ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

やきもの展のご案内

2017年06月05日

岡本作礼展 ―祈りの系譜―

会期:2017年7月7日(金)〜9月5日(火)
会場:LIXILギャラリー

「緑黒陶般若心経釘彫経筒」
2017年 14.7cm×26.6cm

LIXILギャラリーでは2017年7月7日(金)〜9月5日(火)の期間「岡本作礼展 ―祈りの系譜― 」を開催します。
岡本作礼氏は唐津焼の伝統技法によるうつわや壺、茶道具などを制作して、現在唐津を代表する作家の一人です。その確かな技と現代性あふれる作品は、人気が高く東京でも数多くの作品展を開催してきました。
今展では陶歴40年になる岡本氏の作品の中から、叩き技法の痕跡を太古の洞窟の壁に見立てた壺や、般若心経を釘で掘り記した経筒などを中心に近作6点を展示します。
岡本氏は、土には太古からの鼓動があると考え、自然の摂理への畏怖、創造への敬虔な気持ちを祈りの姿勢として作品を制作しています。

「唐津叩き彩文土器」
2017年36.5cm×33.2cm

│開催概要│

「岡本作礼−祈りの系譜−」

会 期
2017年7月7日(金)〜9月5日(火)
★アーティスト・トーク
日時:2017年7月7日(金)18:30〜19:00
休館日
水曜日、8月11日(金・祝)〜16日(水)、8月27日(日)
開館時間
10:00〜18:00
企 画
株式会社LIXIL
会 場
LIXILギャラリー
観覧料
無料
会場写真
http://www1.lixil.co.jp/gallery/

│展覧会の見どころ│

唐津焼でつくる祈りのかたち

岡本作礼氏は佐賀県唐津市出身で、唐津焼の窯元で修行をしたのちに窯を築き、40年に渡り唐津焼の技法で現代的な作品を制作してきました。
古来自然を畏れ敬う中国の五行やインドの五大元素のように、日本でも自然崇拝は強く、土、火、水を使うやきものはこのような祈りの姿勢をもって表されることがあります。岡本氏も土には太古からの鼓動があると考え、敬虔な祈りの姿勢で制作を行っています。
今展の出品作である「唐津叩き彩文土器」(2017)は、叩き技法による痕跡を古代の洞窟壁に見立てた壺で、壁画の代わりに円条文を描き宇宙の中心を表現しています。また、「緑黒陶般若心経釘彫経筒」(2017)では仏教の経典を入れる経筒の側面に般若心経が釘で一文字ずつ彫り込まれています。その他に、これまでの唐津にはない織部焼の型起こし技法を取り入れた「朝鮮唐津四方手付鉢」や、十五客の入れ子鉢「唐津殿青釉紫文寿互鉢」など多様な近作6点が展示されます。

│作者略歴│

岡本作礼(OKAMOTO Sakurei)

1958
佐賀県唐津市に生まれる
1978
陶芸家・中里重利氏に師事
1989
作礼山山麓(唐津市)に工房設立
1996
個展(備前焼ギャラリー青山/東京)、以後隔年開催
1999
能登島ガラス工房にてパート・ド・ベールの技法を習得
2002
第1回日仏現代陶芸展(佐賀県立九州陶磁文化館)
2003
「現代日本の陶芸 受容と発信」(東京都庭園美術館)
個展(銀座黒田陶苑)、以後毎年新作を発表
2005
第2回日仏現代陶芸展(佐賀県立九州陶磁文化館)
2006
岡本作礼茶陶展(佐賀玉屋)
2007
個展(桝久/山形)、以後毎年開催
2008
個展(野村美術館/京都)
2009
唐津九人展(佐賀県立九州陶磁文化館)
個展(ギャラリー縄/大阪)、以後隔年個展
2010
個展(陶彩/新橋・東京)
2012
岡本作礼茶陶展(金源堂/仙台)
個展(柿傳ギャラリー/新宿)
2013
個展(横浜島屋/神奈川)
2014
日韓交流展(釜山・韓国)
個展(玉川島屋/東京)
2015
唐津陶芸五人展(和光ホール/銀座)
日韓中陶磁展(阪急うめだ/大阪)
2016
個展(福岡三越)

現在、佐賀大学非常勤講師、佐賀陶芸家協会会員

「朝鮮唐津四方手付鉢」 2017年
25.5cm×20.3cm×13.7cm


「唐津殿青釉紫文寿互鉢」 2016年
最大23.5cm×8.7cm、最小5cm×2.8cm