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INAXライブミュージアム企画展
『素掘りのトンネル マブ・二五穴 −人間サイズの土の空間』
Unlined Tunnels “Mabu” and “Nigo-ana” -Man-sized Earthen Spaces
【会期】2015年10月31日(土)〜2016年3月27日(日)
【会場】INAXライブミュージアム「土・どろんこ館」 企画展示室

2015年10月27日

株式会社LIXILが運営する、土とやきものの魅力を伝える文化施設「INAXライブミュージアム」(所在地:愛知県常滑市)では、土の魅力を体感できる「土・どろんこ館」企画展示室において、2015年10月31日(土)から2016年3月27日(日)まで、企画展『素掘りのトンネル マブ・二五穴 −人間サイズの土の空間』を開催します。

千葉県君津市の「二五穴」 写真:中里和人

江戸時代から明治、大正、昭和初期にかけ人力で掘られたトンネルが、中越地方(新潟県)や房総半島(千葉県)に数多く残されています。その多くは、新たな水田を開くために、水路を引いたり、川の流れを変えたりする目的でつくられたもので、中越地方では「マブ」、房総半島では「二五穴(にごあな)」とも呼ばれてきました。幅は両手を広げるより小さく、高さは背伸びをすると届きそうな空間で、人と水を通すのに必要な最低限の大きさで掘られています。これらの地域の適度に柔らかく、崩れにくい地層が、人力でトンネルを掘ることを可能にしたと言われます。

新潟県十日町市白小倉の「マブ」
写真:中里和人

本展では、写真家・中里和人(なかざと かつひと)氏が撮影した「マブ」「二五穴」の写真36点を展示するほか、実物大で素掘りのトンネルを再現し、そのやわらかな空間を体感いただきます。また、地形の特徴や農業の歴史、さらに江戸時代最高の掘削技術といわれた「佐渡金銀山」の坑内の様子を描いた絵巻をパネル展示で紹介しながら、人の手でトンネルが掘られた背景やその方法をみていきます。さらに、三次元レーザスキャナを駆使して全国各地の坑道の掘り方を研究してきた久間英樹(くま ひでき)氏に、越後の河川トンネル・マブの内部を立体スキャンし、集めたデータを繋ぎ合わせて制作いただいた三次元映像を大画面に映写展示し、素掘りトンネルの中を歩いて進んでいく疑似体験によってその理解を深めます。

自然と人工の境界にあり、手の痕跡と水や光、そして時間の経過によって今も変化し続けている、やわらかなゆらぎの空間、人間サイズの素掘りのトンネルの魅力をお伝えします。

■開催概要

INAXライブミュージアム企画展
『素掘りのトンネル マブ・二五穴 −人間サイズの土の空間』
Unlined Tunnels “Mabu” and “Nigo-ana” -Man-sized Earthen Spaces

【会 期】
2015年10月31日(土)〜2016年3月27日(日)
【会 場】
INAXライブミュージアム
「土・どろんこ館」企画展示室
〒478-8586愛知県常滑市奥栄町1-130
TEL:0569‐34‐8282 FAX:0569‐34‐8283
【休館日】
第3水曜日(祝日の場合、翌日)
【観覧料】
共通入館料にて観覧可
(一般:600円、高・大学生:400円、小・中学生:200円)
【企 画】
INAXライブミュージアム企画委員会
【展示デザイン】
西本剛己(ARTLAB+)

新潟県十日町市白小倉の「マブ」
写真:中里和人

■展示概要

  • 写真家中里和人(なかざとかつひと)氏による「マブ」「二五穴」の写真(36点)
  • 素掘りのトンネルを実物の幅と高さで再現
  • 新潟県十日町市のマブの内部を「三次元レーザスキャナ」で読み取ったデータをつなぎあわせた三次元映像を大画面で映像展示。素掘りトンネル内を歩いて進んでいく疑似体験をしながら、トンネルの掘り方やマブ内部の構造を詳細にご覧いただきます。
    ほか

新潟県柏崎市の「マブ」 写真:中里和人

新潟県十日町市の「マブ」 写真:中里和人

中里和人(なかざと・かつひと)

写真家。東京造形大学教授。1956年、三重県に生まれる。写真集に、『lux WATER TUNNEL LAND TUNNEL』(ワイズ出版、2015年)、『花』(而今禾)、2015年)ほか

久間英樹(くま・ひでき)

松江工業高等専門学校電子制御工学科学科長・教授。1962年、佐賀県に生まれる。著書に、『日本の金銀山遺跡』(共著、高志書院、2013年) 論文に、「3次元レーザスキャナを用いた多田銀銅山小瓢箪間歩付近の定量解析」(共著、『技術史教育学会史』vol.16 No.2、2015年)など

久間氏による3Dスキャンの様子→


■関連書籍

『素掘りのトンネル マブ・二五穴 −人間サイズの土の空間』
2015年10月31日発売予定
天地:257mm×左右182mm/オールカラー総64ページ/無線綴じ
定価:1,500円(税別)
発行:LIXIL出版

【図版構成】
■土と水と光に囲まれた、境界線上の空間―― 中里和人
越後(新潟)
■中越地方の素掘りトンネル マブ―― 写真 中里和人
■河川トンネル・マブの仕組みと歴史 ―― 田口恭史
■渋海川における瀬替え―― 野口寛人
■佐渡金銀山絵巻に描かれた坑道内の様子―― 渡部浩二
■佐渡金銀山と南澤疎水道
■立体スキャナから掘り方を読み解く―― 久間英樹
房総(千葉)
■房総半島の素掘りトンネル 二五穴―― 写真 中里和人
■房総丘陵の二五穴―― 小田島高之
■素掘りのトンネル列伝

INAXライブミュージアム(LIXILグループ)概要

「世界のタイル博物館」「窯のある広場・資料館」「建築陶器のはじまり館」「土・どろんこ館」「陶楽工房」「ものづくり工房」の6館で構成された“体験・体感型ミュージアム”。土からやきものまで、その歴史や文化、美しさや楽しさを伝えています。 土と陶の魅力に触れる体験教室や企画展、ワークショップも開催。

所在地:愛知県常滑市奥栄町1-130
TEL:0569-34-8282
休館日:毎月第3水曜日、年末年始
共通入館料:一般600円、高・学生400円、小中学生200円
ホームページ: http://www1.lixil.co.jp/ilm/
LIXIL文化活動Facebook: https://www.facebook.com/LIXIL.culture/