2016年10月06日
住まいと暮らしの総合住生活企業である株式会社LIXIL(本社:東京都千代田区、社長:瀬戸欣哉)は、LIXIL傘下でドイツを拠点とする水まわり製品のグローバルリーダーであるグローエ、日本のインテリアファブリック業界を牽引する川島織物セルコン、総合的な外装建材メーカーである旭トステム外装とともに、住まいに調和するデザインと暮らしをより快適にする機能を兼ね備えた21商品で、公益財団法人日本デザイン振興会(略称:JDP)が主催する「2016年度グッドデザイン賞」を受賞しました。
本年度は、普段の洗浄する水の力だけで100年キレイが続く衛生陶器の防汚技術「アクアセラミック」(グッドデザイン・ベスト100受賞)や、キッチンを「調理の機械」としてではなく、「空間」としてとらえた新しい住まいのプラットフォーム「リシェルPLAT」、ヨーロッパの洗練されたデザインと日本の最新技術を融合したトイレ「センシア アリーナ」(グローエ)など全21商品が受賞しました。
※LIXILデザインアワードwebサイト:http://www1.lixil.co.jp/design_award/
LIXILは、生活者視点に立ったイノベーションに基づき、デザインの美しさと高い品質を兼ね備えた商品を提供してきた実績を有しており、こうした姿勢は当社のデザイン哲学の根幹をなすものです。水回り設備、建材など幅広い商品を扱い、グローバルに複数のブランドを展開する中で培われた知見・ノウハウを活用することで、社会・環境に配慮しながら、より良い人々の住まいと暮らしを実現するイノベーションを生み出しています。
LIXILは、今後も、お客さまのニーズに幅広くお応えできる商品開発で、豊かで快適な住生活の未来に貢献していきます。
<参考資料>
ユーザーのトイレに対する一番の困りごとである「清掃性」の解決に向け開発した、新しい衛生陶器の表面素材です。陶器表面を超親水性にすることで、付着した汚れの下へ水が入り込み、汚れを浮き上がらせます。それにより、普段の洗浄する水の力だけで100年キレイが続きます。
<審査員コメント>
便器への汚物の付着がなくなるなど、誰も想像しなかったことであるが、本製品では特殊な技術によって、水だけで付着した汚れが流れる。この技術が実現する、トイレ掃除の軽減や大便後の快適さは絶大で、住宅のみならずパブリックな場面でも大きく社会に貢献するだろう。また、本便器をすべてのグレードの製品に採用するという企業方針も素晴らしい。デザインを超えた「発明」とも呼べる画期的な製品は日本のトイレ環境を激変させるだろう。
サティスGタイプは、真の満足(Satisfaction)を生活者に届ける、最新のタンクレストイレ。「上品さ」「ゆったり感」を表現したデザインは、今までにないくつろぎ空間を演出します。また、心地よい空間を実現するためにトイレ空間の“汚れ”や“ニオイ”を防ぐ機能も搭載しました。本製品は、トイレで過ごす時間の在り方にも変化をもたらします。
<審査員コメント>
プロダクトとしての完成度が求められる上位グレードのタンクレストイレである本製品は、滑らかな曲面のフォルムや便座とふたのおさまり、各部のディティールなど、プロダクトデザインとして必要な熟慮がしっかりとされていることがわかる。 小用を泡で受け飛沫を防ぐ機能やエアカーテンによるニオイ防止、汚れが水で落ちる便器など、スタイリングだけではない技術的な快適機能も搭載されていながら美しい姿を保つことこそ、現代の住設プロダクトに求められることであり、本製品はそれをまさに実現している。
普及価格帯のロータンク式温水洗浄便座一体型便器。ロータンク式でありながらタンクの存在を感じさせず、従来に無いほど流麗なローシルエットスタイルを実現しました。日本の狭いトイレ空間でも、広く快適に使うことができます。これまではタンクレストイレでしか実現できなかったコンパクトで美しいデザインの価値を、普及価格帯で実現したトイレです。
<審査員コメント>
タンクを内蔵しているにもかかわらず、コンパクトであり、滑らかに曲面が整理され収まっているのが素晴らしい。余分な造形処理をせずに、素直な曲面やディティールがプロダクトの完成度を上げている。 価格帯が従来のものと変わらないという点もとても評価できる。普及価格帯の製品は、多くの人々のふつうの生活に大きな影響を与えるので社会的な影響力が高い。そういった意味で、本製品が実現する沢山の快適さに期待したい。
