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土とやきものの魅力を伝えるLIXILの文化施設
『INAXライブミュージアム』がグランドオープン10周年を迎えました

2016年11月04日

住まいと暮らしの総合住生活企業である株式会社LIXIL(本社:東京都千代田区、社長:瀬戸欣哉)では、土とやきものの多様な魅力とものづくりの心を伝える体験・体感型の複合文化施設『INAXライブミュージアム』(愛知県常滑市)が、2016年10月をもってグランドオープン10周年を迎えました。

『INAXライブミュージアム』は、LIXIL(当時、INAX)の文化活動の一環として、INAX創業の地、愛知県常滑市で運営していた3つの文化施設「窯のある広場・資料館」(1986年開館)、「世界のタイル博物館」(1997年開館)、「陶楽工房(とうがくこうぼう)」(1999年開館)に、新たに「土・どろんこ館」「ものづくり工房」の2つの施設を加え、「土と水と火の出会い」というキャッチフレーズのもと2006年にグランドオープンしました。

「窯のある広場・資料館※1」では、1000年を超える歴史を持つ陶都「常滑」の近代窯業を象徴する土管工場を保存公開し、大正から昭和にかけての土管製造の様子や、日本の近代化に果たしたやきもの産業の役割を現在に伝えてきました。21mの高い煙突と、煉瓦組みの窯を内包する黒い建物は、『INAXライブミュージアム』の象徴的なランドマークであり、文化庁の登録有形文化財にも登録されています。また、同館では青と白の染付(そめつけ)技法※2で美しく装飾された古便器のコレクション※3を展示しており、明治から大正、昭和初期にかけ、まだ水洗が普及していなかった時代にトイレを気持ちよく使うための工夫や、客をもてなす心を伺い知ることができます。

世界25か国から集めた装飾タイルコレクション約7000点を収蔵※4し展示公開する「世界のタイル博物館」では、さまざまな場面で人々の暮らしを彩ってきた装飾タイルの数々を鑑賞いただけます。1階の常設展では、紀元前から近代まで、6つの国と地域を代表するタイル装飾が空間で再現されており、時空を超えて旅をするように館内を巡っていただけます。

2012年に新設した「建築陶器のはじまり館」とテラコッタパークでは、日本の建築が近代化する中で、コンクリート造の建築物の外壁や内装を豊かに飾ったやきもの「テラコッタ」のコレクションを一堂に展示し、日本の建築史を物語る貴重な史料として高く評価※5されています。

光るどろだんご

『INAXライブミュージアム』では、オープン以来、やきもの製品の歴史や文化を伝える展示に加え、土とやきものの魅力、ものづくりの楽しさを体感できる体験教室やワークショップを積極的に開催してきました。やきものの原材料「土」の魅力を伝えることをテーマに、2006年に新設された「土・どろんこ館」では、土をふんだんに使って、左官の技を随所にちりばめた建物の気持ちよさを感じながら、土を使ったものづくりを楽しむ体験教室「光るどろだんごづくり」を2006年から開催しており、2016年5月には体験者が累計20万人に達するなど、大変な人気を博しています。「光るどろだんご」の腕前を競う全国大会も、毎年11月に開かれています。

また、『INAXライブミュージアム』は、地域に根差した活動として、小学校の校外授業に積極的に協力するなど子どもたちに学びの場を提供しています。祭礼やイベント等、地域の催しにも参画し、地域の人が集う憩いの場としての役割も果たしています。

『INAXライブミュージアム』を含むLIXILの文化活動は、今年35周年を迎えました。100年を超える永きにわたって、ライフスタイルや時代の変化と歩みを共にし、人びとの暮らしに寄り添ってきたLIXILでは、「LIVING CULTURE」という信念のもと、先人の営みによって培われた技術と伝統に根ざした、心豊かな暮らしのあるべき姿を目指して、誠実にものづくりに取り組んでいます。

なお、『INAXライブミュージアム』では、2016年11月5日から、10周年を記念した特別展『つくるガウディ』(〜2017年3月31日)を開催します。

LIXILは、これからも『INAXライブミュージアム』の多様な活動を通じて、住まいや街を彩ってきた土とやきものの魅力を伝えていくと共に、ものづくりの技と心を次世代に伝え、人々の暮らしに新たな発見の場を提供するLIVING CULTURE を表現していきます。

※1:「窯のある広場・資料館」は、耐震工事のため2016年12月12日(月)〜2018年4月(予定)まで一時閉館します。

※2: 白地の素地に酸化コバルト (呉須 ) を用いて下絵付けを施し、さらにガラス質の透明釉をかけて焼き、文様を藍色に発色させた陶磁器の日本における呼称。中国では青花 (せいか) または釉裏青という。

