2015年05月20日
住まいと暮らしの総合住生活企業である株式会社LIXIL(本社:東京都千代田区、社長:藤森義明)では、LIXILのフロント製品を使用した店舗ファサードの意匠・施工技術を競う「LIXILフロントコンテスト2014」において、全国の設計事務所様、建設会社様、販売店様、加工店様からの応募総数1,237点の作品から、優秀作品13点を選出し、グランプリを「桑島保育所」(徳島県鳴門市)に決定しました。
「桑島保育所」は、建築の内側に楕円形の開口を設ける斬新なデザインと、カーブレールの施工技術の高さが審査員を驚かせ、明快な設計意図とそれを支える施工技術が融合した作品として高い評価を得てグランプリ受賞にいたりました。
▲グランプリ受賞作品 「桑島保育所」(徳島県鳴門市)
審査では、加工・施工技術、デザイン性、建物全体との調和等を審査基準とし、グランプリのほか、「小規模施設部門」、「大規模・複合施設部門」、「リフォーム・住宅・応用部門」各部門の金賞(3点)、銀賞(3点)、銅賞(5点)を決定しました。また、審査委員長特別賞に1点を、加工技術の優れた加工店様に贈られるLIXIL特別賞(優秀加工技術賞)に19社を選出しました。
<審査委員長 柘植喜治(つげ きはる)氏による総評>
LIXILフロントコンテストにリフォーム部門が新設されて3年が経過、時代は確実に変わり、新規建設から既存建築のリユース、コンバージョン、減築などあらたなデザイン手法に価値を見出す時代になった。こうしたストック活用の社会に合致するように2014年度は1,237点の応募点数があるなか、リフォーム部門の応募が増えてきている。本コンテストではこうした傾向の中で 特にフロントの可能性を示唆するデザインの先進性、新規性を重視して審査にあたった。今後フロント材がこうした既存ストックの利活用や複合多機能商品などの時代の先端的な考え方を取り入れて、デザインを更に進化させることを望みたい。
<審査員評価ポイント>
建築の内側に円形の開口を設ける斬新なデザインを高く評価した。カーブレールを使ったフロント材の処理は高密度な日本の都市に於いて、建築の内部空間と外部空間を繋ぐ開口部の概念を超えた あらたな空間操作を創造した。床と面一のサッシの納まりや引き戸のデザインは美しい。またカーブレールの施工技術の高さは審査員を驚かせた。明快な設計意図とそれを支える施工技術が見事に融合した作品として高く評価できる。
<審査員評価ポイント>
日本ではあまり見かけないが、高層ビルの最上階にあるペントハウスは軽い構造の所謂アディション建築ではあるが価値のある空間をつくるだけでなく、建築全体の不動産価値も増大させる。日本はこれまで長寿命建築をよしとするが故にこうした建築はあまり評価されなかったが、最近はその評価が変わりはじめた。不動産的視点から経済性やビジネスプランに応じた多様な寿命の構造物が求められる中、軽い建築が見直されている。この作品のデザイン、ガラス付け合せ、縦枠をほとんど意識させない横長の突き合わせガラスなど特にフロント材の使い方が評価できる。
<審査員評価ポイント>
宙に浮くリチャード・ノイトラを彷彿とさせるデザインを大規模建築に応用したこの作品はデザインの新しさを感じさせる。こうした作品が台頭するのは過去の歴史を再評価する時代なのかもしれない。建築の開口部をつくるという視点で見るとこうしたミッドセンチュリーリバイバルとも言えるデザインはフロントのデザインとして興味深い。この作品はそうした可能性を再発見させる作品として評価した。
<審査員評価ポイント>
スクラップ&ビルドの新規物件が主な需要だった建築業界が変わり、あるものを永く使い続ける、あるいは更新していく既存ストックの利活用の時代になり、建材のニーズも変化するなかフロント材の可能性が増している。この作品はルーバードア、枠と壁面、門、横格子、など新たなフロント材の可能性を示唆する作品である。特に金物のジョイント部分の決めの細かなディティールにも配慮しているデザインが評価できる。
<審査員評価ポイント>
昨年グランプリを受賞したマチハコであるが、本年度はより完成度が上がり、仮設的構造物以上に都市建築の可能性を示唆する作品となった。審査ではこうしたことを検討した結果、本年度再度贈賞することとした。仮設構造物や暫定的土地利用を促すマチハコはデザインの美しさのみならずビジネスプランや施工の工期や予算など都市のデザインに大きな可能性を引き出した点を再度評価するものである。
≪添付資料≫
1.応募資格
当社のフロント製品をお取り扱いの設計事務所様、建設会社様、販売店様、フロント加工店様。
2.応募対象物件
2013年10月1日から2014年8月31日までに、当社のフロント製品を使用した施工物件で、建物全体が完成し、お施主様への引き渡しが完了しているもの。
3.応募期間
2014年6月1日(日)〜8月31日(日)
4.募集対象部門
部門 | 対象物件例 |
小規模施設 | クリーニング店、コーヒーショップ、小型飲食店、生花店 |
大規模・複合施設 | デパート、スーパー、パチンコ店、カーディーラー、レストラン、大型公共施設 |
リフォーム・住宅・応用 | 住宅使用、リフォーム物件、応用作品 |
5.審査委員
審査委員長 | : | 柘植 喜治(つげ きはる)氏:空間プロデューサー、千葉大学大学院教授 |
審査委員 | : | 永井 朔(ながい はじめ)氏:デザイナー、公益社団法人 商業施設技術連合会 副会長 |
6.審査方法
加工・施工技術、デザイン性・建物全体との調和を中心に総合的に審査。
7.結果発表
応募期間終了後、厳正なる審査の結果、2015年1月上旬に入選者へ直接ご連絡いたしました。
8.賞
グランプリ | : | 全部門より1点 賞金各10万円(設計事務所様、建設会社様、販売店様、加工店様、代理店様) |
金賞 | : | 各部門より1点 賞金各7万円(設計事務所様、建設会社様、販売店様、加工店様、代理店様) |
銀賞 | : | 各部門より1点 賞金各5万円(設計事務所様、建設会社様、販売店様、加工店様、代理店様) |
銅賞 | : | 各部門より1点 賞金各3万円(設計事務所様、建設会社様、販売店様、加工店様、代理店様) |
審査委員長特別賞 : 賞金3万円
LIXIL特別賞(優秀加工技術賞) : 賞金各3万円