ユーザーの使いやすさと隣の視線が気にならない安心をデザインした小便器。ユーザビリティーから導き出した正面「V字フォルム」と上面「オープン形状、尖った垂れ受け」により、更に一歩前に近寄りやすい小便器を実現しました。動作中に体が器具に触れず、鉢内も見やすいことで、床への尿こぼしを劇的に減らして清潔・快適なトイレ環境を創造します。
<審査員コメント>
天面をアーチ状に削り取ることで、手元が見やすくなり、使用者が一歩前に立つことを自然に促すということに説得力を感じた。また、このアーチが便器全体のフォルムに統一感を持たせているとも思う。センサーをスプレッダーに内蔵し、要素を減らす配慮や、壁掛け式として清掃性を考慮している点も評価したい。リップを低くすることで、大人用、子供用の区別なく、利便性を高めるとともに、空間をシンプルにまとめることができる。
様々なハンディキャップを持つユーザーに「寄り添う使いやすさ」をテーマにデザインした多機能トイレです。ユーザーが接する器具には体にフィットする優しい曲面を用い、一方建築との調和の為に素材、カラーと器具高さ、位置を揃えて空間統一を図りました。それらをバランス良く整合させJIS、バリアフリー新法等の公的基準に則ってパッケージ化しました。
<審査員コメント>
雑多な器具が混在する「だれでもトイレ」を一つのパッケージとして取り扱うという視点で、器具のデザインの統一はもとより、素材やカラーの統一、線の整理、水洗などの取り付け高さの統一をすることによって、デザイン的にも清潔感のある空間プロダクトにつながったと感じる。また、こまかな心遣いでユーザーや施設管理者にも配慮している。法規に準拠したレイアウトパッケージは設計者の業務負担の軽減も期待できる。
荷物を安心して置けるシェルフとボウル周りの水濡れ軽減により快適性を高めたパブリック洗面カウンターです。シェルフはボウルより一段高い位置に、ボウルは水跳ね水残りしない滑らかな「波」形状で継ぎ目無しの一体形としました。外形はシャープエッジの効いた水平垂直基調で建築に馴染みやすく、ボウルが描く連続する波と相まって美しい洗面空間を創造します。
<審査員コメント>
公共の洗面ボウルは水跳ねにより常に濡れている状態が多く、荷物を置きにくいがこのカウンターは、気になりながらも改善できていなかった点に注目し考えられたデザイン。水跳ねを自然で美しい一体の造形により改善した点や、手荷物を置くスペースを水が跳ねない場所に設けるなど工夫がされており、デザインによる問題解決がされている優れた事例であると言える。
日常の洗面行為や家事をスマートにする洗面化粧台。ユーザーのお悩みの声が多い「清掃性」にお応えするため、特に掃除が大変な水栓周りを中心に商品を開発しました。壁付け水栓を進化させた「水が上から出る」新デザイン水栓は入隅がなくなり、水栓まわりに水がたまることがなく、拭き掃除が簡単に行えます。新機能をシンプルなデザインに凝縮しました。
<審査員コメント>
ホームユースにおける洗面化粧台のユーザーの視点を徹底的に掘り下げ、そこから問題解決の方法を見つけ、地道に解決している姿勢を評価したい。特に「水が上から出る」新デザイン水栓は、清掃性の向上に大いに貢献するだろう。また、新しい機能性を随所に取り入れながらも、そればかりが先に立って見えることなく、全体感として自然であり、うまくまとまっている。
浄水ニーズに対し、新たな選択肢を提供する普及価格帯シングルレバー水栓です。賃貸や建売住宅などで採用されることの多い単機能水栓を後から簡単に浄水スパウトに取り替えられる構造にすることで、ユーザー自身による浄水へのグレードアップを可能にしました。
<審査員コメント>
普及価格帯の水栓において、近年需要が高まっている浄水器を取付ける場合、後付けするか、もしくは水栓ごと交換するかになってしまう。このシステムは、メーカーの言葉通り「一つのボディで二つの顔」、つまりはボディを変えずにヘッドを交換することで双方の要望に答えられる構造を見事に実現している。多機能でありながら、佇まいはとてもシンプルにまとまっている点も良く出来ている。