※3: 古便器蒐集家・千羽他何之(せんばたかし、古流松應会家元)氏のコレクションを中心にLIXILのコレクションを加えて構成されたコレクションです。

※4: 1991年、タイル研究家・山本正之(やまもとまさゆき)氏から常滑市へ寄贈された約6000点のタイルを母体とし、LIXILの所蔵タイルを併せた7000点のコレクション。

※5: 日本におけるテラコッタ建築の価値を認識し、近代建築で実際に使用されたテラコッタを長年にわたり継続して収集、保存、公開してきたことや、それらの記録の保存と伝達に努めてきたことなどが評価され、一般社団法人日本建築学会(本部:東京都港区、会長:和田章)の2013 年「日本建築学会賞(業績)」を受賞。

施設概要:『INAXライブミュージアム』2006年グランドオープン/10周年

所在地 〒479-8586 愛知県常滑市奥栄町1-130
TEL 0569-34-8282
U R L http://www1.lixil.co.jp/ilm/

土とやきものの魅力や、ものづくりの心を伝える体験・体感型の文化施設。1986年「窯のある広場・資料館」に始まり、「世界のタイル博物館」(1997年)「陶楽工房」(1999年)を順次開設、2006年には「建築陶器のはじまり館」を開設。高い煙突と大きな窯、世界の装飾タイル、染付古便器などの展示のほか、独自企画の展覧会、体験教室やワークショップの開催など、躍動感あふれる活動を展開しています。

三尺土管
染付古便器

『窯のある広場・資料館』1986年開設

土管を焼いていた大正時代の窯と建物、煙突を保存し、内部を公開。日本の近代化に欠かせない土管の役割や、製造に用いた貴重な道具・機会類を展示しています。また、日本のトイレ文化の華、青と白で美しく装飾された染付古便器も展示しています。

※「窯のある広場・資料館」は、耐震工事に伴い2016年12月12日から2018年4月(予定)まで一時閉館します。

イスラームのドーム天井の
タイル装飾を再現

『世界のタイル博物館』1997年開設

紀元前から近代まで、世界25か国の装飾タイルタイルコレクション7000点の中から約1000点を展示し、装飾タイルの発展の歴史を紹介する博物館。1階常設展示室では、それぞれの時代の代表的なタイル空間を再現し、その魅力を体感いただきます。タイルコレクションの母体となっている「山本コレクション」は、タイル研究家 故 山本正之氏が生涯をかけて集めた世界のタイル約6000点で、1991年に山本正之氏から常滑市へ寄贈され、常滑市からの委託を受け、LIXIL(当時INAX)が管理・研究および一般公開しています。

テラコッタパーク

『建築陶器のはじまり館』2012年開設

大正から昭和初期、新しい時代の建物が次々と建てられ、「建築陶器」と呼ばれるやきもの製のタイルとテラコッタがその外壁を飾りました。明治時代につくられた初期の作品から、1930年前後の全盛期に至る、日本を代表するテラコッタ・コレクションを展示し、華やかな一時代の姿を伝えます。
落ち着いた土壁に囲まれて、テラコッタ建築とその時代を感じていただける屋内エリアと、豊かな緑が覆う広場で、自然光のもとテラコッタを鑑賞していただける屋外エリア「テラコッタパーク」からなる展示施設です。

土と触れ合う、どろ田ワークショップ

『土・どろんこ館』2006年開設

住まいの素材であり、やきものの原料である「土」をふんだんに使った建築の温もりや気持ちよさを感じる館内で、土にまつわる展示や体験教室を開催しています。土に触れ、遊び、体感することで、土の無限の表情に出会い、その魅力や可能性を発見できます。人気の「光るどろだんごづくり」体験も開催しています。

タイル絵付け体験

『陶楽工房(とうがくこうぼう)』1999年開設

気持ちのよい空間で、タイルを使ったものづくりが楽しめる工房です。タイル絵付けやモザイクアートなど、豊富なメニューで「陶」を「楽」しんでいただけます。予約不要で気軽に体験できる“自由時間”も人気です。

『ものづくり工房』2006年開設

やきものの街で培った“ものづくり”の伝統や技術を、製品や資料を通して紹介します。歴史的建造物の再生・復原への協力や、芸術家、建築家など、さまざまな分野の人との交流によって新しいやきものづくりに挑戦します。

INAXライブミュージアムの歩み(年表)

