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だれもが安心して快適に利用できるパブリックトイレ空間をめざし
性的マイノリティのトイレ問題に関する意識調査を実施
〜職場や学校、公共施設などのパブリックトイレの改善に向けた課題が明らかに〜

2016年04月08日

住まいと暮らしの総合住生活企業である株式会社LIXIL(本社:東京都千代田区、社長:瀬戸欣哉、以下LIXIL)は、特定非営利活動法人 虹色ダイバーシティ(以下、虹色ダイバーシティ)と共同で、LGBT※1をはじめとした性的マイノリティが「パブリックトイレ※2」に関して抱える課題を明らかにすることを目的に、性的マイノリティの当事者を対象とした意識調査を実施しました。

LIXILでは、従来型の男女別トイレに関する課題を分析するとともに、性的マイノリティの方々をはじめとした多様な利用者ニーズを反映し、誰もが安心して、快適に利用できるパブリックトイレ空間を目指しています。

今回実施した意識調査では、日本在住の10代以上のLGBT等の性的マイノリティ、計624名を対象にオンラインアンケートを実施しました。当調査では、性同一性障害※3を含むトランスジェンダー※4の回答者が全体の約7割を占めていますが、その6割以上が、職場や学校のトイレを利用する際に困難やストレスを感じていることが明らかとなりました。調査結果の概要は以下の通りです。

調査結果概要

1)トランスジェンダーの6割以上が「職場や学校のトイレ利用で困ること、ストレスを感じることがある」と回答

トランスジェンダーの回答者は、使いたいトイレの性別表記と、戸籍上の性別や自認する性別が一致しない場合も多く、6割以上が職場や学校のトイレ利用に対してストレスを感じていることがわかりました。

2)性別を気にせずに利用できる「男女共用のだれでもトイレ」のニーズが高い

トランスジェンダーの回答者の4割近くが「職場や学校」および、「公共施設」において、自由にトイレが選べるのであれば、性別の区分けの無い「だれでもトイレ」を利用したいと回答しています。特に、トランスジェンダーの中でも、出生時の身体上の性別は女性ですが、女性・男性の性別のいずれでもないと自認するFTX (Female-to-X-gender)の回答者に絞ると、6割以上が「だれでもトイレ」の利用を希望しており、高いニーズが明らかとなりました。

3)どのトイレにも入れず、我慢してしまう人も

トランスジェンダーの回答者では、5.0%の人が学校や職場ではどのトイレにも入らずに我慢すると回答しており、年代別に見ると、特に10代が22.7%と突出していました。トランスジェンダーの回答者全体では、4人に1人に当たる25.4%が膀胱炎等の排泄障がいがあると回答しており、トイレ利用によるストレスが深刻な健康上の問題にもつながっている点が推察されます。

※1:LGBTとは、レズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシュアル(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)の英語の頭文字をとった、性的マイノリティの総称のひとつ。

※2:パブリックトイレとは、オフィスや学校、商業施設、交通施設等の公共の場におけるトイレのことを指します。

※3:性同一性障害とは、トランスジェンダーの中でも医学的なサポートを必要とする場合につけられる医学的疾患名で、自認する性別に身体的性別、社会的性別を合致させたいと強く望む状態を指します。

※4:トランスジェンダーとは、出生時の性別と性自認(心の性別)が一致しない人の総称。

LIXILでは、当調査の実施を受けて、2016年4月4日に、調査の分析結果を発表する「性的マイノリティのトイレ問題に関するWEB調査 結果報告会」を開催しました。当報告会への参加者からは、「職場などで配慮や対応する方法はどうしたらよいか?」という質問などが寄せられ、パブリックトイレの計画に携わる方々とも問題意識を共有することができました。

LIXILは、車椅子ユーザーや乳幼児連れ、高齢者、オストメイト、女性、男性などさまざまなユーザーのニーズに応える配慮を検討し、誰もが使いやすいパブリックトイレの提案を行ってきました。さらに、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックも見据え、増加が予想される訪日外国人や、LGBTをはじめとした性的マイノリティの方々の多様なニーズにも対応し、パブリックトイレのさらなる進化を目指した取り組みを継続していきます。

■調査概要

調査方法:
インターネットによる調査
調査対象:
日本在住の10代以上の性的マイノリティ当事者の方
配信方法:
Twitter、Facebook、mixi、当事者団体のメーリングリスト等で周知
総回答数:
624人
実施期間:
2015年11月24日(火)〜12月24日(木)

■虹色ダイバーシティについて:

特定非営利活動法人 虹色ダイバーシティは、LGBT等の性的マイノリティがいきいきと働ける職場づくりをめざして、調査・講演活動、コンサルティング事業等を行っているNPO法人です。
URL:http://www.nijiirodiversity.jp/