日本の豊かな風呂文化より発想を得たアクアフィールは、システムバスルームで肩湯を実現した湯の循環システムです。首から肩を覆うように流れる湯は、美容・健康への効果がある。優しく肌をなでるような感触を生む僅か4mmの水膜。さらにそれを魅せる光、快適な入浴姿勢へと誘うヘッドレストにより、気持ちまで解きほぐす格別の時を創出します。
<審査員コメント>
曲面を描きながらゆったりとお湯が流れ落ちる様子はお湯の姿がデザインされており、見ているだけでリラックスした気分になる。肩湯給湯部はコンパクトで、浴槽のバリエーションに合わせて、テイストの異なるヘッドレストと組み合わせることができる。これによって異なる志向のユーザーそれぞれが、肩湯という日本的な機能を取り入れることができる点も評価された。
光りは目で見ることができない。それ故に目に見える照明器具を配置してしまう。しかし、本来の照明計画とは「あかり」を配置することにある。そこで、器具自体の存在感を消すことによって、外構設計者が照明器具ではなく「あかり」を認識し、それを一つの素材として扱うことにより、もっと自由でその家ならではの夜間景観につながります。
<審査員コメント>
電気工事士の資格がなくても照明工事を可能にした低電圧照明の製品群である。収まりを熟知した造園業者や内装業者が、電気工事業者の手を借りずに設営ができるようにしており、きめ細かく施工性に配慮している。複数の業者が絡まず施工が行えれば、一人のプロフェッショナルが責任を持って美しい景観を形成できる。無垢のガラスの質感は品位が高く光を美しく演出する。施工の仕組みに切り込み適切に問題を解決していること、夜景の演出を昼間は存在感を消した小さな複数の器具で、極めて自由に計画できるようにしたことを高く評価した。
これまでに無い自然な木の風合いを感じる人工木デッキ。デッキ材表層面に凹凸形状を施し、その凹凸の高さ、巾、傾斜角度を不均一、不連続にデザインする事で木配合素材自体の色調(濃淡)にナチュラルなバラツキを生み出し、木の温もり、風合いを実現しました。
<審査員コメント>
木粉と樹脂を合わせた人工木は、天然木に比べメンテナンス性が良く、腐らないというメリットがあるが、ナチュラルさを感じられないことが多く、この製品はより自然な風合いを実現するべく、木のぬくもりを感じられる新しい人工木の表現を追求している点が評価された。デッキ材表面に、不均一な幅と深さで左右非対称の斜めの溝をランダムに入れ、その組み合わせを工夫している。廃材を利用した木粉40%に加え、含有する50%の樹脂はすべてリサイクルプラスチックであり、環境に配慮したエコ素材である点も良い。
リビングキッチンリシェルPLATは、キッチンを単なる「調理の機械」ではなく、「空間」としてとらえた新しい住まいのプラットフォーム。さらにはキッチンと素材やモジュールを揃えたリビング収納もあり、LDK空間全体を統一感もってしつらえることができます。
<審査員コメント>
『キッチンを単なる調理の機械ではなく、「空間」としてとらえた新しい住まいのプラットフォームとしたい』というコンセプトを見事に具現化した製品。丁寧なディティール、周到な素材選択、優しい表情や手触り、など、すべての面で高く評価できる。同テイストのリビング収納など、トータルにLD空間を構成できるラインナップも良い。この製品によって、夢がかなうユーザーの顔が思い浮かぶような、シンプルなのに饒舌な製品である。
「プレセア」は、スタイリッシュなデザインと高断熱を併せ持った中高層のマンションやビル向けの窓。窓のフレームを従来に比べ最大50%スリム化し、従来のビル窓にはないスマートでシンプルなデザインを実現した。また、アルミと樹脂を組み合わせたハイブリッド窓とし、デザイン性だけではなく、高性能も実現しました。
<審査員コメント>
建築家が既成品のサッシではなく、自ら製作物を試行するのは、サッシ枠の見付け寸法が大きいというのが一つの理由だったが、従来品に比べ約半分の見付け寸法で、断熱性、水密性、遮音性などが担保されていれば、大いに支持されると感じる。また、扉や窓のバリエーションも多く、オフィスビルだけではなく、マンションや住宅での需要にも対応している点も評価したい。ドアハンドルなどの統一も選定のモチベーションとなると考える。
