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【LIXIL住生活財団】“Spa in the Nature (自然の中のスパ)”をテーマに、
次世代サステナブル住宅の技術を模索・検証する「第7回LIXIL国際大学建築コンペ」
九州大学「Colobockle Nest」が最優秀賞を受賞
〜 受賞作品は北海道大樹町「メム メドウズ」敷地内に竣工予定 〜

2017年04月25日

住宅・建材産業に関する調査・研究及び、人材育成等の事業に対し助成・支援する 公益財団法人LIXIL住生活財団(所在地:東京都江東区、代表:理事長 潮田容子、以下:LIXIL住生活財団)は、次世代のサステナブル住宅の技術を模索・検証し、社会にその技術を発信することを目的に開催する「第7回LIXIL国際大学建築コンペ」において、2017年4月19日(水)に「経団連会館」(東京都千代田区)で行われた公開審査会にて、世界11カ国・13大学の中から最終審査に進出した上位3大学のプレゼンテーションを行い、最優秀賞に九州大学の「Colobockle Nest」を選出しました。

公開審査会での集合写真

九州大学「Colobockle Nest」

審査会では、パリからインターネット中継で参加の審査委員長・隈 研吾氏(建築家、東京大学教授)をはじめ、審査委員の 野城 やしろ 智也氏(東京大学生産技術研究所教授)、小山 薫堂氏(放送作家、脚本家)、デイナ・バントロック氏(建築家、カリフォルニア大学バークレー校教授)、塚本 由晴氏(建築家、アトリエ・ワン共同代表、東京工業大学大学院教授)によって白熱する議論が行われました。第7回となる今回は「Spa in the Nature(自然の中のスパ)」をテーマに、同コンペ史上初めて“お風呂”という一つの空間に特化した提案を行ってもらいました。

九州大学の「Colobockle Nest」は、スパ空間全体の中で起こる1つ1つの“体験”に連続性を持たせ、お湯に入るまでのプロセス全体をデザインしている点や、コンセプトを作るにあたりその土地の文化まで考え、アイヌの伝承をモチーフにデザイン設計されている点などが高く評価され、最優秀賞の受賞となりました。

審査委員長 隈 研吾氏による総評では、「お風呂という空間が世界で多様な進化を遂げているなかで、今回のテーマにおいては、単に日本のお風呂文化へのリスペクトだけでなく、思い切り・新しさ・洗練が必要とされ、過去のコンペの中でも特に難しかったのではないかと思います」とのコメントをいただきました。表彰式では、最優秀賞を受賞した九州大学の遠藤由貴さん・鹿嶋渉さんは、「このような結果になり本当にうれしいです。理想を貫くか、現実性を重視するかで最後まで迷いました。これから実際に建設されるにあたっては課題も多いですが、実現していく過程で新しい価値が生まれて行くことを期待しています」とコメントしました。

今後、最優秀賞を受賞した「Colobockle Nest」は、隈研吾建築都市設計事務所のサポートのもと実施設計を行い、北海道大樹町「メム メドウズ」敷地内に竣工する予定です。

≪添付資料≫

■受賞作品一覧(敬称略)

・ 最優秀賞(1作品):九州大学「Colobockle Nest」

・ 優秀賞(2作品)

The Vienna Technical University
/ウィーン工科大学(オーストリア)
「Radiant Field」

University of Pennsylvania
/ペンシルバニア大学(アメリカ)
「VEILED GARDEN」

■「第7回LIXIL国際大学建築コンペ」概要

課題:Spa in the Nature(自然の中のスパ)

古代ローマの公衆浴場やモヘンジョダロの大浴場、ドイツのバーデン=バーデン、イギリスのバース、フィンランドのサウナ、日本の温泉や中世以前から多用された蒸し風呂など、世界中にはさまざまなスタイルのお風呂があります。歴史的に見てもお風呂は汚れを落とすだけではなく、社交場として、パブリックスペースとして、リビングのようなくつろぐための場所としての機能も持ち合わせていました。では、この大樹町で自然と共にあり、リラックスできるお風呂とはどのようなものでしょうか。そこではお湯につかるだけではなく、ストレッチやマッサージをしたり、豊かな自然の中を散策したり、ゆっくりとした時間を過ごすなど、いろんなアクティビティが考えられるでしょう。また屋内や外、男女がどのように入るのかということからも、お風呂でできることが新しく考えられるかもしれません。移動可能な建築の第6回優勝校のデンマーク王立芸術アカデミーによる「INFINITE FIELD」と連動した使い方も考えられるかもしれません。また、今回の課題はこれまでとは違い、肌に直接ふれるものです。そうした使われ方から、 新しい素材の使い方も提案できるかもしれません。人が集い、リラックスできる自然の中のお風呂を考えてください。

【参加大学】11カ国・13校 ※◎印3大学が4月19日の公開審査会に進出。

◎University of Pennsylvania/ペンシルバニア大学(アメリカ)

University of Buenos Aires/ブエノスアイレス大学(アルゼンチン)
AA School/AAスクール(イギリス)
IAAC/IAAC(スペイン)
Riga Technical University/リガ工科大学(ラトビア)

◎The Vienna Technical University/ウィーン工科大学(オーストリア)

China Academy of Art/中国美術学院(中国)
National Cheng Kung University/国立成功大学(台湾)
Universitas Indonesia/インドネシア大学(インドネシア)
The University of Sydney/シドニー大学(オーストラリア)

◎Kyushu University/九州大学(日本)

Tokyo University of the Arts/東京藝術大学(日本)
Meiji University/明治大学(日本)

2.審査方法

寒冷地における次世代型サステナブル住宅の提案を、世界11カ国13大学より招待形式にて募集。一次審査(書類審査)で上位3大学を選出。3大学による公開審査会を実施し最優秀賞を選出する。

3.審査委員

審査委員長:隈 研吾 氏(建築家、東京大学教授)
審査委員: 野城 やしろ 智也 氏(東京大学生産技術研究所教授)
小山 薫堂 氏(放送作家、脚本家)
デイナ・バントロック氏(建築家、カリフォルニア大学バークレー校教授)
塚本 由晴 氏(建築家、アトリエ・ワン共同代表、東京工業大学大学院教授)

4.表彰

最優秀賞(1点)―――― 15,000USドル(デザイン費を含む)
優秀賞(2点)――――― 3,000USドル

※最優秀作品「Colobockle Nest」は、北海道大樹町「メム メドウズ」敷地内に、実作として建設される。

■「メム メドウズ」施設概要

所在地: 北海道広尾郡大樹町字芽武158-1 ※旧「大樹ファーム」跡地
管    理: 公益財団法人LIXIL住生活財団(〒136-8535 東京都江東区大島2-1-1)
敷地面積: 約56,000坪
主要施設: 寒冷地実験住宅「メーム(Même)」、実験住宅「竹の家」、実験住宅「町まとう家」、実験住宅「BARN HOUSE」「HORIZON HOUSE」「NEST WE GROW」「INVERTED HOUSE」「INFINITE FIELD」、ワークショップスタジオ「スタジオ メム」、多目的ホール、コンファレンス・センター、住宅1、2、3号棟(研究者向け宿泊施設)、ログハウス1、2号棟(研究者向け宿泊施設)、運動棟、レストラン、サウナ施設、管理棟 など
施設概要: 公益財団法人LIXIL住生活財団が、その設立理念に基づき、北海道大樹町に設立した環境技術研究機構の名称。同機構の中心となるのが、隈研吾建築都市設計事務所が設計した寒冷地実験住宅「Même(メーム)」である。
URL: http://www.lixiljsfound.or.jp/category/1835702.html