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INAXライブミュージアム企画展
『炎を操る 刀・やきもの・ガラス −1050度、美の誕生』
【会期】2016年4月29日(祝・金)〜9月4日(日)
【会場】INAXライブミュージアム 「土・どろんこ館」企画展示室

2016年03月31日

株式会社LIXILが運営する、土とやきものの魅力を伝える文化施設「INAXライブミュージアム」 (所在地:愛知県常滑市)では、「土・どろんこ館」の企画展示室において、2016年4月29日(祝・金)から2016年9月4日(日)まで、企画展『炎を操る 刀・やきもの・ガラス −1050度、美の誕生』を開催します。

熱と光を発しながら燃える炎。人類は自在に火を熾す方法を身につけ、その熱で物の性質を変えて新たなものを生み出してきました。焚き火の後に、粘土質の土地が固くなっている変化に着目し生まれたとも言われる「土器」もそのひとつです。土器は貯蔵容器や煮炊きの道具となり、液体を運ぶことを可能にしましたが、現在のような固く水が浸透しない器に進化するには数千年の時間を要しました。なぜなら、原始的な焼成方法では、土が熔け化学変化を起こす1000度以上の高火度の炎を安定して得ることが難しかったからです。焚き火では700〜800度までしか温度が上がらないため、人は炎のまわりに囲いを築いて熱をこもらせ、風を立てて酸素を送り、温度を上げる方法を発見し技術として発展させていきました。それらの工夫が数千年の時間を経て形となったのが、「窯」「煙道・煙突」そして「鞴(ふいご)」です。自然の原理と人の力を利用したこれらの技術により、炎は1050〜1400度という高温に達し、固く焼しめられた陶磁器や刀剣、ガラスが誕生しました。さらに炎を操る術が進化すると、 それらは用を満たすだけでなくより美しいものへと変貌していきます。

本展では、古来人間が身につけた、高い温度の炎を得るための2つの方法と、その装置を紹介し、炎を操る原理と工夫と仕組みを見ていただきます。また、日本の工芸品を焼成温度の順に展示し、炎が古くから美と深く関わってきたことをご覧いただきます。高温をくぐり抜けたものだけが持つ力と美をお楽しみください。

■開催概要

INAXライブミュージアム企画展
『炎を操る 刀・やきもの・ガラス −1050度、美の誕生』
Manipulating Fire Swords, Pottery, Glass

− 1050℃-the Awakening of Beauty

【会 期】
2016年4月29日(祝・金)〜2016年9月4日(日)
【会 場】
INAXライブミュージアム
「土・どろんこ館」企画展示室
〒478-8586愛知県常滑市奥栄町1-130
TEL:0569‐34‐8282 FAX:0569‐34‐8283
【休館日】
第3水曜日(祝日の場合、翌日)
【観覧料】
共通入館料にて観覧可
(一般:600円、高・大学生:400円、小・中学生:200円)
【企 画】
INAXライブミュージアム企画委員会
【展示デザイン】
山岸 綾(CYCLE ARCHITECTS)

▲登窯の窯焚き 撮影=木村羊一

<INAXライブミュージアム 「土・どろんこ館」では、土・水・火のテーマから、ものづくりと生活文化をつなぐ企画展を開催しています>

■主な展示概要

1)「温度別工芸美術館」

金属、陶磁器、ガラスなどの「工芸品」を、熔かし焼く温度順に展示。230度の低温から1400度以上の高温まで、温度の特性を活かしながら発展した工芸作品が見せる姿を、ご堪能いただきます。
代表的な展示品/日本刀:脇差 銘「兼定」 桃山時代(16世紀)、個人蔵 ---- (a)
     やきもの:常滑焼「三筋壺」 平安時代後期(12世紀)、とこなめ陶の森蔵 ----(b)
     ガラス:肥前びーどろ「藍色ちろり」、現代 ----(c)

2)刀、やきもの、ガラス 炎を操る仕組み

<刀=炭[燃料・蓄熱]+鞴(ふいご)[送風]>

「たたら操業」(日本刀の原料となる、純度の高い鋼 「玉鋼(たまはがね)」を土の壁でつくられた窯に砂鉄と炭を交互に投入し3昼夜を経る)により「玉鋼」をつくり、その原料を火床(かしょう)で再び熔かし鍛錬しながら刀にしていく。火床は、炭で覆われ、鞴(ふいご)で風を送り1400度まで上げていく。一連の流れを写真、動画、イラストで解説。

▲刀や包丁の制作、金銀銅鉛の鋳造など、鞴は身近な道具であった。
(佐渡金銀山図(新潟県立歴史博物館蔵))

<やきもの=薪・石炭[燃料]+窯[蓄熱]+焚き口・煙道[送風]>

窖窯(あながま)、大窯(おおがま)、登窯(のぼりがま)、石炭窯、ガス窯、電気窯と変遷してきた窯のなかで、窖窯から石炭窯までの仕組みを解説。燃料となる薪や石炭の口と、熱を排出する空気の通り道により進化の過程を辿る。INAXライブミュージアム「窯のある広場・資料館」に保存展示されている石炭窯の見どころも、第二会場として紹介。

■関連書籍

『炎を操る 刀・やきもの・ガラス −1050度、美の誕生』
2016年5月 発売予定
天地:257mm×左右182mm/オールカラー総64ページ/無線綴じ
定価:1,500円(税別)
発行:LIXIL出版

【図版構成】
■火を操る 文・イラスト=遠藤ケイ
■玉鋼・たたら操業
■ふいご--日本の高温立役者 永峰美佳
■日本刀
■備長炭・炭焼き 広若剛
■やきものの窯  寺田康雄・宮地英敏
■吹きガラス
ほか

INAXライブミュージアム概要

「世界のタイル博物館」「窯のある広場・資料館」「建築陶器のはじまり館」「土・どろんこ館」「陶楽工房」「ものづくり工房」の6館で構成された“体験・体感型ミュージアム”。土からやきものまで、その歴史や文化、美しさや楽しさを伝えています。
土と陶の魅力に触れる体験教室や企画展、ワークショップも開催。

所在地:愛知県常滑市奥栄町1-130
TEL:0569-34-8282
休館日:毎月第3水曜日、年末年始
共通入館料:一般600円、高・学生400円、小中学生200円
ホームページ: hhttp://www1.lixil.co.jp/ilm/
LIXIL文化活動Facebook: https://www.facebook.com/LIXIL.culture