すっきりとした外観は、魅力的でありながら周りの空間とも調和します。このシリーズは円筒状のデザインを特徴とするが、よりソフトで有機的なデザインとなり、流れるような自然な雰囲気を醸し出します。美しさと機能性を備えたU字型が特徴的な水栓はバスルームで際立った存在感を発揮し、バランスのとれた形は時代を超えた魅力を放ち、モダンな直線性と伝統的な優美さを兼ね備えます。
<審査員コメント>
この水栓のシリーズは、それぞれの使用目的に応じて、造形のみの新規性をもとめず、素直にデザインを導きだしているように思う。ただ、ともすればシンプルになりすぎてしまうところを、本体とヘッドの繋ぎ方のデザインによって特徴を出している。ボトルネックのように、余計な段差がなく緩やかに繋がっている形式は、清掃面でも有効であり、この水栓に独特の表情をもたらしている。
自然のモチーフを基調としたデザイン、直観的な操作、革新的なプッシュボタン技術を一体化しました。楕円形オーバーヘッドシャワーから優美なボディ、コントロール部のプッシュボタンまで、すべてが感覚的で流れるようなデザインで構成されています。有機的なデザインのシャワーを直観的に操作しながら、ユーザーは自由に思いを巡らすことができる。そのこだわりは、シャワーのクロム仕上げ、アイコンモチーフの使用、色分け、コントロールボタンの使用感にも表れています。
<審査員コメント>
このシャワーシステムは、シャワーを浴びる楽しみを最大限に生み出すためのさまざまな工夫が見てとれる。その中でも、最も特徴的なのが小物類がおけるトレイを兼ねたコントロールユニットである。全ての操作がそこで可能であり、シャワー時に使用するシャンプーなどの小物類も同じ場所に置けるので、よりストレスがなくシャワーを楽しむことが出来る。植物のような有機的な佇まいもユニークである。
直径40mm に満たないコンパクトでバランスのとれたスリムボディに、数々のスマートテクノロジーを搭載しました。ボタンを押すだけで、サーモスタットが安全で快適なシャワー体験を届けます。セーフストップボタンが38度に設定されており、急な熱湯に肌がさらされることは決してないため、子供や年配のユーザーにとって安心です。
<審査員コメント>
シャワー用の水栓は、温度調整や水流の調整、それからカランと多くの要素をひとつにまとめる必要があるために、各要素がいかに合理的かつ美しく結びつくかが重要である。この水栓は、円柱を寝かせたようなシンプルなデザインにカランがシームレスに繋がりとても美しい。余分な継ぎ目がないのでメンテナンス性も良いと思われる。
シンプルでさらにスリムになったハンドルに、表面の加熱を防いだり、一定のシャワー温度を保つ機能など、洗練された技術を凝縮しました。ウィング型のメタルハンドルは石鹸や水で濡れた手でも持ちやすく工夫。サーモスタットのコンパクトでバランスのとれたデザインはどのような浴室空間にも合わせることができ、リラックスしたシャワー体験を実現します。
<審査員コメント>
バス・シャワーの混合水栓は、温度調整や水流の調整、それからカランと多くの要素をひとつにまとめる必要があるために、各要素がいかに合理的かつ美しく結びつくかが重要である。この金物は、同シリーズのGrohtherm800をさらに進化させ、全てのパーツがシームレスに繋がると同時に、エッジも柔らかなR形状になり、より触感的な形態を発見している。シンプルなだけではない有機的な美しさがある。
AquaTunesは、GROHEがデザインし、Philipsが開発に協力し生まれたコラボ商品です。浴室に感情を持ち込むことを目指して開発され、ユーザーはBluetoothで接続されたワイヤレス防水スピーカーを通じて音楽を楽しむことができます。スピーカーはシンプルな同心円を基調としながらパネル部分はクロムリングによって強調しています。上部と側部のボタンを押すと、ユーザーのスマートフォンとつながり、再生、停止、スキップ、ボリュームの調整などの操作が可能です。またどのようなインテリアにも調和するよう様々な色で展開しています。特許取得済みのロックシステムによりどのようなシャワーレールにも取り付けることができ、電子歯ブラシの充電台のように簡単にセットすることができます。
