2018年11月05日
株式会社川島織物セルコン(本社:京都市 社長:山口進)は、“伝統のアップデート”をテーマに、西陣織の帯地に使われる伝統的な技術や紋様(デザイン)を用いた椅子の張り地を製作、11月14日〜16日まで開催のBAMBOO EXPOで公開します。
1843年創業の京都・西陣をルーツとする川島織物セルコンは、着物の帯や緞帳を織る手織り生産と、カーテンや壁張り、椅子張りなどインテリアファブリックを製作する機械生産という、二種類のモノづくりを行っています。この二つのモノづくりの融合を目指し、今回、帯地のインテリアへの用途展開を試みました。
引箔、唐織、天鵞絨(ビロード)などの技術、また毘沙門亀甲や宝尽くし文様などの紋様(デザイン)は、帯地などに多く使われてきた伝統的なものであり、その性質や色味などは日本独特です。これらを現代のインテリア用途にアップデートしていく活動は、デザイン・技術の双方からの挑戦となり試行錯誤の連続でしたが、華やかで豪華なファブリックとなりました。
BAMBOO EXPOのご来場者やお客様の声を伺いながら、量産をめざし改良を重ねていく予定です。
<参考資料>
■出展品詳細
毘沙門亀甲 (びしゃもんきっこう) | ||
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採用技術 | 錦(引箔)
綾織に模様をあしらった引箔を織り込んだ光沢感のある地に、白い糸を浮織りで入れ立体的に表現した。 引箔:和紙に金銀箔や彩色などで模様を表し糸状に裁断したもの |
デザイン | 毘沙門亀甲
財宝富貴を守る神である毘沙門天の着衣や甲冑に使われることからその名がついた「毘沙門亀甲」をモチーフとした。 |
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仕様 | 生地幅:68.0p
使用織機:シャトル力織機 |
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素材 | 絹:79%、分類外繊維(紙):21% |
宝尽くし (たからづくし) | ||
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採用技術 | 錦(唐織)
綾織に浮織りで文様を織り出し、絹糸の光沢が際立つふっくらとした印象に仕上げた。 |
デザイン | 宝尽くし
宝物(小槌、巾着、蓑笠、蓑、分銅、鍵、丁子)を集めた「宝尽くし文様」をベースに、松竹梅・桐・鶴や亀などを加えたおめでたい絵柄で構成。 能衣装に見られる唐織をPOPにアレンジ。 |
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仕様 | 生地幅:34.5p
使用織機:シャトル力織機 |
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素材 | 絹:100% |
寛文景趣 × 生命の樹 (かんぶんけいしゅ×せいめいのき) | ||
![]() 寛文景趣 ![]() 生命の樹 |
採用技術 | ビロード× 刺繍× 錦
光沢のある朱子(サテン)地にパイルとビロードで立体的に柄を表現したものに、小花などを京刺繍で施した。サイド面、バック面は金糸を用いた華やかな錦。 |
デザイン | 寛文景趣・生命の樹
躍動感ある流水に松竹梅や菊などの花を大胆に配した寛文時代の特徴をとらえた「寛文景趣」と、ペルシャを起源とするインドの豊穣・生命の象徴をあらわした「生命の樹」という2つの趣の異なるファブリックを対比させた。 |
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仕様 | 寛文景趣
生地巾:52.0p 使用織機:シャトル手織織機、京刺繍 生命の樹 生地巾:34.5p 使用織機:シャトル力織機 |
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素材 | 寛文景趣
絹:100% 生命の樹 絹:49%、綿:21%、ポリエステル:15%、 分類外繊維(紙):15% |
■ BAMBOO EXPO 開催概要