2017年03月29日
会期:2017年4月27日(木)〜6月27日(火)
会場:LIXILギャラリー
「焼締水盤」
Flower basin
2016
H270×W353×D353 mm
Photo: Tadayuki Minamoto
LIXILギャラリーでは、2017年4月27日(木)〜6月27日(火)の期間「戸田浩二展 ―聖水―」を開催します。
戸田浩二氏は笠間の陶芸家伊藤東彦氏に師事し、2002年より薪窯を築いて制作をしています。その作品は焼き締め技法による装飾を排した端正な花器や水瓶などで、いずれも金属を思わせる重厚な肌合いと仏具を思わせる凛としたかたちが荘厳な雰囲気をもつ作品です。戸田氏は、須恵器や中国の青銅器に魅かれてその作品のモチーフとしています。
2013年からはニューヨークでも定期的に作品展を開催するなど人気の高さが伺われます。本展では、仏教の聖水を入れる、水瓶や水盤、花器など祈りのこころを象徴とした清涼感に包まれた作品10点を展示します。
「Sphere」
2017
H188×W185×D183 mm
Photo:
Tadayuki Minamoto
│開催概要│
「戸田浩二展 ―聖水―」
│展覧会のみどころ│
凛として厳かで平らかな花器や水瓶
戸田浩二氏は筑波大学体育専門学群を卒業後、実業団のサッカー選手から陶芸の道に入りました。陶芸は自然の中にあって一人でできることが理由のひとつだったと言います。その後製陶所を経て、笠間の陶芸家 伊藤東彦氏に学び、2002年に薪窯を築きました。
戸田氏の作品は焼き締め技法でごく軽く薄く成形され、鋭角的で装飾のない端正なかたちが、仏具や祭具を連想させます。戸田氏は、師から良いものをたくさん見るように教えられて始めた長い美術館巡りの中で、中国の青銅器など、千年以上も昔に神事や祭事の捧げものとして作られた作品に惹かれることに気づきました。本展で展示される作品には、神々への捧げもののような神聖な精神の宿る作品を制作したいとの願いが込められています。
最近では、高度な成形技術のいる球体を制作するなど新たな表現も見られ、さらなる高みを目指し技術に磨きをかけています。
本展のサブタイトル「聖水」は、仏教において高僧が特別な修法で浄化した水のことで、霊性を帯びた水を意味します。本展では、その聖水を入れる瓶、盤、水滴のかたちのような花器「Sphere」など、祈りの心を象徴する10点を展示します。
│作者略歴│
戸田浩二(TODA Koji)
【パブリックコレクション】
プリンストン大学美術館、デトロイト美術館、イェール大学美術館
「焼締水瓶」 Water bottle
2017 H247×W115×D115 mm
Photo :Tadayuki Minamoto