2016年02月04日
LIXILギャラリーのやきもの展では、森 孝一氏(美術評論家・日本陶磁協会常任理事)をアドバイザーに迎え、「生活とアート」をコンセプトに新しい切り口の展覧会を開催しています。
会期:2016年3月10日(木)〜5月5日(木)
会場:LIXILギャラリー
見附正康
「赤絵細描小紋蓋物」
2015年H12×直径22.5cm
LIXILギャラリーでは2016年3月10日(木)〜5月5日(木)の期間
「見附正康・西田健二の+α展」を開催します。
見附正康氏と西田健二氏は、九谷焼の技法のひとつ「赤絵細描」を現代に生かした作品でとても人気のある作家です。
両氏は、分業による協働でひとつの作品を制作していますが、本展はそれぞれが制作した作品を展示することで、ひとつの作品に結晶している複眼の思想をひも解こうという趣向です。
本展では、見附氏の「赤絵細描」大皿、香合、蓋物、西田氏の青白磁の香合や水注など、そして両氏による共同作品を含めて約15点を展示する予定です。
西田健二
「青白磁水注」
2015年 H28×D9.5×W16.5cm
│開催概要│
「見附正康・西田健二の+α展」
│展覧会の見どころ│
もっとも注目される現代「赤絵細描」の作品
見附正康氏は1975年生まれ、九谷焼の技法のひとつである「赤絵細描」を現代に蘇らせた第一人者・福島武山氏に師事し、その腕を磨いてきました。
一本の筆による1ミリにも満たない細い線で息を詰めるようにして文様を描き出す「赤絵細描」は、江戸後期から昭和初期まで「ジャパンクタニ」の代名詞となるほど人気がありました。
現代の見附氏の描く線は、滲みも歪みもなく繊細で、まるでCGと見紛う完成度です。また、幾何学模様で構成されるデザインはデジタルパターンにも似て、人気の理由のひとつとなっています。
元来「赤絵細描」はその技法の難しさから、素地の成形と絵付けは別々の人間が行います。
その素地を成形しているのが轆轤師の西田健二氏です。西田健二氏は1973年生まれ、生家は九谷焼の絵付け師でありながら、自ら成形の道を追求してきた作家です。そこには絵付け師の経験から生まれた、理想の造形の実現があります。
同世代の二人が互いの感覚に惹かれあい、時に挑戦し合い、波と波が重なり合って思いがけず複雑な波紋を描き出すように、コラボレーションの妙が生まれました。本展では、二人で制作した作品とそれぞれの作品などを合わせた15点を展示する予定です。
│作者略歴│
「赤絵細描小紋香合」
2015年
H3.8×D4.3×W4.3cm
見附正康 (MITSUKE Masayasu)
「青白磁香合」
2015年
H4×D5×W5cm
西田健二 (NISHITA Kenji)