2015年10月09日
株式会社LIXILが運営する、土とやきものの魅力を伝える文化施設「INAXライブミュージアム」(所在地:愛知県常滑市)では、世界25カ国の装飾タイルコレクションを展示する企画展『I LOVE タイル−タイルがつなぐ街かど』を「世界のタイル博物館」企画展示室において、2015年10月10日(土)から2016年3月20日(日)まで、開催します。
タバコ屋(兵庫県赤穂市内)撮影/岡崎紀子
昭和30〜40年代の高度経済成長期には、銭湯や美容院、喫茶店やタバコ屋など、タイルをふんだんに使った建物を街のあちこちで見ることができました。耐水性や清掃性に優れているタイルは、銭湯など水を扱う場所の壁や床の仕上げに欠かせませんでした。また、その豊かな装飾性から店の外装にも積極的に用いられ、美容院や喫茶店、映画館などではお洒落な雰囲気を演出するなど、オーナーの趣味やお店の個性を表現する素材として愛されました。特に、ガラスのショーケースの下にタイルを張った昭和のタバコ屋は、人々の記憶に鮮明に残る街の景観をつくってきました。最近では、そういった建物も現代的な建物に建て替えられて姿を消しつつあります。
本企画展では、そんな街の中で育ち、会社員のかたわら全国各地の街を巡って、街にひっそりと残る表情豊かでどこか懐かしい建物やタイルを撮影する岡崎紀子※さんの写真作品を起点に、当時のタイル装飾の魅力に迫ります。タイル好き、建築好きの岡崎さんが、歩く速度と愛しみのこもった視線でとらえた写真の中から選りすぐりのカットを紹介するとともに、そこに息づくタイルの実物や見本帳などを展示します。昭和の街かどに迷いこんだような、温かいタイルのある風景を楽しみながら、タイルの色あせない魅力と街歩きの楽しさに出会える企画展です。
※岡崎紀子(おかざき みちこ)
まちかどの近代建築写真展実行委員会。岡山県出身。会社員のかたわら日本中の近代建築を訪ね、撮影した写真を保存している。
INAXライブミュージアム企画展
「I LOVEタイル −タイルがつなぐ街かど」
I love tiles - Let's walk around Japan and see its lovely tiles!
文字文硬質陶器タイル
各15cm×15cm
・再現展示(写真)
タバコ屋の店先(幅1.4m×高さ2.4m)、美容院の店先(幅3.3m×高さ2.4m)
・タイルを使用した店舗の写真、モザイクタイルのパターンや和製マジョリカタイル(硬質陶器タイル)、
瀬戸本業染付敷瓦の施工事例の写真
・「世界のタイル博物館」コレクションから
― モザイクタイル、外装タイルなどの見本帳 数点
― 和製ヴィクトリアンタイル 数点
― 文字タイル(「禁煙」「たばこ」)
― 瀬戸本業染付敷瓦 数点
― 九谷焼タイル絵
ほか
風呂屋(東京都文京区)撮影/岡崎紀子
瀬戸本業染付敷瓦
18.2cm×18.3cm
草花文硬質陶器タイル
15.3cm×15.3cm
文字文硬質陶器タイル
15.2cm×15.2cm
<タイル街歩き その1 京都>
建築探偵エンマンジ先生と歩く京都の近代建築・タイル篇
<タイル街歩き その2 常滑>
常滑・タイルの聖地でタイル三昧
理容店(広島県呉市)
撮影 岡崎紀子
2014年10月10日発売
【目 次】
街かどのタイルに耳を澄ませて〜MAP INDEX
美容院と理容院〜タイルをまとったお洒落の発信地
銭湯、風呂屋〜湯船から眺めるタイル絵ばかりじゃありません
映画館、喫茶店・帽子屋・写真館など〜「一国一城」の誇りと個性を表現
タイル文字〜工夫をこらした名作たち
コラム1:タイルホコラ考 −−−−−−−−−中村裕太
マジョリカタイル〜憧れのヨーロッパの香り
本業タイル〜舶来の誤解も無理からぬ高貴さ
コラム2:津波に耐えたタイルの館〜宮城・石巻「陶芸丸寿かんけい丸」 −−−−−−−−−津村泰範
タバコ屋〜街かどの特等席のモザイクタイル
■INAXライブミュージアム(LIXILグループ)概要
「世界のタイル博物館」「窯のある広場・資料館」「建築陶器のはじまり館」(2012年4月新設)「土・どろんこ館」「陶楽工房」「ものづくり工房」の6館で構成された“体験・体感型ミュージアム”。土からやきものまで、その歴史や文化、美しさや楽しさを伝えています。土と陶の魅力に触れる体験教室や企画展、ワークショップも開催。
所在地:愛知県常滑市奥栄町1‐130
TEL:0569-34-8282
休館日:毎月第3水曜日、年末年始
共通入館料:一般600円、高・学生400円、小中学生200円
ホームページ: http://www1.lixil.co.jp/ilm/
LIXIL文化活動Facebook: https://www.facebook.com/LIXIL.culture/