2019年03月25日
株式会社川島織物セルコン(本社:京都市左京区 社長:山口進)は、京都・西陣を発祥とする織物メーカーです。織物業界の最高峰ブランドとして伝統美を最新技術に生かしながら、着物の帯や緞帳、美術装飾品からインテリアファブリックまで幅広く生産しています。また国宝の修復や復元にも携わり、奈良の正倉院に保存されている約1300年前の織物・正倉院裂(しょうそういんぎれ)を復元模造する10年プロジェクトを担うなど、日本の織物の歴史を支えてきました。
当社は、織物の未来と100年後の川島織物セルコンを考える活動のひとつとして、イタリア ミラノで開催される世界最大規模のデザインの祭典『ミラノデザインウィーク』に初出展します。伝統技術と先端技術を合わせ持つ川島織物セルコンの誇る様々な手法で作り上げた織物を、インスタレーションで表現します。
展示の題材には、日本のみならず海外からも多くのファンを魅了してやまない琳派の画家・工芸デザイナーの神坂雪佳が、川島織物セルコンのためにデザイン制作した「百花」を採用しました。アートディレクションを担当したのは、ジャパンクリエイティブの代表理事でグラフィックデザイナーの廣村正彰氏。日本の誇る織物芸術の精緻なクラフトマンシップと最新技術の織りなす和により、甘美かつ優雅な空間構成となっています。
川島織物セルコンは、創業来170余年にわたり培ってきた伝統技術と最新技術の掛け合わせが生み出す織物の可能性を追求し続けていきます。
アートディレクション
廣村正彰 氏
(グラフィックデザイナー、ジャパンクリエイティブ代表理事)
グラフィックデザイナーとして数多くの印象的な作品を生み出し、また、日本人がもつ優れた美意識や伝統に根ざした技術を国内外に発信することを目的としたプロジェクト「ジャパンクリエイティブ」のクリエイティブディレクターである廣村氏。歴史や伝統技術を大切にしながら最新技術を追求する当社の思いや活動に共感頂き、インスタレーションのアートディレクションが実現しました。
神坂雪佳 と「百花」
神坂雪佳(1866〜1942)は、琳派の画家・工芸デザイナーであり、かつて川島織物で図案を描いていたことがあります。染織・陶芸・漆芸・建物内装や室内装飾なども手掛けるプロデューサーのような才能も発揮し、2001年には日本人として初めてエルメスの雑誌の表紙を飾りました。
「百花」は神坂雪佳が、川島織物が製作する室内装飾織物用に描いた図案で、多くの花々がちりばめられた様は制作されてから100年を超えた今でも多くの人に愛されています。帯やカーテンなど様々な織物の意匠として使用し、当社の代表的な意匠のひとつとなっています。