LIXILギャラリーは株式会社LIXILの文化活動としてやきもの展を開催しています。タイルから茶碗まで、やきものは私たちの心豊かな暮らしを彩ります。「生活とアート」をコンセプトに、森 孝一氏(美術評論家・日本陶磁協会常任理事)をアドバイザーに迎えたセレクションです。
板橋廣美展 ―重力内無重力―
会期:2018年11月6日(火)〜2019年1月15日(火)
会場:LIXILギャラリー
「梯子」(上) W120×D190×H1620mm
「寂」 (下) W1300×D2500×H230mm(全体)
W340×D220×H230mm×18 (個)
LIXILギャラリーでは2018年11月6日(火)〜2019年1月15日(火)の期間、「板橋廣美展 ―重力内無重力―」を開催します。
「重力内無重力」とは板橋氏独自の造形技法をしめす言葉です。釉薬をシャモット(粘土を焼成して粉砕したもの)の中に埋めて焼成すると、宙空で造形するような作品になり、危うさを孕んだ存在感を放ちます。また板橋氏は水をかたどった楕円形や円形の白磁のオブジェ作品にも定評があります。今展ではシャモットによるインスタレーション「寂」と、内部の空気を感じさせるゆるやかな曲線の白磁のオブジェなど約20点を展示する予定です。
![](/user_images/2018/pic/nr1015_01_02.jpg)
「界」 W125×D60×H120mm
アーティスト・トーク
本展のアドバイザーである森孝一氏が、板橋廣美氏へインタビュー形式でトークを行います。
- 開催日時
- 2018年11月10日(土)18:00〜18:30
- 会 場
- LIXILギャラリー
│展覧会の見どころ│
板橋廣美氏は、社会人になってから岐阜の陶芸家伊藤慶二の作品に出会い、陶芸技法による造形作品をつくるようになります。また、陶芸家鯉江良二の作品から「やきものとは、焼いて残るもの」ということを学び、「土を焼き固めるだけでなく、作品としての完成にたどり着くまでの段取りやシステム、そういうプロセスがやきものの醍醐味である」と考え、「新しい作り方をすると必ず新しいものが生まれる」と今日も挑戦を続けています。
板橋氏は造形のみならず技法においても幅広い作品を制作していますが、大よそ二つの要素によって創作は展開されています。それが今展でも展示される、「白磁」と「シャモット」による作品です。二つの相反する材料は黒と白の色のように、互いを強調しています。いずれも既成概念にとらわれない自由さを持ちながら、存在の根源を問う、やきものの本質を表現した作品です。
板橋廣美 (Itabashi Hiromi)
- 1948
- 東京都三鷹市に生まれる
- 1971
- 日本大学法学部卒業
- 1976
- 日本陶磁器デザインコンペティション・優秀賞(日本陶磁器デザイン協会)
- 1977
- 多治見市陶磁器意匠研究所修了、朝日陶芸展・77朝日陶芸賞(朝日新聞社)
- 1978
- 陶芸家・伊藤慶二氏に師事
- 1979
- 岐阜県陶磁器デザイン総合展・奨励賞(岐阜)
- 1983
- 朝日陶芸展・83朝日陶芸賞(朝日新聞社主催)
- 1984
- 中日国際陶芸展・84大賞(中日新聞社主催)
- 1985
- 中日国際陶芸展・特賞(中日新聞社主催)
- 1988
- セラミックアネックスシガラ88 滋賀県立美術館(滋賀)
朝日現代クラフト展招待出品92(朝日新聞社主催)
現代日本クラフトデザイン展(アメリカ・ベルンハム)
- 1989
- 国際陶磁器美濃・デザイン部門・銀賞(岐阜・多治見)
- 1991
- 47ファエンッア国際陶芸展買い上げ賞(イタリア)
- 1993
- UTSUWA 埼玉県近代美術館(埼玉)
- 1995
- 金沢工芸大賞コンペティション招待(金沢)
- 1996
- WINDS板橋廣美陶芸研究所開設(東京)、「若き陶芸の旗手達」愛知県陶磁資料館(愛知)、「磁器の表現 1990年代の展開」東京国立近代美術館工芸館(東京)、「女はどう表現されてきたか」岡山県立美術館(岡山)
- 1997
- 出石磁器トリエンナーレ・97大賞(兵庫・出石)、「ソウル セラミックアートビエンナーレ」ソウル市立美術館(韓国)
- 2000
- NHK「やきもの探訪」放映BS2、「陶芸の路」陶芸展招待出品(デンマーク)
- 2001
- 「現代陶芸の精鋭 21世紀を開くやきものの手法と形」茨城県立陶芸美術館(茨城)、大韓民国ワールドセラミックエギビジョン(韓国・ソウル)
- 2002
- 「現代陶芸100年史」岐阜県現代陶芸美術館(岐阜・多治見)
- 2003〜2009
- 第17回日本陶芸展招待出品(毎日新聞社主催)
- 2003
- アベラネーダセラミックシンポジウム招待(アルゼンチン)、
「工芸の現在 アメリカ・ヨーロッパ・アジア・21人展」(金沢)
- 2004
- 「かたちを切る−日本の現代陶芸」岐阜県現代陶芸美術館(岐阜・多治見)
- 2005
- レジデンス バロリスAIR(フランス)、第18回日本陶芸展招待出品(毎日新聞社主催)、「アナザーストーリー」金沢21世紀美術館(石川)
- 2006
- 「日本陶芸100年の精華」茨城県立陶芸美術館(茨城)、「陶芸の現在、そして未来へCeramic NOW+」兵庫陶芸美術館(兵庫)
- 2007
- アートビオトープ「森の精霊たち」二期倶楽部(栃木・那須)
- 2008
- 金沢市工芸展優秀賞(石川)
- 2009
- 金沢市工芸展世界工芸都市宣言賞(石川)
- 2010
- 第一回 金沢・世界工芸トリエンナーレ、金沢21世紀美術館(石川)
- 2011
- 工芸アートフェア、東京国際フォーラム(東京)、「磁器展」樂翠亭美術館(富山)、「日本×ファエンツァ やきものの現在」イタリア文化会館(東京)
- 2012〜2013
- マーラ国立工科大学外部卒業審査員・ワークショップ(マレーシア)
- 2014
- 「現代・陶芸現象」茨城県陶芸美術館(茨城)
- 2016
- 国立台南芸術大学 レクチャー・ワークショップ(台湾)、ミルオトキクカタチvol.3板橋廣美「白磁の世界」 石川県立音楽堂(石川)、「方法の発露2016−地域性と個人性−」しいのき迎賓館(石川)
- 2017
- 金沢市別所町にWINDS CERAMIC STUDIOを開設(石川)
- 2018
- 伊藤慶二・板橋廣美展 二人展(ギャラリー数寄/愛知・江南)