2018年04月03日
会期:2018年4月27日(金)〜6月24日(日)
会場:LIXILギャラリー
「青瓷大鉢」 H122×W550o 2017年
LIXILギャラリーでは2018年4月27日(金)〜6月24日(日)の期間、伊藤秀人展「青瓷 釉の力」を開催します。
伊藤秀人氏はこれまで白磁や練り込みによるうつわ、花器、オブジェなどを制作してきましたが、近年青瓷を制作して高い評価を得ています。伊藤氏は中国宋代の古陶磁に学び、古典の本質を自らの感性で捉え、現代に表現しています。「古典の品格と現代の美を併せ持つやきもの」を目指す作品は、この度2017年度日本陶磁協会賞を受賞しました。 今展では、直径約60cmの大鉢3点と茶道具への想いを象徴する茶碗1点の計4点を展示します。
「青瓷茶碗」 H 64×W190×D180 o 2017 年
「青磁大鉢」(部分) H125×W 560o 2017年
│開催概要│
伊藤秀人展 「青瓷 釉の力」
│展覧会の見どころ│
伊藤秀人氏は岐阜県多治見市出身、多治見市陶磁器意匠研究所にて学んだ後、開窯して20余年になります。独特のゆらぎのあるうつわなどの作品を制作し、2013年パラミタ陶芸大賞展大賞などを受賞してきました。近年は青瓷による作品を制作し、2017年には岐阜県伝統文化継承功績者顕彰(白磁、青瓷、練彩技術の保存・伝承)を受けています。
伊藤氏が学ぶ中国青瓷を代表する北宋時代の汝窯や南宋官窯は、皇帝のために誕生したやきもので、今日も世界の至宝と言われます。日本で本格的に青瓷が焼成されたのは江戸時代からですが、明治時代以降、日本の趣味人が再び宋時代の青瓷に憧れを示すと、その影響から、多くの作家が南宋官窯を目指し青瓷に挑戦します。その完成度と独創性は非常に高く、現代陶芸作家も独自の青瓷を制作しています。
伊藤氏もまた独自の美しい曲線とフォルムからなる造形性に、青瓷の釉そのものが持つ力を生かし、古典と現代を繋ぐ試みを行っています。今展の作品は深い青味を帯び、*氷裂文にいたる美しい貫入に覆われています。重力を忘れたように広がるかたち、古の面影を感じさせる肌合いに、時空を超えた美のかたちをご覧頂けます。
*氷裂文・・・釉薬層の奥深く複雑に貫入が入り、氷を重ねたような光を纏う
│作者略歴│
伊藤秀人 (ITO Hidehito)
パブリックコレクション
「青瓷茶碗」 H 64×W 190×D 180o 2017年
国際交流基金
岐阜県現代陶芸美術館
樂翠亭美術館
パラミタミュージアム
チャゼン美術館(アメリカ)
とうしん美濃陶芸美術館
美濃焼ミュージアム
ボストン美術館(アメリカ)
シンシナティ美術館(アメリカ)
南宋官窯博物館(中国、杭州)