2017年08月31日
株式会社川島織物セルコン(本社:京都市 社長:山口進)は、本社に併設の織物文化館(京都市左京区)で、昭和後期に製作したタペストリー(綴織壁掛)を紹介する『 ザ・タペストリー 』展 を9月1日より来年8月まで開催します。
フランスのゴブラン織で有名なタペストリーは、中世ヨーロッパで、冷たい印象になりがちな石の壁を飾るインテリアとして使われたのが始まりです。13〜14世紀頃には、製作技術や装飾性が高まり、美術品にも匹敵するようなタペストリーも生産されるようになりました。
「COOL SUN」 原画 向井良吉
日本でタペストリーが使われるようになったのは、西洋建築が建ち始めた明治期のようで、当社も明治の中頃には、織機や糸、染色技術、織技術など綴織に改良を加え、大型タペストリー(綴織壁掛)の製作を始めています。
西洋建築が珍しかった明治期から、建物が増えた昭和初期、高度経済成長と共に建築部材が著しく進化した戦後、そしてタペストリー全盛期の昭和後期と、建築の変遷にあわせ、当社が製作するタペストリーのデザインも変化していきました。建築内装がシンプルになると、古くから好まれていた重厚なデザインに加え、無機質な空間にあう抽象画や名画シリーズも手掛けました。しかし近年では、建築資材も多様化しタペストリーは“特別な物”となり、当社でも年に数枚を製作するのみとなりました。
本展では、タペストリー全盛期であった昭和後期の作品を中心に、抽象的なデザインや、有名画家の作品を織り上げたものを紹介します。彫刻家 向井良吉の原画を元にした 綴織壁掛「COOL SUN」は、フォトコラージュが取り入れられた珍しい作品で、織の立体感やテクスチャーの面白さが際立っています。また、綴織の表現力の高さをご覧いただける、画家 東山魁夷の作品を忠実に織りなした 綴織壁掛 「冬華」なども展示します。タペストリーは、衣服やインテリアのファブリックとは一味違った織物の面白さが感じられる作品です。この機会に、是非、新たな織物の魅力を感じてください。
ザ・タペストリー展 〜昭和後期の斬新な綴織壁掛〜
【会 期】 2017年9月1日〜2018年8月31日(予定)
【会 場】 川島織物セルコン 織物文化館(http://www.kawashimaselkon.co.jp/bunkakan/)
【休 館 日】 土・日・祝祭日、夏季、年末年始(川島織物セルコン休業日)
【入 館 料】 無料
【見学予約】 見学は事前予約制 ご予約専用電話:075-741-4323
1889(明治22)年に二代川島甚兵衞が京都・三条高倉に建てた三階建ての洋館「織物参考館」に始まる国内最古の企業博物館。初代・二代川島甚兵衞がモノづくりの研究のため世界中から収集した染織品、古書類、製作してきた原画類・試織など、織物に関する貴重な資料を保管しています。
館内では、これらの史資料や当社が手がけてきたプロジェクトにまつわる資料やエピソードを紹介し、織物の魅力や当社のこだわりのモノづくりを紹介しています。
ホームページ:
http://www.kawashimaselkon.co.jp/bunkakan/
アクセス:
●地下鉄「国際会館」駅より
・ 京都バス(50/52系統)「小町寺」下車 徒歩約5分
・ タクシー 約10分
●叡山電車 鞍馬線「市原」駅下車 徒歩約7分
●京都駅より タクシーで約40分