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INAXライブミュージアム企画展
「急須でお茶を―宜興・常滑・香味甘美(かみかんび)」
Tea Served in a Kyusu-Yixing & Tokoname, Sweet Aroma & Flavor
【会期】 2018年4月21日(土)〜2018年9月25日(火)
【会場】 INAXライブミュージアム「土・どろんこ館」企画展示室

2018年04月11日

株式会社LIXILが運営する、土とやきものの魅力を伝える文化施設「INAXライブミュージアム」(所在地:愛知県常滑市)では、2018年4月21日から9月25日まで、企画展「急須でお茶を―宜興・常滑・香味甘美(かみかんび)」を開催します。

撮影:木村文吾

最近、急須でお茶を淹れたのはいつでしょうか。ペットボトルなどの普及により、急須でお茶を「淹れる」習慣から遠ざかった人が多くなっています。一方で、日本茶の産地や品種を知り、楽しむ人が増え、さまざまな点からお茶のよさが見直されています。

急須は、茶葉を投じ、お湯をそそぎ、待ち、そして器につぐというお茶を淹れる一連の動作の主役となり、慌ただしい日常の生活を一瞬にして心地よい異空間・異次元へと導きます。やきもの、ガラス、鋳物など現在はさまざまな素材の多彩なデザインがありますが、その多くは宜興産の急須がモデルになったものです。急須の名産地として日本でもなじみ深い、中国・宜興(ぎこう)。なかでも「紫砂(しさ)」と呼ばれる深みのある色の急須は、清時代の文人はもとより、日本の京都や江戸の文化人、さらにはヨーロッパの人たちをも魅了しました。急須は色や形を変えながら、茶を飲む文化とともにティーポットとして定着しました。常滑では、この宜興の影響を受けながら江戸時代後期から急須をつくり始め、日本の急須の代表的な産地に成長し現在に至っています。

INAXライブミュージアムは、両産地の急須の秀でた魅力を発信することで日本の茶文化を世界に広め、両産地の発展に寄与すべく発足した「宜興・常滑友好交流プロジェクト」の一員を務めています。本展は、常滑と宜興の焼き物業界が2016年に締結した「友好交流提携」の趣旨に基づき、宜興陶瓷博物館・中国紫砂博物館と共同で開催するものです。お茶の時間をより味わい深いものにする魔法の道具「急須」の魅力を、宜興と常滑を中心とした古今の約50点の急須とともに紹介し、香り・音・映像の演出を通じてお茶を淹れるひとときの豊かさを改めて体感いただきます。

開催概要

企画展 「急須でお茶を―宜興・常滑・香味甘美 (かみかんび)」
Tea Served in a Kyusu-Yixing & Tokoname, Sweet Aroma & Flavor

【会 期】
2018年4月21日(土)〜9月25日(火)
【会 場】
INAXライブミュージアム「土・どろんこ館」企画展示室
〒479-8586愛知県常滑市奥栄町1-130
TEL:0569‐34‐8282 FAX:0569‐34‐8283
【休館日】
水曜日(祝日の場合は開館)
【観覧料】
共通入館料にて観覧可
(一般:600円、高・大学生:400円、小・中学生:200円)
【主 催】
INAXライブミュージアム企画委員会
【共 催】
宜興陶瓷博物館・中国紫砂博物館
【協 力】
宜興市政府、宜興市文廣新局、宜興陶磁行業協会
煎茶道賣茶流 家元 取友仙窟
【展示デザイン】
西本剛己(ARTLAB+)

■主な展示品(予定)

中国・宜興

  • 紫泥茶銚、孟臣銘、萬豊順記形、清時代【写真1】
  • 周桂珍(中国工芸美術大師)、六倫壺、現代[宜興陶瓷博物館蔵]【写真2】
  • 邱玉林(中国陶磁芸術大師)、万裏茶道(彩陶紫砂壺)、現代[宜興陶瓷博物館蔵]【写真3】
  • 呉奇敏、合和壺、現代
  • 范澤鋒、「禅泉・般若・立明」、現代

日本・常滑

  • 三代清風与平、白釉茶銚、明治時代、京都
    初代杉江寿門、朱泥菊型急須、明治時代、常滑[とこなめ陶の森蔵]
  • 掘友直、色絵母子鶏茶銚、万古、明治時代【写真4】
  • 初代山田常山、朱泥茶銚、大正時代末期、常滑【写真5】

【写真キャプション・クレジット】

写真1:
紫泥茶銚、孟臣銘、萬豊順記形、清時代 [個人蔵]
写真2:
周桂珍(中国工芸美術大師)、六倫壺、現代[宜興陶瓷博物館]
写真3:
邱玉林(中国陶磁芸術大師)、万裏茶道(彩陶紫砂壺)、現代[宜興陶瓷博物館]
写真4:
掘友直、色絵母子鶏茶銚、万古、明治時代 [個人蔵]
写真5:
初代山田常山、朱泥茶銚、大正時代末期、常滑[個人蔵]
写真4〜5 撮影:
木村文吾

■関連書籍 「急須でお茶を―宜興・常滑・香味甘美 (かみかんび)」
2018年6月20日発売予定
天地:257mm×左右182mm/オールカラー総64ページ/無線綴じ
定価:1,500円(税別) 発行:LIXIL出版

写真1

写真2

写真3

写真4

写真5

INAXライブミュージアム概要

『INAXライブミュージアム』
所在地:愛知県常滑市奥栄町1-130
TEL:0569-34-8282
休館日:水曜日(祝日の場合は開館)、年末年始
共通入館料:一般600円、高・学生400円、小中学生200円
ホームページ: http://www.livingculture.lixil/ilm/
LIXIL文化活動Facebook:https://www.facebook.com/LIXIL.culture

LIXILがINAX創業の地、愛知県常滑市で展開しているミュージアムです。かつて土管が焼かれていた、大煙突と大きな窯を抱く建物を公開するなど、様々な展示や体験教室を通し、土とやきものが織りなす多様な世界と、ものづくりの心を伝えています。1986年「窯のある広場・資料館」に始まり、「世界のタイル博物館」(1997年)「陶楽工房(とうがくこうぼう)」(1999年)を順次開設、2006年には「土・どろんこ館」と「ものづくり工房」を加え、5つの館を擁する「INAXライブミュージアム」としてグランドオープン。
2012年には近代日本の建築と街を彩ったテラコッタやタイルを展示する「建築陶器のはじまり館」を開設し、6つの館で躍動感あふれる活動を展開しています。

INAXライブミュージアム
「窯のある広場・資料館」(左)と
「世界のタイル博物館」(右)