  できごと・賞 展覧会・イベント等
1986年 「窯のある広場・資料館」開設  
1988年 「トイレパーク」開設  
1994年 「窯のある広場・資料館」が日本産業デザイン振興会「グッドデザイン賞」受賞  
1997年 「世界のタイル博物館」開設。「窯のある広場・資料館」が「登録有形文化財」に登録。「世界のタイル博物館」が愛知県「第5回愛知まちなみ建築賞」受賞。  
1999年 「陶楽工房(とうがくこうぼう)」を開設  
2001年 「世界のタイル博物館」「INAXギャラリー」などの活動が「第11回メセナ大賞・企業文化賞」受賞。  
2006年 「土・どろんこ館」「ものづくり工房」を新設し5館からなる「INAXライブミュージアム」をグランドオープン。 「土・どろんこ館」開館記念展『土と水のドナウ紀行』開催
2007年 「世界のタイル博物館」展示リニューアル。「窯のある広場・資料館」が経済産業省「近代化産業遺産」に認定。「INAXライブミュージアム」が、「グッドデザイン賞」、日本サインデザイン協会「第41回SDA賞・地区デザイン賞」受賞。
「土・どろんこ館」が中部建築賞協議会「第39回中部建築賞」、愛知県「第12回人にやさしい街づくり賞」「第15回愛知まちなみ建築賞」受賞。
『水と風と光のタイル』展、『染付古便器の粋』展。
第1回「光るどろだんご大会」開催。
INAXギャラリーの『やきもの新感覚シリーズ』ライブミュージアムで開始。
2008年 「INAXライブミュージアム」の活動がキッズデザイン協議会「第2回キッズデザイン賞/コミュニケーションデザイン部門」受賞。
「ものづくり工房」がジオ・ポンティ設計「聖フランチェスコ教会」のタイル修復に協力、ミラノ副司教から記念プレートを授与。
ミュージアムショップがリニューアルオープン。
『モノリス・真下の宇宙』展、『焼き物の街・常滑 山田脩二の写真・軌跡』展。第1回「光るどろだんご全国大会」開催。
2009年 「窯のある広場・資料館」の常設展示をリニューアル。 (〜2011年)
「光るどろだんごづくり」体験者が3万人達成。
『ゆらぎ モザイク考』展、『20世紀のタイルのかたち』展、『緑の常滑 考現学 私の小さな森づくり』展、『タイルに咲いた憧れの花・バラ』展。第1回フォトコンテスト開催。
2010年 伊奈長三郎命日に、常滑の先人たちの陶業・陶芸への功績を偲ぶ「陶と灯の日」を制定、常滑市内で催しが開催。
上海万国博覧会「日本産業館」のアトラクションとして「光るどろだんごづくり」を実施。
『泡と湯気』展、『19世紀の幸せなものづくり』展。
第1回 モザイクアートコンテスト開催。
2011年 「ものづくり工房」が岡本太郎のモザイクタイル壁画『ダンス』の蘇生・修復。
「窯のある広場・資料館」1階リニューアルオープン。
『やきものを積んだ街かど』展、『だいすきトコナメ・アート』展、『青 −空と水とやきものの始まり』展。
2012年 「建築陶器のはじまり館」開設
「光るどろだんごづくり」体験者10万人達成。
『ミントンのタイル−千変万化の彩り』展、『岡モータース モーターショーin常滑』展、『日本の白い壁』展。
ワークショップ「土と足で遊ぶアート体験」開催。ワークショップ「どろの遊園地」開始。
2013年 「INAXライブミュージアム」が、テラコッタの継続的な収集・保存・公開等の活動に対し日本建築学会賞(業績)を受賞。 大竹伸朗『焼憶展』、『建築の皮膚と体温』展。
LIXILギャラリー特別巡回展『集落が育てる設計図』、『中谷宇吉郎の森羅万象帖』展。
「シャワー設備と更衣室づくり」ワークショップ開催。
2014年 新常滑市民病院 エントランス壁画(タイルアート)プロジェクトに参画。(〜2015年) 『ラスター彩タイル』展、『手のひらの太陽』展、『タイルが伝える物語』展、『雨と生きる住まい』展、『壁のパブリックアート』展。
2015年 フォーラム「堀口捨己と常滑市立陶芸研究所」を、常滑市と共催。 『大地の赤』展、『マカオのアズレージョ』展、『I LOVEタイル』展、『素掘りのトンネル マブ・二五穴』展。
2016年 「INAXライブミュージアム」グランドオープン10周年。
日本とシンガポール外交樹立50周年記念イベントで、シンガポールで「光るどろだんごづくり」を開催。6月には体験者20万人を達成。
『炎を操る』展、『タイルの幾何学』展。10周年記念特別展『つくるガウディ』11/5~開催予定

※これまでのINAXライブミュージアムの歩みをたどる「INAXライブミュージアム NEWS LETTER」(Vol.01-41)バックナンバーをご希望の方は、INAXライブミュージアムまでお問い合わせください。