデザインによる延べ床面積約900uとなる合築施設は、ウミネコが羽ばたく姿をイメージした、曲線を描く大きな屋根が特徴的な施設となります。2階には、震災前よりJR女川駅に隣接し地域の憩いの場として町民に親しまれていた町営の温浴施設「女川温泉ゆぽっぽ」を再建、さらに3階には展望フロアが設けられ、海へと続くプロムナードや商業施設と併せて、町の新しいシンボルの役割を担います。

LIXILは、住まいと暮らしの総合住生活企業として、これまでも東日本大震災復興支援プロジェクトに協力するなど、商材の提供をはじめ、さまざまな形で東北の復興支援に努めてきました。今後も、被災地域への継続した支援活動を通じ、引き続き東北を応援するとともに、被災地の1日も早い復興のために貢献していきます。

■LIXILものづくり工房とは

やきものの街「常滑」で、90年以上にわたり培ってきたやきものづくりの技と心を現代へと受け継ぎ、さらなる未来のやきものづくりを模索する工房です。過去の優れた建築物に用いられたタイルやテラコッタを復原・再生する取り組みや、建築家・アーティストとの交流を通じて、新しいやきもの表現を生み出し続けています。

<参考資料>

■「女川温泉ゆぽっぽ」内タイル画イメージ

温浴施設「女川温泉ゆぽっぽ」では、浴室に千住氏が原画を手掛ける作品が飾られるほか、休憩所には「花」をテーマに公募したイラスト約900点が一つの大きなタイル画作品となって設置されます。女川町の復興のシンボルとして建設される施設の一部となり、新しく生まれ変わる女川の風景を今後何年にもわたり見守り続けていくこととなります。

■制作スケジュール(予定)

5月末〜6月末 町民へのデザイン募集
7月 デザイン決定
8〜10月 タイル制作(高温転写によりタイルへ焼き付け)
※制作場所:LIXILものづくり工房(愛知県常滑市)
11〜12月 現地にて施工

※合築施設は、2015年2月末頃に竣工予定

■LIXILものづくり工房

名  称: 技術研究本部 研究戦略企画部 ものづくり工房
所在地: 愛知県常滑市奥栄町1-130 「INAXライブミュージアム」内

これまでの関与事例:

【復原】
  • 東京駅駅舎タイル復原<2012年>
  • サン・フランチェスコ教会(イタリア、ミラノ)外壁タイル復原<2008年>
  • 19世紀イギリスのヴィクトリアンタイル復原
  • 岡本太郎モザイクタイル壁画「ダンス」復原<2011年>
【コラボレーション】
 
  • 大竹伸朗「直島銭湯 I ♥ 湯」タイル制作<2009年>
  • JAXAとのコレボレーションによる、フォトタイル制作<2011年>

■プロフィール

撮影:山口和也

千住 博(せんじゅ ひろし)氏:
日本画家

京都造形芸術大学教授。京都造形芸術大学・東北芸術工科大学「藝術学舎」学舎長、同「千住博 ザ・スーパー・アートスクール」校長。軽井沢千住博美術館名誉館長。
1958年東京都生まれ。1987年東京藝術大学大学院博士課程修了。1995年第46回ヴェネツィアビエンナーレ(イタリア)にて名誉賞受賞。2005年ミラノサローネ(イタリア)。2006年第6回光州ビエンナーレ(韓国)。2011年第5回成都ビエンナーレ(中国)。2010年、2013年瀬戸内国際芸術祭。2013年オペラ「KAMIKAZE」、2014年オペラ「夕鶴」の舞台美術を担当。
現在までに世界各地で個展、グループ展多数。日本画、版画、壁画、デザインなどの絵画制作にとどまらず、文筆活動や教育にも携わる。

撮影:筒井義昭

水戸岡 鋭治(みとおか えいじ)氏:
デザイナー/イラストレーター

1972年にドーンデザイン研究所を設立。建築・鉄道車両・グラフィック・プロダクトなど様々なジャンルのデザインを手がける。なかでもJR九州の九州の駅舎・車両のデザインではブルネル賞、ブルーリボン賞、日本鉄道賞、毎日デザイン賞、菊池寛賞、交通文化賞など受賞多数。近年の主なデザイン作品にクルーズトレイン「ななつ星in九州」、九州新幹線800系、787系をはじめとしたJR九州の特急車両やD&S(デザイン&ストーリー)列車、博多駅ビル「博多シティ」、JR西日本「大阪ステーションシティ」、薩摩川内市の「高速船甑島」「川内港ターミナル」、北近畿タンゴ鉄道「丹後くろまつ号・丹後あかまつ号・丹後あおまつ号」、肥薩おれんじ鉄道の「おれんじ食堂」「阿久根駅」、岡山電気軌道の路面電車「MOMO」、和歌山電鐵 の「たま電車」「たま駅舎」などがある。

坂 茂(ばん しげる)氏:
建築家、京都造形芸術大学芸術学部環境デザイン学科教授

1957年東京生まれ。クーパー・ユニオン建築学部を卒業。82年、磯崎新アトリエに勤務。85年、坂茂建築設計を設立。95年から国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)コンサルタント、同時に災害支援活動団体 ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)設立。主な作品に「カーテンウォールの家」、「ハノーバー国際博覧会日本館」、「ニコラス・G・ハイエック・センター」、「ポンピドー・センター・メス」などがある。これまでに、フランス建築アカデミー ゴールドメダル(2004)、アーノルド・W・ブルーナー記念賞建築部門世界建築賞(2005)、日本建築学会賞作品部門(2009)、ミュンヘン工科大学 名誉博士号(2009)、フランス国家功労勲章(2010)、フランス芸術文化勲章(2011)、オーギュスト・ペレ賞(2011)、芸術選奨文化部科学大臣賞(2012)、プリツカー賞(2014)など、数々の賞を受賞。2001年から2008年まで、慶応義塾大学環境情報学部教授。ハーバード大学GSD客員教授、コーネル大学客員教授(2010)を務め2011年10月より京都造形芸術大学教授に着任。