<審査員コメント>
音楽の楽しみ方が多様化している今日の状況において、浴室内のシャワーハンドルを利用して音楽を楽しめるという発想が面白く評価された。プロダクトは、浴室内で使用するものらしく、シンプルで優しいディティールでまとまっている。この製品によって実現する、楽しくリラックスしたシャワータイムは生活に潤いを与え、浴室やシャワーブースの価値を高めるだろう。
すっきりとした流線型のデザインが特徴的な本商品は、汚れが隠れる場所もない直線的なラインとスムースな形が優美さを演出する一方、暗闇で光るライトや、自動で開閉するカバーなど、安心して快適に使えるような様々な工夫がこらされています。流線形のシルエットから高度なテクノロジーまで、人に対するやさしさ、清潔さ、快適さという点で新たな基準を確立しました。
※壁掛けタイプは日本未発売、床置きタイプのみ国内発売
<審査員コメント>
美しく整った壁付けタイプの便器。欧州らしい整理された造形、例えば曲面とエッジの処理や本体とふたなど各部品のおさまりかたなど、細部にわたってデザインされており、それらが造形として高く評価された。
50cm角のタイル形状のラグで、スペースや用途に合わせ自由に組み合わせたり、カットしたりして便利にお使い頂けるラグです。このようなタイル形状ラグでは初のPTT繊維※の採用により、やわらかくソフトな肌触りと、汚れが付きにくくお手軽なメンテナンスで長く清潔にお使いいただけるラグを実現しました。
※ポリトリメチレンテレフタレート繊維の略、ポリエステル繊維の一種。伸縮性、形状安定性、柔らかい肌触りなどが特徴
<審査員コメント>
これまでの一般家庭用のラグは一体型が殆どであったが、この製品は50cm角のタイル形状を採用しており、部屋の大きさや用途に合わせて自由に貼ることが可能である。貼り合わせる際に懸念される目地が目立ちにくく、ズレにくい仕様になっている。また、肌触りが良く、汚れの落ちやすい新素材を採用するなど、ユーザーの視点に立った開発に、高い評価が集まった。
窯業系サイディングには、優れたデザイン性と耐久性という長所がある一方で、素材の継ぎ目をふさぐシーリング材が、筋のように目立つという課題がありました。本商品はシーリング材を使わず建物の角に出隅部材を使わない新工法で、従来に比べてすっきり美しい外観を実現。シーリング材劣化の心配もなく、将来的なメンテナンスの負担も軽減します。
<審査員コメント>
サイディングを敬遠したい理由の1つは、出隅の処理であった。本製品の特徴であるシーリングの省略は、画期的で魅力的な出隅形状を実現している。例えば、古くなった建築物を、和を感じさせる木製の外装にリニューアルしたいなどという状況は、住宅はもちろん様々なパブリック建築でますます増えるであろう。そういったときに、堅牢でメンテナンスフリーなサイディング外装が、このようなデザイン性を持つことはとても重要で、大きな社会的価値を持つ。この製品によって少しでも理想をあきらめないまちなみが増えることを期待したい。
※2016年10月28日(金)〜11月3日(木)、東京ミッドタウンで開催されるグッドデザイン賞受賞展「グッドデザインエキシビジョン2016」(主催:公益財団法人日本デザイン振興)で受賞作品が紹介される予定です。
グッドデザイン賞とは
グッドデザイン賞は、1957年に創設されたグッドデザイン商品選定制度を発端とする、日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の運動です。これまで55年以上にわたって、デザインを通じて日本の産業や生活文化を向上させる運動として展開され、のべ受賞件数は42,000件以上にのぼります。今日では国内外の多くの企業や団体などが参加する世界的なデザイン賞です。グッドデザイン賞受賞のシンボルである「Gマーク」は、すぐれたデザインを示すシンボルマークとして広く親しまれています。
グッドデザイン賞Webサイト:http://www.g-mark.org/