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巡回企画展のご案内|大阪会場|

2015年08月11日

マカオのアズレージョ
〜ポルトガル生まれのタイルと石畳〜

Macau's Azulejos-- Ceramic Tiles and Stone Pavement Originating in Portugal

会期:2015年9月4日(金)〜11月17日(火)
会場:LIXILギャラリー (大阪会場)

   写真1: ポルトガル語学校のアズレージョと、カルサーダスで舗装された歩道     撮影:益永研司

「建築とデザインとその周辺」をめぐり、独自の視点でテーマを発掘するLIXILギャラリー(大阪会場)では、2015年9月4日(金)〜11月17日(火)の期間、INAXライブミュージアムとの共同企画による展覧会「マカオのアズレージョ〜ポルトガル生まれのタイルと石畳」を開催します。

│開催概要│

「マカオのアズレージョ〜ポルトガル生まれのタイルと石畳」
Macau's Azulejos-- Ceramic Tiles and Stone Pavement Originating

会 期
2015年9月4日(金)〜11月17日(火)
開館時間
10:00AM〜5:00PM
休館日
水曜日(9/23は開館)
会 場
LIXILギャラリー(大阪会場)
大阪市北区大深町4-20 グランフロント大阪南館タワーA 12階
入場料
無料
企 画
INAXライブミュージアム企画委員会、LIXILギャラリー
制 作
株式会社LIXIL
展示デザイン
株式会社ゼロファーストデザイン

│展覧会の見どころ│

マカオは、面積およそ30平方km、東京の山手線内ほどの広さに60万人が住む中国の特別行政区で、世界遺産の街として知られています。年間3,000万人が訪れる人気の観光地、エンターテインメント・リゾート地として変貌を遂げつつある中、マカオでは、2049年の中国への完全返還を前に、大航海時代に遡るポルトガル由来の文化を、古き良き中国の街並みと共に再生する街づくりが進んでいます。その象徴的な存在が、ポルトガルからもたらされた「アズレージョ」※1というタイルと、「カルサーダス」※2という石畳です。街角で見る異国情緒は、旧ポルトガル植民地、マカオの歴史と遺伝子を示すこれらのディテールによって育まれています。
本展では、現地取材を行い撮影した最新の写真や映像を通して、ポルトガルと中国とが交じり合うマカオ独特の文化や街の表情を紹介します。また、「世界のタイル博物館」※3のコレクションから7組のアズレージョを展示し、おおらかで豊かな装飾タイルの魅力を鑑賞いただきます。

1 アズレージョ:ポルトガルで16世紀頃から作られている装飾タイル。白地に青色単彩の ほか多彩色で装飾文様や具象的な図柄が描かれる。
2 カルサーダス:ポルトガルのリスボンで19世紀より広まった路面舗装。主に5平方cm 程度に切った白と黒の石灰岩を用いて道路や広場にはめこみ、波型や幾何学文様、動物、文字などを表現する。マカオではセナド広場、カテドラル広場などの観光名所に多く見られる。
3 愛知県常滑市で株式会社LIXILが運営する文化施設。紀元前から近代までのタイルコレクションの中から約1000点を常設展示し、タイルの魅力と発展の歴史を紹介する。

写真2

写真3

写真4

●主な展示

<アズレージョのデザイン>

アズレージョの装飾が見事な「民政総署」は、16世紀の建物を利用して建て替えと拡張、修復を繰り返して2002年に設立されました。
室内の色鮮やかなアズレージョは古典的な図案をもとにしたポルトガル産。一方、庭園内に以前の姿を記録したプレートがあり、こちらは中国産です。
文化的要素が富むリゾートホテル「ポウサダ・デ・サンチャゴ」も、アズレージョが多く使用されています。ここは1629年に設立されたポルトガル軍の要塞を入口として活用し、そこに巨大なアズレージョのパネルが掲げられている他、柱やカット技術を用いた「ファティマの聖母」など見所が多い建物です。会場では、この二か所を大きく取り上げ、鮮やかなアズレージョの数々を写真でご覧いただけます。

<カルサーダスのデザイン>

石畳のことをポルトガル語でカルサーダスと言います。石畳の歴史は古代ローマ帝国時代に遡り、領地であったヨーロッパ各地に発達した道路舗装の方法でした。しかし近年は車社会の到来で石畳の範囲は狭まり、広場や路地に残る程度となり、ポルトガルでは19世紀になって再整備されました。マカオもポルトガル同様に模様の輪郭が角張らないよう細かくカットされ、輪郭の滑らかな表現にこだわりが感じられます。
カルサーダスで装飾された広場や路地の雰囲気を、写真等で会場に再現、足元に広がる迫力を体感していただけます。

<実資料>

「世界のタイル博物館」コレクションより、17〜19世紀にポルトガルで制作されたアズレージョの実物7組を展示します。伝統的な青色の絵付けタイルだけでなく、多彩色のタイルの色合いや、模様の美しさなどを間近でご覧いただけます。

【写真キャプション・クレジット】

写真2:
民政総署の室内。春節飾りで装飾されている。
写真3:
聖フランシスコ公園。方角を示したカルサーダスで、
「南」の反対側には「N」の文字が描かれている。
写真4:
18世紀にポルトガルで制作されたアズレージョ。

写真2、3撮影:益永研司
写真4収蔵:世界のタイル博物館

│関連企画のご案内│

〔対談〕 ポルトガルの街並みを巡る〜マカオのアズレージョの源流を辿って

日 時
2015年10月24日(土)14:00〜15:30
講 師
深越 純江(アズレージョPICO代表)
竹多 格(INAXライブミュージアム主任学芸員)
会 場
LIXILショールーム大阪 セミナールーム
大阪市北区大深町4-20 グランフロント大阪南館タワーA 11階
費 用
無料 *要予約、定員70名
予約方法
電話もしくはホームページから
内 容
マカオのアズレージョとカルサーダスが生まれた本場・ポルトガルではどのように装飾タイルが使われているのでしょうか。深越氏は、大学時代にポルトガルへ留学した際、街中に貼られたアズレージョの美しさや装飾性に感激したと言います。以来その魅力を日本に伝えるべくアズレージョの輸入・販売「アズレージョPICO」を立ち上げました。今回は、深越氏にアズレージョやカルサーダスで彩られたポルトガルの街並みや、工房の様子などからポルトガルのタイル文化を豊富な写真とともに語っていただき、かつINAXライブミュージアムの竹多がアズレージョの系譜や歴史などの解説を加えてポルトガルからマカオに伝わるタイル文化を堪能していただきます。

│関連冊子 Tile Folioのご案内│

『マカオのアズレーショ ポルトガル生まれのタイルと石畳』

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